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『呪術廻戦』の主役にも抜擢 声優・榎木淳弥、『BEASTARS』で見せるマルチな才能の一端

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2019年12月12日 10:01  リアルサウンド

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リアルサウンド

写真板垣巴留『BEASTERS Vol.1』(少年チャンピオン・コミックス)
板垣巴留『BEASTERS Vol.1』(少年チャンピオン・コミックス)

 テレビアニメや映画、ゲーム、そしてマーベル作品の主役の吹き替えと、多岐にわたって活躍している男性声優・榎木淳弥。着実にキャリアを積み重ねている彼は、『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載中の人気漫画『呪術廻戦』の主役、虎杖悠仁を演じることも発表された。榎木淳弥が2019年の秋クールに放送されているアニメで演じている3キャラクターから、彼の魅力に迫る。


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 擬人化された動物たちの学園生活を描いた作品『BEASTARS』。この作品で榎木が演じるのは、無邪気で明るいラブラドールレトリバーのジャックだ。主人公であるハイイロオオカミのレゴシとは幼馴染で、彼の細かい変化にも気づくジャック。彼は、主人公の親友であるだけでなく、視聴者を作品の世界観へ導くナレーションの役割も担っている。


 この作品でジャックが初めてメインで登場するシーンは、ナレーションから始まる。視聴者はまだジャックというキャラクターの声を知らない状態で世界観の解説、そしてレゴシを第三者目線、すなわち視聴者に寄り添った視点に補足する形でナレーションを担う。満面の笑顔を浮かべたジャックが喋るシーンに移ってようやく、半人半獣の学校生活という特殊なストーリーに引き込む重要な役割を声だけで担っていたことに気づくのだ。


 榎木は、『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』の館脇正太郎役で初めて主役を演じた。正太郎も犬系の少年であるが、ジャックとは真逆の内気でおとなしい少年だ。この作品で際立っていたのが、正太郎のナレーションだ。感情がこもったナレーションを軸にストーリーが展開していくのだが、正太郎が成長していくにつれ、声からも自信が感じ取れるようになっていく。初主演とは信じがたいくらいに、物語の中核を担っていたことが記憶に新しい。


 館脇正太郎に近い、真面目な高校生の少年である倉田武蔵は、現在第2クールが放送中の『この音とまれ!』のメインキャラクター。一見おとなしく見えるが、先輩の残した筝曲部が廃部にならないよう努力を続けたり、今クールでは全国大会に挑戦したりと、芯が強い武蔵の心情を丁寧に表現する演技が際立っている。外見から感じる印象とは裏腹に、信念を貫くキャラクターは榎木の演技によって一層魅力を増すのである。武蔵に類する代表的なキャラクターとして、人気ゲーム『刀剣乱舞』の堀川国広が挙げられるであろう。2015年1月にリリースされたこのゲームは人気を博し、『刀剣乱舞-花丸-』と『活撃 刀剣乱舞』の2つの全く違った方向性のアニメが制作された。榎木は各作品に合わせて、それぞれの国広を見事に演じ分けている。


 榎木の演技の幅の中で、最も意外と思われがちなのが、『真・中華一番!』のフェイのようなキャラクターだ。クールなイケメンであるフェイは、主人公、マオのライバル。出番はそれほど多くはないが、マオと切磋琢磨し、時にマオの成長を助ける重要な役どころである。榎木は『カードファイト!! ヴァンガードG』の綺場シオン役で、主人公のライバルキャラクターを務めたのが、連続アニメで初めてのメインキャラクターであった。5クールにわたって連続して放送され、シオンがメインの回も多く、主人公であるクロノと競い合って成長していく姿が印象的であった。


 榎木は、アニメのみならず映画でも活躍している。その多くが、主人公やメインキャラクターであるから驚きだ。2018年に公開された『機動戦士ガンダムNT』では主人公のヨナ・バシュタを演じた。また、トム・ホランドに主演がバトンタッチされてからの『スパイダーマン』シリーズでは、ピーター・パーカーの吹き替えを担当している。『スパイダーマン:ホームカミング』のクライマックスシーンでは、ピーターに感情移入するあまり、実際に涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら収録したという。


 若手の中でも随一の人気を持つ声優の一人となった榎木だが、幼少時から声優を志していたわけではない。20歳の時に、今石洋之監督作『天元突破グレンラガン』に感銘を受け唐突に声優を志し、大学を中退したというエピソードがある。現在所属するアトミックモンキーの養成所オーディション締め切り日の夜に、応募書類を自らの手で事務所のポストに投函したという。そんな榎木は2017年、人生の転機となる作品を生み出した今石監督の『宇宙パトロールルル子』で、ヒーローであるΑΩ・ノヴァを演じている。


 榎木の魅力は、声の演技だけではない。時折垣間見せる意外な素顔も、ファンが増え続ける要因となっている。「夏休みの宿題は、夏休み最終日の夜中にトイレに籠ってなんとか終わらせた」(ラジオにて本人談)と語り、さいたまスーパーアリーナにて開催された『アイドルマスター sideM』のライブイベントMCにて「僕の家へようこそ!」と発言するなど、身近に感じられるお調子者といった性格であるが、根は真面目であることがわかる。トークステージやラジオでは共演者の反応を楽しむような発言もあるが、ファンと交流できるイベントでは、ファン一人ひとりの話を聞き、気遣うやさしさを見せる。様々な役柄を、意識しなければ気づかないほどに演じ分けているのは、彼が声優という仕事に真剣に向き合っているからこそ感じ取れるものだろう。


 加えて、ストレートプレイの演劇や落語に出演してたり、声優ユニット「8P」では歌やダンス、バラエティ番組や朗読イベントに取り組んだりと、声の演技以外にも様々なことに挑戦している。全てに正面から向き合う榎木を見ていると、思わず応援したいと思わせてくれる。今後の活躍が楽しみである。


■誉田優
名作と聖地を求めて旅するフリーライター・コラムニスト兼記者。この世に生み出された作品の空気を味わうことが生きがい。


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  • 「ぐらんぶる」では、とにかく女にモテたいと願うブサメンを演じてたな…。
    • イイネ!3
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