THE YELLOW MONKEYのライブはなぜ魅力的なのか 現場スタッフが振り返る、再集結から新ドームツアーに至る激動の日々

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2019年12月11日 22:02  リアルサウンド

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THE YELLOW MONKEY(2017年 東京ドーム/撮影:田辺 佳子)

 全国3会場4公演にわたる全国ドームツアー『THE YELLOW MONKEY 30th Anniversary DOME TOUR』を、2019年12月28日にナゴヤドームからスタートさせるTHE YELLOW MONKEY。リアルサウンドではこのツアーを目前に、90年代から現在に至るまでバンドを内側から支えてきたスタッフ、全国各地でツアーをサポートしてきたイベンタースタッフの証言を交えつつ、「ライブバンドTHE YELLOW MONKEY」の魅力に迫るコラムを計2回にわたり掲載する。


参考:THE YELLOW MONKEYがライブバンドとして成し遂げた偉業 現場スタッフが明かす、90年代の最盛期〜解散までの舞台裏


 90年代から2001年1月8日の東京ドーム公演までを振り返る第1回に続く今回は、2016年の“再集結”以降にスポットを当て、解散前と比較しながらTHE YELLOW MONKEYが再び最強のライブバンドへと進化していった過程に迫る。(前編:THE YELLOW MONKEYがライブバンドとして成し遂げた偉業 現場スタッフが明かす、90年代の最盛期〜解散までの舞台裏)(トップ写真=2017年 東京ドーム/撮影:田辺 佳子)


■2016年、奇跡の“再集結”〜16年ぶりのツアー


 解散前のラストライブとなった2001年1月8日の東京ドーム公演から15年後の2016年1月8日、吉井和哉(Vo/Gt)、菊地英昭(Gt/以下、エマ)、廣瀬洋一(Ba/以下、ヒーセ)、菊地英二(Dr/以下、アニー)の4人はTHE YELLOW MONKEYとして“再集結”することをアナウンス。同年5月11日の国立代々木競技場第一体育館公演を皮切りに、全20公演におよぶアリーナツアー『THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2016』を開催した。このツアーはのちに、横浜アリーナ2DAYSの追加公演『YOKOHAMA SPECIAL』や、福島県営あづま総合体育館でのスペシャル公演『ARE YOU A BELIEVER?』および熊本B.9 V1でのスペシャルライブハウス公演『KUMAMOTO SPECIAL』まで拡大し、『ROCK IN JAPAN FES』や『SUMMER SONIC』などのフェス出演を含めると約4カ月間に30本近くものライブを行ったことになる。


 ツアーとしては2000年春の『SPRING TOUR』以来16年ぶり、20本以上の長期ツアーとなると1998〜1999年のロングツアー『PUNCH DRUNKARD TOUR 1998/99』以来17年ぶりとあって、バンドとしての勘を取り戻すためには非常に重要な期間となるはずだった。


 90年代からTHE YELLOW MONKEYを見守ってきた株式会社BAJの大森常正氏、株式会社ソーゴー東京の倉茂得光氏、株式会社TYMS PROJECTの青木しん氏はこのツアーをそれぞれの視点で感慨深げに語る。


「メンバーとも吉井のソロとかで会っていたりもしたけど、そこまで頻繁には会っていたわけではなくて。でも、久しぶりに会っても何も変わってなかったですよ。初日の代々木は言うまでもなく、バンドとしてのブランクがあったし、リハーサルもしっかりやったんだけど、紗幕に隠れたまま1曲目の『プライマル。』が始まったとき、またここから始まるのか……と胸が熱くなりましたね。


 正直、年齢は関係ないと思っているところが僕にもメンバーにもあって。50代過ぎのアーティストは当然、食も気にしながら最高な状況でステージに立たないといけないから、メンテも必要になる。それは当たり前のことだから……当たり前と言ったって、それを実践するのはメンバーなので、僕が口にするのは簡単ですよね(笑)。特にTHE YELLOW MONKEYはいつも葛藤しながらいろいろやり続けてきたバンドだから、プレッシャーも楽しみながら活動していくといったら変だけど、別に焦る必要もないし、ここからまたマイペースにやっていけばいいんじゃないかなと。実際、ツアーの序盤で『もう解散しません』と宣言もしましたしね(笑)」(倉茂氏)


「そもそも15年空いたので、時代的にも同期やイヤモニ、それこそLEDビジョンだとかいろいろな事情が変わっているので、根本的には2001年までとはまったく別モノだとは思いますし、僕は吉井のソロもやっていたので、それともバンドは全然違うんだなというのもありました」(青木氏)


「一番違うのは……“雰囲気がいい”と言ったら変ですけど、メンバーみんな仲良しだし、そういう楽しい雰囲気になっているのが解散前とは全然違いますよね。ハイエースで日本全国をぐるぐる回っていた頃の雰囲気のまま、今はアリーナを回っている感じとでもいいましょうか。バンドが大きくなると若干“お仕事”っぽくなってしまって、『ちゃんとしなくちゃ』と考えるようになる。特に吉井は周りに気を遣う人間なので、取材の人が来ているとかテレビ中継が入っているとなると、そちらに気を回すんですよ。そうすると、それにばかり気を取られて疲れ果ててしまう。でも、最近は良い意味で『そういう人たちなんか関係ないや』とシフトできるようになって、ライブにだけ集中できるようになったんじゃないかな。


 つまり、“ロックスターを演じる”というか……いや、4人で仲良しなままドーンと出て行ったほうが“らしい”し、お客さんが喜ぶよね、みたいなことをやれるようになったんじゃないですかね。今はそういう“遊んでいる”まんま出て行けるのがTHE YELLOW MONKEYの強みなんじゃないですかね」(大森氏)


 4人がそれぞれ現役のミュージシャン/アーティストとして、活動休止〜解散後も第一線で活動してきたからこそ、この15年で身に付けた“筋肉”が良い方向に作用した。結果、バンドとしのブランクを取り戻すにはそう時間はかからなかったのかもしれない。と同時に、我々の予想を上回るほどTHE YELLOW MONKEYがTHE YELLOW MONKEYらしく、かつ“2001年からの続き”を成長した姿で見せてくれた。だからこそ、観た者誰もが同窓会的なノスタルジーに浸ることなく、現在進行形のバンドの姿に魅せられたのだ。


 福島県営あづま総合体育館での『THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2016 SPECIAL -ARE YOU A BELIEVER?-』にて一緒に仕事をした株式会社ジー・アイ・ピーの菅氏は、当時を以下のように振り返ってくれた。


「再集結後の彼らからはバンドとスタッフ全員で良いものを作ろう、一生やりきろうというポジティブな印象を受けました。東北で震災があったあとの数年、吉井さんともいろんな話をする機会が増えて、少しずつ、メンバーや今までのスタッフはもちろん、これから出会う若いスタッフも含めて『新しいTHE YELLOW MONKEYをやろう』と思われていたのではないかという印象がありました。個人的には特に、あづま総合体育館での震災チャリティを兼ねた公演で『JAM』を演奏した夜、曲頭のアニーさんのハイハットを懐かしんでいらっしゃったことをとてもよく覚えています」(菅氏)


■19年ぶりのアルバムを携え実践した“初の試み”


 再集結後のアリーナツアーを経て、ライブバンドとしていまだ健在であることを証明したTHE YELLOW MONKEYは、以降も精力的なライブ活動を続ける。2016年11月からは全国ホールツアー『THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2016 -SUBJECTIVE LATE SHOW-』(全16公演)、同年末の12月28日には日本武道館での『メカラ ウロコ・27』を開催。2017年秋にはファンクラブツアー『THE YELLOW MONKEY SUPER FC PARTY 2017 -DRASTIC HOLIDAY-』(全8公演)、同年12月には2001年1月以来となる東京ドーム公演『THE YELLOW MONKEY SUPER BIG EGG 2017』(12月9日、10日の2公演)と初の福岡ヤフオク!ドーム公演となった『メカラ ウロコ・28 -九州SPECIAL-』(12月28日)をそれぞれ行った。


「九州初の『メカラ ウロコ・28 -九州SPECIAL-』は僕の中で特別で。ここまで事務所とガッチリやることってなかなかない気がしてまして、僕らの意見にきちんと耳を傾けてくれたし、ガッチリ“一員”にさせていただきました。特に、10月の末にキャンペーンを九州全県で、4人バラバラの行程で同時にやったんですが、これはすごかったですね。最後はみんな無事に福岡に集結しました(笑)。ライブはもう頭から最後までバタバタで……でも、打ち上げでTYMS青木氏から『また福岡で、ドームでやろう』と言っていただいたときはなんだか救われましたし、今回以上のことをやってやろうとフツフツしています(笑)」(株式会社ビッグイヤーアンツ 尾嶋氏)


 2018年は年末12月28日の恒例武道館公演『メカラ ウロコ・29 -FINAL-』のみと寂しい状況だったが、その間にバンドは再集結後初となるオリジナルアルバム制作に着手。2016年以降に発表してきた新曲群とLAで新たに録り下ろした新曲を中心に構成された約19年ぶりのニューアルバム『9999』を2019年4月にリリースした。


 THE YELLOW MONKEYはこのニューアルバムを携え、同年4月27日から全27公演におよぶアリーナツアー『THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2019 -GRATEFUL SPOONFUL-』をスタートさせる。このツアーはセットリストがまったく異なる4つのメニューを用意し、日替わりで演奏していくという新たな試みを実践。2016年以降に行われたどのライブとも、また90年代のツアーともまったく異なる、新たなバンドの姿を提示する絶好の機会となった。


「よくやり切ったな、と思いますよね。普通はひとつのセットリストを軸に部分的に変えるとか、あるいはアンコールを変えるとか、そういうことはよくありますけど、あそこまで様変わりしたセットリストを、50代オーバーのロックバンドがよくやっているなと。しかも演奏が安定していて、終始安心して聴ける。特にドラムがね、アニーが一番良くなったんじゃないかという気がします。ライブってお客さんに左右されるところがあるじゃないですか。中でもドラムはサウンドの心臓であり中枢でもあるわけで、お客さんの空気の違いでブレてはいけない。でも、今のアニーはビートも太くて、周りに左右されないんです。


 ヒーセのベースもクリアで太くなった印象が強いですし、エマは昔から変わらない感じはするけど、もちろん今の方が良い。4人合わさってのサウンドだしパフォーマンスだから、やっている彼らは大変だっただろうけど、本当に面白いツアーでしたよ」(倉茂氏)


「6月か7月ぐらいかな、大阪城ホール、横浜アリーナ、マリンメッセ福岡とか、2016年のツアーでもやった会場が続いたんです。そのときに痛感したんですけど……2016年とは全然違ったんですね。この3年の間で、もちろんアルバムも経ていますけど、その変化はなんだったんだろうな? とは思いましたよ。同じメニューでずっと続けるツアーでもないですから、3年前と同じ会場で観たときにその変化をより強く感じて、不思議な気持ちになりました。


 たぶん、その成長を大きく支えているのがアルバムの新曲なんでしょうね。やっぱり2016年とはそこが大きく違うので、その差は大きいのかな。1公演の中で新曲を持ち上げなくちゃいけないというのもありましたし、結果新曲が持ち上がったのが良かったなとは個人的には思っています。“新曲+重要な曲”みたいなセットリストが多かったので、普通に新曲が食われて終わるみたいなことにもなりかねないという不安も正直ありました。でも、そんな感じにはまったくならなかったですし」(青木氏)


「安定感が格段に上がっている気がしました。特に1997年の『FIX THE SICKS』から解散まではプロフェッショナルとしての気負いも強かったし、解散するあたりは一か八かみたいな、『命賭けます』みたいなヒリヒリした精神性をちょっと見せている部分もあったと思うんですけど、2016年以降は演奏とか音質とか音楽的な部分を重視して、演奏力とか表現力が豊かになった。そこに今回のツアーでは、さらに余裕が加わった気がしました。


 それはなぜかと考えたら、アルバムを作ったということが一番大きかったんでしょうね。MCやインタビューでも言っていましたけど、大昔の『BUNCHED BIRTH』のレコーディングの時と一緒で、みんなで作ってそこで理解しあって、4人がやることを共有できたんじゃないかなと思うんです。シングルだとちょっと“お仕事”っぽく「タイアップ頼まれました、作りました」みたいに1曲で終わっちゃったりするので、5〜6曲まとめてLAで作ったことで『こういう感じをそのまま出せばいいんだ』という考えを共有できると、ライブでもそのトーンで演奏することができる。今までももちろんまとまっていたとは思うけど、アルバムによって4人の方向性がよりひとつになって安定したんじゃないですかね」(大森氏)


 各地のイベンタースタッフも、このツアーには特別な感情があるようだ。


「2019年のアリーナツアーは徳島公演の1本のみだったのですが、なじみの曲から新曲まであっと言う間、時間を感じさせないライブで、もちろん完成度も高く非常にいいライブでした。進化というか観ていて安心するライブでした。四国公演が20年ぶりということもあり、お客さんも満足していたようだったので、なんといいますか、感無量でした」(株式会社デューク 西村氏)


「ひととおり経験した結果、削ぎ落とされてダンディになった、でも中身は子ども、という進化を遂げたと感じています。シンプルなのにゴージャスな“出汁”が効いているというか、曲にもステージパフォーマンスにも、シモネタもありながら、大切なものはビシッと伝える強さが増したと思います」(株式会社ジー・アイ・ピー 菅氏)


「このツアーではキャリアを積んでもなお、いろいろなことに挑戦しているのが見えてきました。セットリストが4パターンあって、それぞれ半分くらい曲を入れ替えている。札幌の2公演はハートとダイヤでしたが、スペードとクラブはどんな感じなんだろう? って気になっちゃって、ほかの地方まで観に行きましたからね。曲が毎回変わるっていうのは演奏する側にとってとてもハードなことだけど、それを普通に、しかも余裕でできちゃうっていうのは、やっぱり長年の積み重ねがあってこそだと思います。進化をどこに感じるかというと、そういったキャリアに甘えないチャレンジ精神旺盛な部分でしょうか」(株式会社マウントアライブ 山本氏)


■『30th Anniversary DOME TOUR』への期待


 改めて、12月28日から来年4月にかけて開催されるドームツアーについても、各関係者に何を期待するかを尋ねてみた。


「ドームツアーは言ってみれば第2期THE YELLOW MONKEYの、再集結からのひとつの区切りだと思っているんです。だから、ここからがまた始まりだし、次につなげられるような内容、パフォーマンスにしないとダメだという。腹八分目とかよく言いますけど、次も絶対行こうねと思えるライブにしないとダメなんじゃないかな。そのためにも、ちょっと時間を空けて次のオリジナルアルバムも作るだろうしね。


 内容的には、今までの歴史をちょっとずつ見せるようなセットリストに期待したいですね。『GRATEFUL SPOONFUL』はニューアルバムのツアーだったけど、あんなもんじゃないよっていう。『SICKS』(1997年の6thアルバム)とか『PUNCH DRUNKARD』(1998年の7thアルバム)とか、もう一回あれぐらいのピークを作るようなアルバムを期待したくなるような、先が楽しみになるライブが観たいですね」(倉茂氏)


「吉井はデヴィッド・ボウイが好きじゃないですか。デヴィッド・ボウイはアルバムごとにサウンドもスタイルも違いますけど、THE YELLOW MONKEYもアルバムごとに違うし、それにリンクしてライブも変わっていく。まあ、30周年という大きな節目のライブでもあるし、30曲やるのかどうかわからないですけど(笑)。何を見せてくれるのか楽しみではありますね」(大森氏)


「今回のドームツアーは30周年だからというのはあるかもしれないですけど、すごく丸裸なTHE YELLOW MONKEYが見られるような気がしていて。2017年の東京ドーム公演はいろんな仕掛けや演出的なところで、今までやったことのないものを取り入れていた。そういうドームならではのキラキラ感みたいなものは、あのときはあえて盛り込んだんですけど、本来バンドが持っているキラキラ感とは違うような気がしていて。それは色使いもそうですし、映像のコンテンツにしてもそうですし。前回だと女性モデルをステージに登場させたりして、そういう目にわかる演出的な部分でも今までとは違ったライブでしたしね。そういった意味でも、今度はバンドの核となるものをドームで見せられるのは大きいと思いますし、よりシンプルにすることで、今までとはまたちょっと違った感じになるんじゃないでしょうか。


 また、本当の意味での集大成みたいなライブっていうのも、今までないですからね。アニバーサリーとタイトルで銘打っているのも初めてですし、出し惜しみなく見せられるライブになる気がします。4公演4メニューでやりたいということですけど、まず30周年に何をやるかというときに、逆に1日で収まるメニューが組めないわけですよ。それで、結果として全部バラバラのメニューになるわけですけど……大丈夫ですかね(笑)」(青木氏)


 正直、2001年の初東京ドーム公演は活動休止前ラスト公演ということもあり、ファン心理としては素直に向き合うことができないところもあった。だからこそ、2017年の二度目の東京ドーム公演は2日間かけて、当時の不安定な感情をフラットなものへと引き戻すためのリベンジ公演という意味合いも大きかった。となると、2020年4月4日、5日の2公演は(シーズン2の締めくくりだとしても)“THE YELLOW MONKEYの東京ドーム公演”を初めてフラットに観ることができる貴重な機会と言えるのではないだろうか。


「確かに今回はフラットですよね。だからこそ……フラットなメニューになるんじゃないかな。彼らの良さを全部出せるといいですよね。カッコいい部分もおちゃめな部分もそうですし。ガレージな部分もサイケな部分もグラムな部分も、すべて見せられるライブにできたらなと。そこに向けて今、日々打ち合わせしていますけど、2016年から集まったスタッフにとってその感じも含めて集大成だなと思います。見たことのない景色にしたいですし、唯一無二のドーム公演にしたいですね」(青木氏)


■なぜTHE YELLOW MONKEYのライブに惹きつけられるのか?


 さて、ここまで30年近くにわたるTHE YELLOW MONKEYのライブ史を貴重な証言とともに振り返ってきたが、最後に「なぜ我々はTHE YELLOW MONKEYのライブに惹きつけられるのか?」「なぜ結成から30年経った今もなお、THE YELLOW MONKEYのライブは魅力的なのか?」、その理由を各関係者に問いかけてみた。


「今までの会話の中で語ってきたことがすべて。やっぱりライブハウスから中ホール、大ホール、アリーナ、ドームと着実に積み重ねてきた経験が根底にある。お客さんの期待を外してきたライブももちろんあるんだけど、その積み重ねこそすべてを物語っているんじゃないかな」(倉茂氏)


「良くも悪くも“絶対にやらなければならない曲”、例えば一番売れている曲をやらなければならないという決まりごとがないんですよね。有名な曲と売れている曲も違うでしょうし。ただ、ほぼ毎回やっているのが『悲しきASIAN BOY』という、当初全然売れなかったシングルなわけで。一般の人は全然知らないけど、そういう楽曲が必ずといっていいほど演奏されて、お客さんもそういった楽曲を求める。そこがTHE YELLOW MONKEYのライブの良さを物語っている気がしますし、だからこそ4メニューというのも実現できたんだと思います。


 さらに、ライブで一番良いのが新しい曲というのが、バンドにとっては一番いいことなんですよね。それも前回のツアー『GRATEFUL SPOONFUL』で証明できたんじゃないでしょうか。それこそ、今回の新曲『DANDAN』もライブでどんどん育っていくでしょうし、一方で『球根』みたいな曲もあったりする。好き嫌いは皆さんいろいろあるでしょうけど、新旧含めてそれらを全部ライブでできる良さ、そこも大きな武器のような気がします」(青木氏)


「ほかのバンドと特に違いがあるわけではないんですけど、その中でも彼らはロックの基本に忠実な人たち、オールドスクールだと思うんです。とはいえ新しい音楽も聴いているので、アレンジとかに今っぽさもにじみ出ているのかもしれない。基本的に、音楽に対して真面目にやっているのがお客さんにも見えるんだと思うし、そういう認識が根付いているんじゃないでしょうか。


 THE YELLOW MONKEYは嘘がないバンドなんだと思います。歌詞もそうだし演奏もそうだし、言っていることや行動することにも嘘がない。言い換えると、裏切らない。ポンと言っちゃったことで誤解を与えることもあったとは思いますけど、あとになって「ああ、嘘ではなかったんだ」と信じられてる気がします。だから、1年に1回ぐらいでもすごく良いことを言われちゃうと、それで3年はもってしまうところがあるんじゃないですかね(笑)。その間ずっと変なことを言っても「いや、あの一言がすべてなので」と。そういう4人の信念みたいなものを、ちゃんとお客さんに理解してもらえているんじゃないでしょうか」(大森氏)


 果たしてTHE YELLOW MONKEYは12月28日からのドームツアーで、どんな演出で、どんなセットリストで我々を楽しませてくれるのか。2016年の再集結から始まった“THE YELLOW MONKEYシーズン2”の総決算であり、次に控えた“シーズン3”への布石という意味においても、ファンのみならず全ロックファンにとって見逃せない4公演になりそうだ。(西廣智一)


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  • 再結成してからはまーーったく聞いてない������������ӻ����� 今の吉井さんの嫁が嫌い過ぎてるから余計に無理。過去の栄光にしがみついてる気もするし
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