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衰退続ける漁業を元気に! 回転寿司チェーンが挑む意外な処方箋とは

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2019年12月11日 16:00  AERA dot.

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AERA dot.

写真あの手この手で漁業活性化に挑む
あの手この手で漁業活性化に挑む
 少々手前味噌な話で恐縮ですが、当社が2010年から取り組んでいる「天然魚プロジェクト」に関する広報活動が、日本PR協会が選ぶPRアワード2019で、ブロンズに選ばれました。

 日本の漁業者さんは年々減少を続けており、03年には全国で約24万人いた漁師さんが、高齢化による後継者不足などで、17年には約15万人にまで減っています。

 この調子で日本の漁業が衰退していってしまうと、当社のような魚を原料として使わせてもらっている産業は、なかなか厳しい事業運営を強いられることになってしまいます。

 そうした事態を避けるために、日本の漁業者さんとの共存共栄によって、日本の漁業の衰退を防ぐのに少しでも貢献したいと思って取り組んでいるのが「天然魚プロジェクト」です。

 くら寿司では現在、全国の100以上の漁協さんと直接、魚の取引を行っています。全国各地の漁港では、日々いろんな魚が水揚げされています。日によって取れる魚の種類も量も変わってきます。各地の漁協さんと密に連絡を取りながら、日々お客さまに提供する天然魚を確保してお届けしているんです。

 こちらから漁協さんに連絡するだけではなく、逆に漁協さんから「今日はチヌが5トン取れたんやけど、買ってくれる?」といった連絡が購買担当者に入ることもしょっちゅうです。

 こうして確保した国産の天然魚は、大阪にある自社の加工センターに集められ、寿司ネタに加工されて全国のお店に届けられます。

 いつ、どんな魚が、どれだけ入荷するかわからないので、外部の加工業者さんにお願いするのは難しく、天然魚プロジェクトを推進するために、16年に自社加工工場を建設しました。

 1匹の魚から寿司ネタにできるのは、多くても40%程度です。残りの60%のうち20%程度は、中落ちやカマなどのように、美味しいけれど寿司ネタには使えない身です。これらの身も加工センターで丁寧に取り分けて、ミンチにして、ハンバーガーやコロッケなどにして提供しています。そして残りの40%の内臓や骨などの部分も捨てるのではなく、魚粉にして、当社が使用する養殖魚の餌の一部として利用しています。

 こうした一連の取り組みを、魚を100%使い切ることから「さかな100%プロジェクト」と呼んでいます。

 また、定置網にかかった魚をどんな魚でも全て買い取らせていただく「一船買い」は、漁師さんの収入の安定と収入アップにつながっており、漁師さんからも喜ばれています。もちろん、当社にもメリットがあるので、Win−Winの取り組みです。

 その他にも、定置網にかかってしまった真鯛やハマチの未成魚を寿司ネタにできるまで大きく育てる「魚育(うおいく)」の取り組みも今年から始めています。

 また、魚が一番おいしい旬の時期に提供する「旬の極み」シリーズも、お客さまに天然魚のおいしさを改めて知っていただき、国産の天然魚に興味を持っていただく取り組みとして好評を集めています。

 日本の近海には、非常に多くの魚たちが生息していますが、そのうちで私たちが食用にしているのは4分の1程度と言われています。

 当社の天然魚プロジェクトを通して、こうした水産資源の有効活用が進み、日本の漁業が再び活気を取り戻すことができればと願っています。

 今回は少し難しいことを書きましたが、難しいことは置いておいて、くら寿司に来店して、おいしい天然魚のお寿司を食べていただくだけで、日本の漁業の活性化に貢献していることになるんです。

 今週もそんなおいしい社会貢献活動をしに、くら寿司へご来店ください。

※AERAオンライン限定記事

◯岡本浩之(おかもと・ひろゆき)
1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2019年11月から、執行役員 広報宣伝IR本部 本部長

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