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三宅小のプログラミング教育、2年間の成果を見た!

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2019年12月11日 16:00  AERA dot.

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写真福田晴一(ふくだ・はるかず)/昭和31(1956)年、東京都生まれ。みんなのコード学校教育支援部主任講師、元杉並区立天沼小学校校長。約40年の教員生活を経て、2018年4月NPO法人「みんなのコード」に入社。61歳で新入社員となる。2020年度からの小学校におけるプログラミング教育必修化に向け、指導教員を養成すべく、全国を東奔西走中
福田晴一(ふくだ・はるかず)/昭和31(1956)年、東京都生まれ。みんなのコード学校教育支援部主任講師、元杉並区立天沼小学校校長。約40年の教員生活を経て、2018年4月NPO法人「みんなのコード」に入社。61歳で新入社員となる。2020年度からの小学校におけるプログラミング教育必修化に向け、指導教員を養成すべく、全国を東奔西走中
 61歳で公立小学校の校長を定年退職した福田晴一さんが「新入社員」として入社したのはIT業界だった! 転職のキーワードは「プログラミング教育」。全国を教員研修で回っているうちに63歳となった。今秋、東京では、毎週のように各地域でプログラミング教育推進校の研究発表会が開催された。今回はその一つ、三宅島の小学校をリポートする。

【6年生の研究の集大成、「三宅島活性化計画」とは?】

*  *  *
 学校現場では、二学期の運動会シーズンが終わると、各種研究発表会の案内が多く届く。国語や算数の教科研究が多いが、今年の東京都は例年とは少し訳が違う。それは「東京都プログラミング教育推進校」の各自治体の研究発表会案内が数多く届いていることだ。今回は、先月の初旬に開催された、離島・三宅島の三宅小学校の研究発表会の様子をご紹介したい。

 東京都プログラミング教育推進校。

 聴き慣れないと思うが、東京都教育委員会が平成30年度と今年度の2年間、実践的な研究を行い、地校への普及啓発を図ることを目的に、都内の小学校75校を指定した取り組みである。

 東京都の各自治体規模によって、区市町村に2校を指定している自治体もある。当然だが、公教育の観点から島しょ・へき地問わず対象となるので、小笠原村や奥多摩町の小学校も指定されている。実践的な研究が要請されることから、各校、2年間で80万円の予算がついている。この金額を聞くと、地方の教育委員会は予算規模に驚くかもしれないが、東京都教育委員会の本気度が伝わってくる。

 これら推進校が2年目を迎え、この秋から研究発表会のシーズンに突入した訳だ。

 以前ここで紹介したが、私はその推進校の一つである三宅島の三宅小学校の支援を担っていた。

 三宅島は、東京から南方約180キロメートルにある人口2500人の島である。大きさは、島民の方々が「大体、都内の山手線と同じぐらいの大きさですよ」と、わかりやすく説明してくれる。平成12年の火山(雄山)の爆発で全島民避難となり、島内にあった3校の小学校は後々廃校。平成19年に三宅小学校に統合新設され、現在、78名の児童が全島各地からスクールバス等で通っている。

 私は先月、1年半支援してきた成果を報告する研究発表会に参加してきた。この研究発表会は、自分が三宅小学校に支援してきた内容が評価される場でもあるので、我が事も同然。気が気ではない。

 私はこの1年半、先生方が主体的に、そして楽しみながら研究に取り組めるように意識してきた。なぜなら、小学校のプログラミング教育は新しい領域であり、過去の実践がないゼロベースからの研究なので、まずは先生方が楽しめる環境づくりが大切だと感じたからだ。

 もう一点、意識したのは「島」ならではの生活に基づいた研究にすることだ。訪問を重ねるごとに、先生方が意欲的に取り組む姿を感じられたし、島の生活が教材に盛り込まれていく様子を強く感じられるようになったのは嬉しいことだった。

 とはいえ、開校以来、初めての研究発表会だ。不安半分、期待半分の参加である。

 研究発表会当日は三つの公開授業と、先生方による教材体験のワークショップ、研究の報告が行われた。公開授業は、保護者や島民の方々も参観されている。離島ならではの特徴は、村の教育委員会の方々が多く来られていることだ。三宅管内のもう一つの離島、御蔵島の小学校からも校長先生はじめ研究担当の先生が参加されていた。御蔵島は断崖絶壁の多い島なので、何とヘリコプターでの出張である。とはいえ、フライト時間は15分だそうだ。

 まずは、1年生の授業、プログラミングを直接体験し学ぶ「レッツ プログラミング」を参観した。スクラッチJRというアプリを使用し、ディスプレイ内のキャラクターを、自分の意図した動き(ダンス)にすることが狙いだ。

 1年生がタブレット画面を自在にあやつりながら説明する姿に、日ごろから一人一台端末を使用して、使い慣れている感が伝わってくる。

 続いて、5年生の算数「平均」の授業。子どもたちの知的好奇心をくすぐる「オリジナルの計算機を作ろう」がテーマだ。

 子どもたちが身近な課題に着目し、プログラミングを使ったオリジナルの計算機で解決しようとする指導計画だ。子どもたちのノートを覗くと「三宅は人口が少ないですが、警察官が多いので、転出入が多く、クラスの人数がよく変わります。学年の平均人数がすぐにわかれば委員会活動もやりやすいです」と書かれている。

 三宅島の警察官の転勤事情から来る頻繁な転出入の現状を把握した課題設定である。また、子どもたちのタブレット活用にも目を見張った。タブレットのローマ字入力を両手を使って自在に変換しているのだ。

 極めつけは、6年生の研究の集大成、「三宅島活性化計画」である。

 授業には保護者はもちろん、教育委員会幹部の方々、村役場の観光課長も参観し、子どもたちの島に対する熱い思いのプレゼンを聞き入っていた。

 この単元では、教師からの問いかけをもとにして「実社会の中から問いを見出し、自分で立てた課題を解決する事を楽しむ」ことを目指している。その解決策を表現するツールとして、プログラミング教材をどう活用するかがポイントとなる。

 タブレット上だけではなく、ロボットを実際に動かして発表する子、ドローンを飛ばした様子を動画で発表する子、至るところにICT活用能力が発揮されていた。

 5年生同様、こちらも島の生活実態に合わせた課題解決が特徴だった。島の名産品である「牛乳煎餅の自動紙包み機」や、「島から離れた漁場の様子を随時伝えるドローン撮影」、「野鳥の鳴き声判別ツール」など、魅力満載の発表で、まるでベンチャー企業のコンテストを見るようだ。

 観光課長さんが真剣に「すぐにでも商品化したいものもある。すぐにでも一緒に働いて欲しいぐらいだ」と語っていたのが印象的だった。

 当然、子どもたちも大人が真剣に対応してくれる空間と時間に、この授業の大きな価値を見出していたはずである。

 私の期待以上のここまでの成果が現れたのは、三宅島という立地環境によるところも多いだろうが、やはり、先生と子どもたちの日々の学校生活でのコミュニケーションが背景にあると思う。

 そして、いち早く「一人一台端末」を実現できている環境も大きいだろう。

 先月、やや唐突感をもって発表された政府の方針「一人一台端末」の話は、この2年間の三宅小学校で「一人一台端末」の実践の成果を見ると、是非とも早い時期に政府から具体的なロードマップが示され、実現に向けて動いてほしいと強く思う。

「冬の三宅の魅力は、何といっても満点の星空です」

 三宅小学校の副校長先生が、灯り一つない夜の海岸で呟いていた。三宅島の可能性と魅力はどんどん私の中でも広がっている。次回は出張ではなくプライベートで訪れようと思っている。

このニュースに関するつぶやき

  • 別に、コンピュータ動かせる言語なんて、そっちの道に進んでから勉強すりゃイイ。例えば、"誰が作っても同じものが出来るように料理の手順を書くこと"だって立派なプログラミング学習ぢゃ(^o^)
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