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シメオネ監督も太鼓判を押すジョアン・フェリックスが学ぶべきことは

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2019年12月10日 16:12  webスポルティーバ

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 ベンフィカの育成組織で、ポルトガルサッカー界の数々の記録を作ってきたジョアン・フェリックス。昨シーズン(2018−19年)のスタートから、ベンフィカのトップチームに登録された。

 1部リーグデビューとなったのが、第2節ボアヴィスタ戦。残り2分からの出場だった。

 そして第3節で早くも1部リーグ初得点を記録する。しかもその記念すべき試合は、スポルティング相手にホームで行なわれたリスボンダービーだった。0−1とリードされる中、ジョアンは71分から出場。そして86分にチームを敗戦から救う貴重な同点ゴールを決めた。

 続く第4節は途中出場。第5節のアヴェス戦では初の先発出場。期待に応えて34分に先制点を決めている。華々しいデビューを飾りながらもルイ・ヴィトーリア監督のジョアンに対する起用は慎重だった。その後も控えや途中出場にとどめた。

 しかし19年1月3日、ベンフィカの監督がブルーノ・ラージに代わると、流れは変わった。ラージ監督は初采配となる第16節のリオ・アヴェ戦に、ジョアン・フェリックスを先発起用した。ジョアンも監督の期待に応えて2得点の活躍を見せた。

 ラージ監督は先発メンバーに抜擢したことに対して「この若者にすべてを賭けようじゃないか」と思ったのだという。ラージ監督はベンフィカBの監督を務めていた時もあったので、ジョアンのことを誰よりもよく知っていたのだ。

 ラージ監督はそれから最終節まで、ジョアンをずっと先発として起用している。2018−19年シーズン、ジョアンはポルトガルリーグ26試合に出場、15得点と活躍を見せ、ベンフィカのリーグ優勝に貢献した。

 華々しい活躍により、当然ながら、ヨーロッパのビッグクラブの関心を集めることになる。しかし、まさか19歳の若者に対して、クリスティアーノ・ロナウドを上回るポルトガルサッカー史上最高の移籍金(1億2600万ユーロ/約152億円)が支払われることになるとは誰も思っていなかった。

 アトレティコ・マドリードへの移籍が決まった時、この年齢で外国のクラブに適応するのは難しいのではないかと多くの者が思った。ところが、母親のカルラはそう考えていなかった。

「15歳から親元を離れてセイシャル(ベンフィカの合宿所がある街)で生活してきた息子ですから、マドリードへ移るのもまったく問題ないでしょう。彼はこのようなことにすでに準備ができているのです」

 それでも、アトレティコに移ったばかりのころはメディアの扱いも大きく、必然的にジョアンへの重圧はとても大きなものとなった。入団してからの1週間で、ジョアンの名前が書かれた7番のユニフォームは、70万ユーロ(約8400万円)以上の売上を記録している。このこともジョアンに対する期待の大きさを表わしていたし、ジョアンの肩には責任が重くのしかかったのではないだろうか。

 だがジョアンは、すぐにその重圧を跳ね返すような活躍を始めた。プレシーズンにはクリスティアーノ・ロナウドがいるユベントスと試合を行ない、ジョアンが2得点を決めて、2−1でアトレティコの勝利に貢献。アトレティコ・マドリードのディエゴ・シメオネ監督も試合後にジョアンを褒めた。

「彼はとてもいい試合をした。能力の高さを示し、そしてとても早く適応してきている。彼はどこでプレーしようと、ビジョンが優れている。彼はまだ適応の時期にあるが、彼は学ぼうとする姿勢があるから、きっと早くチームに適応するにちがいない」

 8月17日、スペインリーグ開幕前日の記者会見においてシメオネ監督はジョアンについても話している。

「ジョアンに対しては、これまでと同じ扱いを続けていく。彼は聞く耳を持っているし、学びたいと思っている。彼はとくに組織プレーに関して、チームとしての仕事を学んでいく必要があるだろう」

 さらに次のように話した。

「彼が重荷を背負うことに対して私は心配していない。私は重要な選手のひとりとして彼を扱うつもりだし、チームにとって最高の彼を引き出したいと思っている」

 開幕戦となったヘタフェ戦にジョアンは先発出場し、66分間、ピッチに立った。試合後のシメオネ監督の評価は高かった。

「彼にとってリーガ最初の試合であり、相手は守備において、戦術的によく動くチームであり、難しかったにちがいない。前半、相手はほとんどスペースを与えてくれなかったし、彼のプレーを見せることはできなかったが、しかし後半には個人技において能力の高さを見せてくれた。引き続きそのようなプレーを見せて欲しい。彼はさらによくなっていかなければいけない」

 ジョアンはシメオネ監督の期待に応えるように、早くも第3節のエイバル戦ではリーガ初得点を記録している。

 何もかも順風満帆に進んでいくようではあったが、ジョアンにとって19年がすべてバラ色であったわけではない。

 19年6月5日に行なわれたUEFAネーションズリーグの準決勝スイス戦で、ジョアンはポルトガルA代表デビュー戦を飾ったが、それはジョアンにとってほろ苦いものとなった。

 ジョアンは先発し、クリスティアーノ・ロナウドと共にプレーをしたが、思いどおりのプレーができないまま、70分にゴンサロ・ゲデスと交代している。しかも次の決勝戦ではそのゴンサロ・ゲデスが起用され、決勝点を挙げ、ポルトガルの優勝に貢献したのだった。その後、ジョアンは代表戦4試合に起用されているが、まだ代表初ゴールは生まれていない。

 ポルトガル代表のフェルナンド・サントス監督は、ジョアンの得点が生まれるのは時間の問題であると話す。

「大きな価値を持った若者だけに、遅かれ早かれ代表において重要な役割を果たすことになるだろう。彼に重圧を与えたくないし、彼もそのことをよくわかっているはずだ」

 19年11月17日、ジョアン・フェリックスはポルトガルにとっては16年度のレナト・サンチェス以来となる、ゴールデンボーイ賞を受賞した。これはイタリアのトゥットスポルト誌が主催する、ヨーロッパでプレーする21歳以下の最優秀選手に贈られる賞だ。

 レナト・サンチェスはユーロ2016での活躍が高く評価されたのだが、その後ベンフィカからバイエルンに移ってからはぱっとせず、そのまま現在に至るまで、出口のない迷路に入り込んでしまったかのようだ。それもあって、ジョアンに対する将来への不安も同時にささやかれている。

 しかし、アトレティコのシメオネ監督は、ジョアンの将来に関してまったく不安を感じていない。シメオネ監督がアルゼンチンのFOXスポーツに語ったコメントはとても興味深いものだ。

「ジョアン・フェリックスが(アントワーヌ・)グリーズマン(今季バルセロナへ移籍)の交代要員? たしかに彼はそのためにがんばっているし、彼もグリーズマンに代わるオプションのひとりでもある。歴史的にアトレティコはこれまでも若い選手を獲得して育ててきた。オブラクがチームに加わった時は、現在のようなオブラクではなかった。そのことは育成から上がってきたリュカ・エルナンデスの時もそうだったし、グリーズマンが加わった時も、現在のようなグリーズマンではなかったのだ。我々はタレントのある若者、そして我々の考えを吸収できるような若者が欲しい。そういった若者が将来に向けて成長するように、我々は育てているのだ」

 ジョアン・フェリックスがグリーズマンの代わりに留まらず、さらに超える存在にもなる日も、それほど遠いことではないかもしれない。

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