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「HHKB Professional HYBRID Type-S」速攻レビュー 既存モデルを統合した「真のフラグシップ」

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2019年12月10日 16:23  ITmedia NEWS

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●HHKBに待望の“モダンな新モデル”が登場



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 「HHKB」こと「Happy Hacking Keyboard」シリーズを販売しているPFUが、最新モデルの「HHKB Professional HYBRID」2機種と「HHKB Professional Classic」を発表した。前モデルの「HHKB Professional BT」が発表されたのが2016年4月なので、実に3年半ぶりの新モデル投入となる。



 新製品は3モデル。Bluetoothによる無線接続とUSBによる有線接続の両方に対応し、高速性と静音性を兼ね備えた「Type-Sスイッチ」を採用したフラグシップモデル「HHKB Professional HYBRID Type-S」(以下、HYBRID Type-S)、BluetoothとUSBの両方の接続に対応しつつ、標準的な静電容量スイッチを採用した「HHKB Professional HYBRID」、USB Type-C端子を採用する有線接続のみのスタンダードモデル「HHKB Professional Classic」が登場する。



 HYBRIDシリーズはそれぞれ英語配列モデル、無刻印(英語配列)モデル、日本語配列(かな無刻印)モデルの3種類。Classicは英語配列モデル、無刻印(英語配列)モデルの2種類が用意され、全てのモデルで墨(スミ)と白の2色から選べる。



 従来のフラグシップモデルでは、Bluetooth接続にのみ対応したモデル(BT)と、Type-Sスイッチを搭載した有線接続モデル(Type-S)の2モデルに分かれてしまっていた。しかしHYBRID Type-Sはこの2モデルの特徴を兼ね備え、これまでのフラグシップを統合した「真のフラグシップ」だといえる。こういった経緯を踏まえると、PFUが「HYBRID」と名付けた理由も納得できるだろう。



 今回、フラグシップのHYBRID Type-Sを事前に試す機会を得た。数日ほどではあるが、筆者が実際に触って試したファーストインプレッションをお届けしていく。



●外観と仕様で見る「HYBRID」シリーズ



 今回レビューするのは、HYBRID Type-Sの日本語配列・墨カラーモデル。まずは製品外観と仕様を簡単に見ていこう。



 HHKBの哲学であるキーレイアウトや昇華印刷、「シリンドリカルステップスカルプチャ」(指の動きに沿ってキーキャップにカーブを付ける形式のこと)などといった高級キーボードとしての仕様は従来どおり引き継がれている。前述の通り有線接続の端子はUSB Type-Cにアップデートされており、それに伴い背面の電池ボックス周りのデザインも若干スリムになった。



 そしてHHKB Professionalといえば欠かせないのが静電容量スイッチだが、HYBRID Type-Sでは、従来のType-Sに比べても、スイッチの部品精度をより一層高めたとしている。



 また、HHKBのキーマップをPCからカスタマイズできる「キーマップ変更機能」が初めて搭載された(HYBRIDシリーズのみ)。現在のところ「キーマップ変更ツール」はWindowsのみの提供だが、キーマップの変更はHHKB本体に記録されるため、他のPCやMac、スマートフォンなどに接続してもカスタマイズしたキーマップはそのまま利用できる。



●細部まで気の利いた「モダン仕様」のHHKB



 ここからは、筆者が実際に体験して感じたファーストインプレッションをまとめていく。まずは気になる打鍵感からみていこう。



○ぐらつきが少なく滑らかなType-Sスイッチ



 筆者はもともと、Type-Sではない通常の静電容量スイッチを搭載するJIS配列モデル(Professional JP)を所有しており、その打鍵感には満足しているつもりだった。しかし、HYBRID Type-Sの打鍵感はそれに比べても1ランク上の印象だ。



 Type-Sスイッチ自身も従来から改良を加えている。この結果、ぐらつきが少なく滑らかなHHKBらしい打鍵感がさらに強化され、静音性と併せて上質な打鍵体験が得られる。



○Bluetooth 4.2の恩恵



 HYBRIDの名前の由来にもなったBluetooth 4.2による無線接続と、USB Type-Cによる有線接続の両立も大きなポイントだ。



 従来の無線接続モデルでは、Bluetooth 3のみがサポートされており、USB端子は給電専用で入力には利用できなかった。このBluetooth 3がなかなかのくせもので、HHKBに限らず接続性に問題を抱えていることが多かった。無線が安定しない際にUSB接続ができず、非常にもどかしい状態となってしまっていた。



 対してHYBRIDシリーズでは、Bluetooth 4.2を採用している。Bluetooth 3と4は連番のバージョンだが、具体的な通信方式に関してはほぼ別物だ。4系では3系に比べて接続や通信の安定性、消費電力が大幅に改善されている。HYBRIDシリーズはBluetooth 4系の恩恵をしっかり受けており、ペアリングが非常にスムーズで通信も安定している。無線接続のキーボードの問題としてありがちな、入力の取りこぼしなどの動作不具合は今のところ発生していない。



 また、電池が切れてしまった場合や、何らかの環境で無線接続に問題が生じた場合にも、すぐに有線接続に切り替えられるため、プロの道具として安心して利用できる。端子がUSB Type-Cに変更されたのも、スマートフォンやPCでType-Cの採用率が増えていることを考えると、ケーブルの調達しやすさという点で合理的だといえる。



 以前からHHKBには「DIPスイッチ」によるキー入力のカスタマイズ機能が提供されていたが、できることはFnキーとCtrlキーの入れ替えなど、かなり限定的かつ単純だった。今回初めてキーマップ変更ソフトが登場したため、各キーのカスタマイズが可能になり自由度が大幅に上がった。設定さえすればQWERTY以外のアルファベット配置(Dvorak配列など)が利用できる他、変換・無変換キーや各種修飾キーなどのユースケースによって使用頻度が高いキーの配置をカスタマイズすることで、キーボードがぐっと使いやすくなる。



 その他にも従来のBTモデルで改善された筐体デザインを取り込んだり、Windowsモード/Macモードの切り替えが従来のDIPスイッチでなくキーコンビネーションで変更できるようになったりと、細かい改善が数多く施されており、「気が利いてるな」と感じる部分が多かった。同時に従来モデルで気掛かりだった点もかなり解消され、全体的にモダンなHHKBになったと感じた。



 一方で、気になる点もないわけではない。



 一つは節電仕様だ。よくあるBluetooth接続のキーボードでは、数分入力がない場合にスリープ状態に入り、再度キー入力があった場合に復帰・再接続する仕様が多い。一方HYBRIDシリーズは30分間操作がない状態が続くと電源オフとなり、再度入力するためには本体奥にある電源スイッチを2秒長押しして電源を再投入しないといけない。



 Bluetooth接続のキーボードを利用したことがある人ほど混乱しそうだが、この仕様にはHHKB特有の構造が関わっているかもしれない。HHKBのキースイッチ構造である静電容量無接点方式は、状態の読み取りにプロセッサによる処理が欠かせない。このため、節電状態でキー入力を検出する方法がなく、やむなくこのような仕様にしていると予想される。



 ただ、電源がオフになるまで30分と比較的長い時間が設定されているため、日常的な使用ではあまり気にならないかもしれない。



 他に気になる点は、コンパクトになったとはいえ相変わらず存在感抜群の電池ボックスや、キーマップ変更ツールがWindowsのみの提供であること、Macの中では最新のmacOS CatalinaでないとBluetooth接続で正常に動作しないなど、挙げようと思えば挙げられるのだが、影響としては比較的軽微な範囲に収まっており「今後に期待」といったところだ。



●フラグシップにふさわしい完成度、初めてのHHKBにも乗り換えにも



 HHKBは、「プログラマーが生涯使える理想的なキーボード」という設計思想を守り、長年に渡ってユーザーから支持されてきた。そんなデザインを維持しつつも、Type-Sスイッチや無線接続など、時代に即したアップデートを重ねて来ている。



 HYBRID Type-Sは、分岐してしまっていた従来のフラグシップモデルの特徴を兼ね備えつつ、前モデルの無線接続の安定性の問題もクリアするなど、派手ではないが細部にまで気を配ったモダンなキーボードだ。ここ数年のアップデートの集大成としては非常に完成度の高いモデルといえる。



 HHKB Professional HYBRIDは2万7500円、HHKB Professional HYBRID Type-Sは3万2000円(いずれも税別)と決して安い製品ではないが、キーボードはなんと言っても長く使えて長く触ることになるものなので、投資対効果が大きい。仕事などでヘビーに文字を入力する方なら、簡単に元は取れるだろう。



 HYBRID Type-Sは、完成度が高くカスタマイズ性も充実しており、ストレスになる要素がとにかく少ない。HHKBに興味がある人にも、従来機種を使っている人にもおすすめしやすい一品だ。


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