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【芳麗・女と文化の話】三浦瑠麗が語る、いま深く傷ついている女性に伝えたいこと

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2019年12月08日 17:00  andGIRL

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写真【芳麗・女と文化の話】三浦瑠麗が語る、いま深く傷ついている女性に伝えたいこと
【芳麗・女と文化の話】三浦瑠麗が語る、いま深く傷ついている女性に伝えたいこと
ここは、大人GIRL’Sを美しくする文化や思考を語り合う誌上café。今月のゲストは、政治や社会問題について1人の女性として、国際政治学者として、自らの言葉を発信し続ける、三浦瑠麗さんです。

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■今月のゲスト:三浦瑠麗さん



今、深く傷ついている女性も 豊かに幸せになれると伝えたくて
テレビや雑誌など多くのメディアで活躍する、国際政治学者の三浦瑠麗さん。端麗な容姿とキッパリと媚びない態度を持って、自らの思考を自らの言葉で語ることができる、強く美しく賢い女性。爐い錣罎詆當未僚性瓩伴分を位置づけている人にとっては遠い存在に感じられるけれど、彼女の自伝を読めば、また異なる印象と感情を抱くはず。

幼少期にいじめを受けたこと、中学生時代に経験した性犯罪、そして、結婚後初めて身ごもった娘を死産して弔った絶望・・・etc.そこには、波乱の人生の中で自分と深く向き合い続け、人を深く愛して生きることを諦めずに葛藤してきた彼女の姿が描かれている。傷も痛みも多い半生は、いかに三浦瑠麗を育ててきたのか。


女性や家族のために言葉を伝えてあげたかった
芳麗 今年、もっとも心打たれた書籍のひとつが三浦さんの自伝『孤独の意味も、女であることの味わいも』でした。

三浦 ありがとうございます。

芳麗 ディープな人生経験を静謐な筆致で綴っていて・・・。とりわけ女性にとっては、生き方の指南にもなるし、エールにも感じられました。

三浦 一昨年、私がジャンシー・ダンの「子供が生まれても夫を憎まずにすむ方法」について書いた書評を読んだ編集者から、女性の生きづらさをテーマで書いてみないかとお声がけいただいて。要請を半年ほど放置した末、思いついたのが自伝という形で書くことでした。時間を経た今なら書けるかなと。今回は、自分のためより、誰かのために書きたいなと思えたことも原動力になりましたね。娘や夫など家族のため、それから、女性たちのために書きたいなと。

芳麗 年下世代に向けて書こうと思えたのは?

三浦 番組で共演した方など、30歳前後くらいの女性たちに悩みを相談されることが多くて。その場で答えられる言葉はあるんですけど、塊にしないと伝わらないことも多くて。

芳麗 コラムなど短い言葉ではなく、小説など1冊の本じゃないと伝えられないことはありますよね。

三浦 ええ。30歳前後は考えることが必要な年齢だけど、十分に考えられていない。キャリアも結婚や子供も人間関係もたくさん感じて悩んでいるのに、考えを詰めていないから何となく辛いまま。それでも、仕事は押し寄せてくるし・・・。

芳麗 私も自分が通った道ですし、仕事柄、聞く機会も多いのでわかります。時代を問わず、30歳前後の女性は同じことに悩み続けている。仕事も結婚も焦っているけど、本当はどう生きたいのかなど根本については、実は考えていなかったりする。考えすぎると苦しくなるから思考停止しちゃってる部分もあるのかな。


人間を客観的にみると愛せるようになっていく


三浦 もしかして、自分を見つめているつもりでも、実は他人から自分がどう見えるかを見ているだけなのかも。自分の実像ではなく、イメージについて考えているだけかもしれない。

芳麗 ああ、なるほど。

三浦 本当の自分について、あるいは他人についても今一度、考えてみるといいですよね。たとえば、時にぶつかる母親も別な角度から見てみると、初めて人間であることに気づけたりするから。

芳麗 家族も自分も、客観的に1人の人間として見ること?

三浦 はい。そうすると、自分も他人もなかなか愛すべき存在だと気づけますよね。私自身も、この本を書くことでそれを実践してみたんです。書かれた側の家族はたまらないかもしれませんが。

芳麗 ただ、客観的な視点と思考を持てるには、精神的な自立が必要ですよね。三浦さんも初めから強かったわけじゃないと思いますけど・・・。

三浦 もちろん。誰しも突然、大人になれるわけじゃない。少しずつですよね。だから何をすれば良いという処方箋はないんですけど・・・傷ついても諦めずに考え続けることは必要なんじゃないかな。


たとえ、犯罪ではなくても 性被害に苦しんでいる女性は多い


芳麗 本書では、三浦さんの痛ましい経験についても深みまで書かれています。中学時代に男性から暴行を受けたこと、初めての子どもを流産して弔ったことなど。とても強いな、素晴らしいなと思ったのは、三浦さんは幾度も深い傷を負っても、心を閉じずに生きてきたこと。

三浦 そうですね。

芳麗 思春期に性暴力を1度経験したら、心身ともに長らく閉じてしまう人は多いと思うんです。私も犯罪では全くないし、他人から見たら小さなことかもしれないけれど、性については嫌な思いも経験していて。こっそりと男性不信な時期も長かったんです。

三浦 実はそういう方は多いと思います。過去の痛みを口にすらせず、心にしまって、誰かの妻や母として、ひっそりと生きている女性たち。一見、恵まれているようで、実は生きづらさを抱えている人は多いんじゃないかな。

芳麗 多いと思います。

三浦 私の経験は凶悪犯罪でしたが、日常の性暴力もその延長線上にありますよね。愛のある夫婦や恋人関係でも、そういう気分じゃないのにされたとか。それを受け入れてしまったことも含めて傷ついている女性は多いと思う。犯罪は刑法で裁かれるべきという点では切り離すべきですけど。きっと人間とは性に限らず、他者を支配したいという欲望を持っているんだろうなと。でも、一方、どんな人間にでも良いところもありますし・・・。

芳麗 三浦さんは、アンビバレントな人間の本質を理解することで、自身の痛みを乗り越えられた?

三浦 おそらくそうです。犯罪者に限らず、大好きな恋人でも支配欲求を持っていたりする。でも、それが人間ですよね。女性だって、男性にハラスメントすることもあり得ますし。聖人君子はどこにもいない。でも逆の見方をすれば、人間は良くなることができるということ。

芳麗 伸びしろがある。

三浦 はい。実際、この本を読んだ男性の友人たちの中にも何人か変化した人がいたんです。政治の話では気が合っても、女性問題では何でこんなこというのかなと思っていた男性が「女性を少し理解できた」と(笑)。

芳麗 おお! 本書を男性がどう読んだのか気になってました。

三浦 男性も真摯に読み、さまざまなことを感じとってくれた方が多かったです。ご自身の人生に重ね合わせて「あのとき、悪気なく妻に言った一言が彼女を傷つけていたかも」という方も何人かいらして。

芳麗 男の人も生きづらさを抱えているし、傷ついてきたんでしょうね。しかも、多くの男性はコミュニケーションについて不器用ですし。自分の本心や他者との関係について理解や表現がうまくできなくて苦しいのかもしれない。


豊かな人生を分かちあえる パートナーシップの築き方
芳麗 三浦さんの夫婦関係は理想的です。男女愛を持ちつつも人間としての本性を見せ合って向き合い、年々、家族としての絆も育んでいる。個として自立しつつ、共闘している。

三浦 日本の夫婦関係としては、旦那さんが先を歩いて妻がついていくスタイルがいまだに多いと思いますが、うちは横並び。日々、顔を見合わせて語りあいながら並走している感じですね(笑)。

芳麗 やっぱり、理想のパートナー関係だなぁ。どうしたら、その関係が叶うのでしょう。

三浦 うーん・・・。夫は変な人なんですよ(笑)。三浦瑠麗の夫であることは大変だと思うのですが、全然、平気そうですし。それと、一緒に語り合うことが楽しかったのは大きいかなと。友達時代から、どこかへ出かけるよりも、カフェでお茶して語り合うのが何よりも楽しかったですし。

芳麗 どんなことを語るんですか?

三浦 何気ない雑談から、議論までいろいろです。

芳麗 対話ってどんな関係でも大切ですよね。


対等で面白い会話を重ねて 恋人や夫婦関係を強くする


芳麗 ただ、恋人や夫婦となると、会話が足りない人が多すぎる。女性の話をつまらないと言って聞かない男性も多いかなという感じだけど。

三浦 そういう男性は良い聞き手になれていないんです。仕事の時は熱心に話を聞くのに(笑)。妻の話がつまらないのではなく、妻の話を聞く姿勢が足りないんですよ。一方、女性も語りたいことを語るときには、建設的に思考してから言葉にしないと男性には伝わらないのかなとも思います。

芳麗 なるほど。

三浦 たとえば、「私は○○と思うんだけど」と個人的な共感を求めても得られなかったときは、世の中に対してこう考えているからこう思うのだ、という前提をまず共有してから話すとか。ふわっと共感だけど求めて話すと、男性脳は揺さぶられないんだろうなと。

芳麗 相手の思考への歩み寄りが必要ですね。

三浦 これまでの日本の文化として、男性は奥さんを母親扱いしたり、付属物としてみなしがちだから話を聞かない。本人は悪気がないんでしょうけど。

芳麗 でも、話さないと本質にたどり着けない。

三浦 そう。夫が話を聞いてくれないからと、妻も旧来の物分かりのいい女性を演じてしまうと元の木阿弥ですよね。「女はどうせ口数少なく、彼の望みを満たしておけば良いでしょう・・・」と女性自身が思ってしまうのはもったいないです。結局、お互いに理解しあえないままで終わってしまうから。

芳麗 ホントですね。そう考えると、「男を喜ばせるには、こうしておけば良い」みたいな恋愛本は意味がないなと改めて思います。人間として話し合えないと、パートナーにはなれないから。

三浦 男性は、女性以上にコミュニケーションに不器用な人が多いから。諦めずに工夫して、迂回せずに話し合うことは、大切だと思います。


三浦瑠麗が何を言われても折れないでいられる理由
芳麗 メディアで拝見している三浦さんは折れない人だなと感じてましたが、その理由が本を通じて、今日お話しして少しわかった気がします。自分の孤独や愛を繊細に突き詰めているから、強くなるし、流されようもない。

三浦 ありがとうございます。知っている人に理解されていればいいと思うんですよね。そこがあるから、知らない方に何を言われても気にならないですね(笑)。

芳麗 そうだろうなと(笑)。最後に触れたいのですが、様々な経験を持って、「処女性には何の意味もなかった」と本書に書かれていたことにも心打たれました。性的な被害に限らず、何かしらに傷ついて自尊心を失っている人はたくさんいると思うんです。それを乗り越えて幸せになることはできると。

三浦 もちろんです。どんなに悲しいことや辛いことがあっても、自分自身が汚れたり、人生が終わってしまうわけじゃない。その後の自分の選択によって、人生は想像以上に豊かなものになりますから。それが伝わったら嬉しいなと思います。


■本日の芳麗のおすすめカルチャー

『孤独の意味も、女であることの味わいも』三浦瑠麗(著)
三浦瑠麗さんが、女性の生きづらさをテーマにディープな半生を綴った話題の書。悲しみや怒り痛みなど経験を通じて、孤独を突き詰め、女性として人間としての自分と静かに深く向き合い、自尊感情を取り戻し、豊かな人生を編み上げる様が描かれている。多くの女性(あるいは男性にとっても)希望の書になるはず。

芳麗(よしれい)
NHK山形局のキャスターを経て、文筆業に。女性の生き方にまつわるコラムとインタビューを主軸に、本誌のほか、雑誌、WEBなど多くの媒体などで連載・執筆。著作に「3000人にインタビューして気づいた! 相手も、自分も気持ちよく話せる秘訣」(すばる舎)、「LOVEリノベーション」(主婦の友社)など。好きなものは、旅とご飯とカルチャー全般。

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