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乃木坂46、3・4期生が提示したグループの未来 先輩メンバー不在でのパフォーマンスを読み解く

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2019年12月08日 16:02  リアルサウンド

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写真乃木坂46
乃木坂46

 11月26、27日に東京・国立代々木競技場第一体育館で『乃木坂46 3・4期生ライブ』が開催された。同会場で行なわれる乃木坂46単独の公演としては、まだデビューから1年半ほどのキャリアだった『真夏の全国ツアー2013 FINAL!』以来となる。2013年の公演は当時の1期生およびグループに本格合流する前夜の2期生が担ったが、6年を経たのち、その1・2期生が築いた乃木坂46の礎を次の時代に継承する準備として再度、代々木の地が選ばれた。


参考:乃木坂46 秋元真夏、齋藤飛鳥の“ヤバイ素顔”を告発 「家だと洗面所で生活している」


 ライブはまず、6年前の代々木公演でもセットリスト序盤に披露されていた初期楽曲「おいでシャンプー」「ガールズルール」で幕を開ける。「裸足でSummer」を挟んだのち、このライブのコンセプトを告げるように3期生楽曲「トキトキメキメキ」、4期生楽曲「キスの手裏剣」が続く。そして以後は3期生のみ、4期生のみのパートが交互に展開され、4期が「4番目の光」、3期が「三番目の風」と各期を代表する楽曲でそれぞれのパートをスタートさせた。


 あらためて期別単位のライブパフォーマンスが行なわれることでまず際立つのは、3期生がすでにして身につけている、チームとしての力強さである。たとえば、今回フルサイズで披露された「三番目の風」は、かつては加入したばかりの3期生たちのフレッシュさを謳うアンセムとしてあった。しかし今年の『真夏の全国ツアー2019』での力強さを経て、このライブでは楽曲としての物語性を色濃く宿す作品にまで進化させている。


 これは3期メンバーがそれぞれに表現力を蓄えた、強い個の集合になっているゆえだ。今回の公演随一の迫力をみせた3期生パートの「日常」でセンターを務める久保史緒里や、ライブ全体を牽引した梅澤美波や山下美月をはじめとして、メンバー個々が乃木坂46という大きな看板全体を背負う顔としての準備を整えつつある。


 対して4期生のハイライトは、メンバーたちの歌声を引き立てるように今公演用のピアノアレンジが施された「羽根の記憶」だった。実働一年目の彼女たちのみによるパフォーマンスが披露されるにあたって、自らの可能性と未来とを綴るこの曲がシンプルなアレンジで歌われ4期パートのクライマックスに置かれたことで、ライブ全体のねらいもさらに際立つ。


 2017年、当時やはり実働一年目だった3期メンバーは『3人のプリンシパル』のほか『三期生単独ライブ』や舞台『見殺し姫』などの公演を立て続けに行ない、乃木坂46本体と離れた場所で別働隊のようにしてステージ経験を蓄積していった。それと比較しても、4期生は非常に短期間のうちに、大会場での公演を先輩メンバーとともに背負う立場に置かれている。グループ草創期からのメンバーたちが近年、順調にキャリアを重ね次々に卒業を迎えていることを考えれば、4期メンバーがグループの中枢を担うまでのスパンは、3期メンバーにも増して早いのかもしれない。であればこそ、この『3・4期生ライブ』はきわめて近い未来の乃木坂46像を描いてみせるような趣をもつ。


 その未来像をさらに視覚的に明確にするのが、ライブ終盤パートで連続してパフォーマンスされた「逃げ水」「夜明けまで強がらなくてもいい」である。いずれも3期、4期メンバーが初めてシングル表題曲のセンター/フロントに抜擢された楽曲であるため、センターに立ったメンバーはリリース時のオリジナルと同一である。しかし、周囲のメンバーとの関係性は、シングル選抜におけるそれとは対照的だった。


 「逃げ水」「夜明けまで強がらなくてもいい」はそれぞれ、選抜メンバー内で最もキャリアの少ない人物をセンターやフロントに据え、周囲を盤石の先輩メンバーが固めつつ次世代を涵養する第一歩としての意味をもっていた。だが『3・4期生ライブ』においては、中心に立つ彼女たちと周囲のメンバーとが、いずれも次代のグループを担う立場にいる点では並列であり、センターやフロントのメンバーは周囲に守られるのではなくリードしてゆく役割をもつ。今はまだ新鮮に映るそのバランスは、やがて遠くない将来の乃木坂46のスタンダードとなるはずである。前途を見据えるビジョンをこのように提示してみせることこそ、このライブがもつ最大の意義だった。


 ライブ中盤に2チームに分かれての対抗企画を挟み、あるいはセットリスト本編をグループのデビュー曲「ぐるぐるカーテン」で締めくくるなど、このライブでは2013年の代々木公演の跡をたどるような光景がいくつもみられた。当時のメンバーたちはその翌年夏に明治神宮野球場でのコンサートを初めて実現させ、以後2010年代後半を代表するグループへと成長していった。その先達によって乃木坂46というブランドがある程度確立された段階で、それを受け継ぐべく加入したのが今日の3・4期生である。


 グループの強みや方向性がすでに定まって以降に乃木坂46の一員となることは、大きなメリットを手にすることでもある。しかしまた同時に、彼女たちに託されたブランドの継承という課題は、オリジネーターではないからこその難しさもともなうはずだ。『3・4期生ライブ』で見せた未来像を乃木坂46の看板として具現化してゆくことは、3・4期メンバーのみならず組織全体にとって2020年代の重要な使命となる。(香月孝史)


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