球界を代表するエースの証!? 過去5シーズンの「投手貯金ランキング」

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2019年12月10日 07:20  ベースボールキング

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ベースボールキング

中日・大野雄大
◆ 先発投手の力だけではないものの……

 今季、防御率2.58で最優秀防御率のタイトルを獲得した大野雄大(中日)が、出演したテレビ番組で、2年連続の最優秀防御率と「貯金15」を来季の目標に掲げた。その際、自身を称して「10勝っても10負けるというレッテル(を貼られている)じゃないけど、自分でも実際そう思っている」と発言した。

 ファンのあいだでも若干の諦念と揶揄を込めて、「10勝しても10敗する」といわれる投手もいるが、それだけの数字を挙げるとなると、シーズンを通してローテーションを守り、長いイニングを投げる必要がある。その点では大いに評価されるべきだろう。

 また、そもそも勝利数は、打線や中継ぎ投手の出来にも左右されるため、投手個人の能力だけによるものではない。実際、球界を代表する投手・菅野智之(巨人)も、2016年には、最多奪三振と最優秀防御率の二冠を獲得しながら、打線の援護に恵まれなかったり、中継ぎ投手に勝ちを消されたりして、勝ち星は2桁に満たない9勝に終わった。

 菅野のようなエース級の投手となると、他球団のエース級投手と投げ合うことになり、投球内容の割に勝利数は伸びないということもよく見られる。それでも、チームのエースと呼ばれる投手には、やはりエース対決を制しての貯金が期待されるもの。では、近年、もっとも貯金を残した投手は誰なのだろうか――。

 下記は、2015年から今季までの過去5シーズンにおける、投手の「貯金ランキング」である。過去5シーズンにおいて1勝以上を挙げた投手計433人のなかから、5シーズンでの貯金の数を算出した。

【過去5シーズン投手貯金ベストテン】
1位 千賀滉大(ソ) :貯金30( 99登板53勝23敗)防御率2.79
2位 ジョンソン(広):貯金27(118登板57勝30敗)防御率2.54
3位 菅野智之(巨) :貯金26(126登板62勝36敗)防御率2.22
4位 菊池雄星(西) :貯金24( 94登板51勝27敗)防御率2.58
4位 バンデンハーク(ソ):貯金24(79登板41勝17敗)防御率3.50
6位 マイコラス(巨):貯金18( 62登板31勝13敗)防御率2.18
7位 大谷翔平(日) :貯金17( 48登板28勝11敗)防御率2.15
8位 野村祐輔(広) :貯金16(103登板43勝27敗)防御率3.51
9位 大瀬良大地(広):貯金15(145登板42勝27敗)防御率3.22
9位 東浜 巨(ソ) :貯金15( 77登板35勝20敗)防御率3.32


◆ 短期間で驚異的な数字

 打線や中継ぎ投手など、チームの総合力も問われるだけに、貯金ベストテンにランクインした投手の所属球団は、いずれも過去5シーズンのうちにペナントレースを制しているチームだ。そのなかでトップとなったのは、千賀滉大(ソフトバンク)。過去5シーズンで一度も負け越しがなく、4度の2桁勝利を挙げる安定感で、ただひとり貯金30の大台に乗せた。

 意外なところでは、菊池雄星(現米マリナーズ)、マイコラス(現米カージナルス)、大谷翔平(現米エンゼルス)の名前があることだろう。菊池は今季から、マイコラスと大谷は2018年からメジャーでプレーしており、それだけ登板試合数は限られているにもかかわらず、ベストテンにランクインした。彼らがいかにハイペースで貯金を積み重ねていたかがわかる。

 なかでも大谷の数字は驚異的だ。二刀流の影響もあって、登板試合数は48にとどまったが、その一方で黒星もわずか11。防御率2.15、勝率.718は、いずれもトップテンの投手のなかでトップの成績である。

 ちなみに、大野の過去5シーズンの数字は、102試合34勝39敗の借金5だった。2013年には田中将大(現米ヤンキース)が28試合24勝0敗という数字を残したが、このランキングを見ると、それはあくまでごく稀なケース。大野が掲げた1シーズンでの貯金15は、ちょっと現実的ではない目標かもしれない。

 とはいえ、それだけの気持ちを持って来季に臨むということ。来季も、各球団のエース級投手同士がどんな戦いを見せるのか、注目したい。


文=清家茂樹(せいけ・しげき)

このニュースに関するつぶやき

  • QSなど当たり前。先制されない。味方が打てないときは失点を最小限に抑える。守備にエラーが出たときこそシッカリ抑える。コレが出来ないとダメだろうね。
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