最高業績達成の「ジーユー」次なる成長の鍵とは?20年春夏の戦略発表

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2019年12月11日 13:42  Fashionsnap.com

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ジーユー 代表取締役社長 柚木治氏 Image by: FASHIONSNAP.COM
「ジーユー(GU)」が12月10日の今日、「ジーユー2020年春夏事業発表会」を開催し、今後の成長戦略のコンセプト「3つのコネクト宣言」を発表した。「生活者」「生産者」「地球」の3つを軸にブランド価値の向上を図る。

 「生活者」を軸にした施策では、顧客の声を反映した商品企画・構成を強化する。今年8月に始動したシューズのプロジェクト「GU SHOES LAB」が好調だったことを受け、2020年春夏シーズンはバッグにフォーカスした「GU BAG LAB」を新たに始動。シューズと同様に、ブランドのコミュニティー「ジーユーマニア(GU-MANIA)」の会員を中心にサイズやデザインの意見を集めて通勤・通学用バッグやマザーバッグを開発する。このほかにキッズと18歳〜24歳のヤング層向けのウェアをそれぞれ展開する2つのラインを新たに立ち上げる予定だ。
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 「生産者」との取り組みでは、サプライチェーンの効率化をメインに実施。企画開発と素材開発の組織を新設し、トレンドを的確に把握することで、各工場への分配と集約、備蓄の最適化を目指す。現在中国と東南アジアで稼働している工場に対しては、ベーシックな商品の長期生産とトレンド・シーズン商品の短期生産のスケジュール設計を見直し、余剰生産を抑制。また、これまで中国の工場が中心だった素材開発を東南アジアの工場でも実施することで物流コストを抑える。これらの施策にはすでに着手しており、コスト削減にもつながったことを受け、2020年春夏シーズンから「スウェットイージーパンツ」や「エアリーシャツ」「7Pショーツ」といった一部の定番商品の価格を約1,000円引き下げる。
 「地球環境」に配慮した施策としては、ジーンズの加工工程の水使用量を最大99%削減したファーストリテイリンググループの技術を採用。まずはメンズとウィメンズで合わせて全体の半数に相当する6型のジーンズに適用し、2020年秋冬シーズンを目処に全ての型に取り入れる予定だという。また、ペットボトルを含めた再生ポリエステル「リプリーブ(REPREVE)」を使用したバッグ3型を発売。2020年秋冬シーズンは同素材に限らず、環境負荷を軽減した素材を使った商品開発を強化する。
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 柚木治代表取締役社長は、昨今のファッションと消費者の関係性ついて「現代社会ではファッション以外で個性を表すことができるようになり、服にかける資金も時間も圧倒的に減少している」と分析。そのうえで、消費者がファッションに求めるものは「商品のクオリティーと手に取りやすい価格設定に加え、環境に配慮しているかどうかが重視される」と推測している。ジーユーの2019年8月期の業績は、売上収益が2,387億4,100万円(前期比12.7%増)、営業利益が281億円(同139.2%増)と過去最高を達成。今後は顧客のニーズに合わせた商品構成やサステナビリティーを意識した取り組みでさらなる成長を目指す。
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