PCOSである母親から誕生した子供はPCOS発症率が5倍増になる

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2019年12月11日 23:01  妊活・卵活ニュース

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PCOSの世代間伝達
カロリンスカ研究所は、「Nature Medicine」にて、母親が多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)である場合、その子供が成人期にPCOSを発症する可能性が5倍増になると発表した。

妊娠期のアンドロゲン(生体内で働いているステロイドホルモンの一種)が多量であることにより、PCOSが母から子へ世代間伝達すると報告された。

PCOSは、血中アンドロゲン(男性ホルモン)が高く、月経異常・排卵障害を引き起こし、妊娠が困難になる。また、精神的健康状態との関連性もあり、PCOS症状の悪化に伴い、2型糖尿病や肥満リスクは非常に大きくなる。

PCOSが母から子へ遺伝する過程および程度
研究チームは、レジストリ研究と症例対照研究、動物モデル実験を通して、PCOSが母から子へ遺伝する過程および程度を検証した。PCOSである母親から誕生した女児は、成人期におけるPCOS発症率が5倍増であった。合わせて、アンドロゲン量は高く、不規則な月経サイクル、肥満・高BMI値、高血圧が認められた。

また、マウスを用いた動物モデル実験では、妊娠期のマウスに肥満原性の食事を与え、アンドロゲン値を高め、PCOSである女性が妊娠している状態にした。誕生した子マウスには健康的な食事を与えたが、PCOSに似た症状が確認された。PCOSに似た症状は子世代に遺伝し、さらには、孫世代にまでPCOSや代謝異常が現れた。

一連のプロセスは三世代まで続き、数世代に亘ってPCOSの表現型は遺伝するという。祖母世代が妊娠期にアンドロゲン値が高く、肥満原性の食事を摂取することにより、孫世代の胎児発育に悪影響を及ぼす。胎盤機能不全に陥り、胎児発育不全、成長遅延、流産を引き起こす。

(画像はプレスリリースより)

Karolinska Institutet

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