阪神・近本も続けるか…偉大な歴代“新人特別賞”受賞野手たち

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2019年12月10日 14:14  ベースボールキング

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阪神・近本光司
◆ タイトル獲得も39票差で新人王を逃す

 12月に入り、主力選手の契約更改も佳境を迎えつつある。

 先週末の12月6日には、阪神のルーキー近本光司が契約更改。年俸1500万円から4500万円へと3000万円のアップを勝ち取った。3000万円のアップは、球団の新人野手としては史上最高額だという(金額は推定)。

 2018年のドラフト1位で入団した近本は、開幕スタメンを勝ち取り142試合に出場。おもに1番打者としてチームを引っ張った。打率.271(586-159)、9本塁打、42打点、36盗塁と十分な結果も残し、盗塁王を獲得。また、長嶋茂雄(巨人/1958年)がプロ入り1年目に記録した153安打を61年振りに抜き、新人選手としてのリーグ最多安打となる159安打を放ったのだから、大幅な年俸アップも当然だろう。

 しかし、これだけの数字を1年目から残したにもかかわらず、高卒2年目で19歳ながら36本塁打、96打点の結果を叩き出した村上宗隆(ヤクルト)に新人王投票で39票及ばず、新人王受賞には至らなかった。それでも、セ・リーグから新人特別賞を受賞。今回の近本のように、新人王と甲乙つけがたい成績を残した選手には、新人特別賞(年度によって名称は異なる)が贈られることがある。

 過去を振り返ってみても、投手では、菅野智之(巨人)、岸孝之(西武)など、そうそうたる選手が名を連ねており、野手の受賞者に目を向けても、プロの世界で結果を出し続けた実力者ばかりだ。


◆ 過去の野手受賞者は高橋由伸ら5選手

 過去に特別表彰を受賞した野手は、石井浩郎(近鉄/1990年)、片岡篤史(日本ハム/1992年)、高橋由伸(巨人/1998年)、坪井智哉(阪神/1998年)、坂本勇人(巨人/2008年)の5選手だ。

 野手で最初に同賞を受賞したのは、石井浩郎(近鉄)。1990年に86試合の出場ながら22本塁打を放ったが、同僚の野茂英雄が18勝8敗、防御率2.91、287奪三振と圧巻の成績を残して新人王を獲得。この年は、潮崎哲也(西武)や酒井光次郎(日本ハム)にも優秀新人賞が贈られている。

 その後も石井は近鉄の主軸として活躍し、1994年には打点王を獲得。その後は巨人、ロッテ、横浜と渡り歩き、現役通算162本塁打を記録するなど球史に名を残す活躍を見せた。

▼ 石井浩郎(近鉄)
1年目・26歳
[成績] 86試 率.300( 263− 79) 本22 点46
[通算] 974試 率.289(3091−894) 本162 点536


 石井が特別表彰を受賞してから2年後の1992年には、片岡篤史(日本ハム)が打率.290(431-125)、10本塁打、53打点で優秀新人賞を獲得。新人王に輝いたのは、13勝9敗、防御率3.15の成績を残した高村祐(近鉄)だった。なお、この年は、若田部健一(ダイエー)と河本育之(ロッテ)も優秀新人賞を受賞している。

 その後、片岡は1998年に最高出塁率のタイトルを獲得。2006年に現役を引退するまで、日本ハム、阪神の2球団で通算1425安打を記録した。

▼ 片岡篤史(日本ハム)
1年目・23歳
[成績] 125試 率.290( 431− 125) 本10 点53
[通算] 1569試 率.270(5272−1425) 本164 点717


 1998年のセ・リーグ新人王争いは、稀に見る大激戦。川上憲伸(中日)が14勝6敗、防御率2.57とエース級の働きを見せ、その川上と大学時代からしのぎを削った高橋由伸(巨人)は、打率.300(466-140)、19本塁打と活躍。坪井智哉(阪神)に至っては打率.327(413−135) 、2本塁打と好打者ぶりを披露し、小林幹英(広島)は54試合の登板で9勝6敗18セーブ、防御率2.87と奮闘した。

 その結果、新人王は川上が受賞し、その他の3人にはセ・リーグ会長特別表彰が贈られている。高橋は打撃タイトルの獲得こそなかったが、通算1753安打を放った。坪井は、阪神、日本ハム、オリックスの3球団でプレーした後、アメリカの独立リーグでプレー。2014年まで現役を続けた。

▼ 高橋由伸(巨人)
1年目・23歳
[成績] 126試 率.300( 466− 140) 本19 点75
[通算] 1819試 率.291(6028−1753) 本321 点986

▼ 坪井智哉(阪神)
1年目・24歳
[成績] 123試 率.327( 413−135) 本2 点21
[通算] 1036試 率.292(3348−976) 本32 点265


◆ 11年前には坂本勇人にも新人選手特別賞

 2008年には、坂本勇人(巨人)が高卒2年目ながら開幕スタメンを勝ち取ると全試合に出場。遊撃手として打率.257(521-134)、8本塁打、43打点の成績を残した。新人王は同僚の山口鉄也が67試合の登板で11勝2敗、防御率2.32で受賞したが、坂本にはリーグでは10年ぶりとなる新人選手特別賞が贈られている。その後の活躍はご存知の通りだ。

▼ 坂本勇人(巨人)
2年目・20歳
[成績] 144試 率.257( 521− 134) 本8 点43
[通算] 1670試 率.293(6440−1884) 本223 点800

 新人王を受賞した選手でも、それ以降は結果を残せず苦しみ、第一線で活躍できなくなる選手もいる。そのような厳しい世界ながらも、新人王と同等の価値がある新人特別賞を受賞した野手全員が、翌年以降も結果を残し続けている。近本も偉大な先輩たちに続くことができるだろうか。虎のリードオフマンのこれからに注目したい。

このニュースに関するつぶやき

  • 続いて貰わないと困る。来年は3割、2年連続盗塁王!
    • イイネ!8
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