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梅宮辰夫さんを襲った「慢性腎臓病」 無症状で進行し、気づいたら透析一歩手前も

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2019年12月12日 16:20  AERA dot.

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写真梅宮辰夫さん (c)朝日新聞社
梅宮辰夫さん (c)朝日新聞社
 12日午前7時40分、慢性腎不全のため神奈川県内の病院で亡くなった俳優の梅宮辰夫さん(享年81)。昨年9月に前立腺がん、今年1月に尿管がんの手術を受け、週3回の透析治療を受けていた。

【ポイント】慢性腎臓病が進行した場合の主な症状

 梅宮さんを襲った慢性腎臓病は、腎臓(糸球体)がどれだけ血液を濾過できているかを示す検査値である「eGFR(推算糸球体濾過量)」の数値によって、ステージ1から5まで大きく5段階に分けられる。

 各ステージによってどんなリスクがあるのか。週刊朝日ムック『「このままだと人工透析です」と言われたら読む腎臓病の本』から紹介する。

*  *  *
●ステージ1〜2 自覚症状なし

 ステージ1は、eGFRが90ミリリットル/分/1.73平方メートル(以下、単位略)以上であり、「尿たんぱく陽性」などで慢性腎臓病と診断されるものの、腎機能は「正常」の範囲内という段階です。ステージ2はeGFRが89〜60で、腎機能の「軽度低下」がみられますが、自覚症状はほとんどありません。

 これらの段階では、塩分やたんぱく質の摂取量も制限されますが、カリウムについては、まだとくに制限はありません。

●ステージ3 症状の悪化が加速。食事でのカリウム制限が始まる

 eGFRが60未満(59〜30)になるとステージ3となり、腎機能が「軽度〜高度低下」しているとみなされます。

 末期腎不全まで自覚症状がなかった、というケースは珍しくありませんが、このステージ3まで進むと、むくみやだるさなどがあらわれる人もいます。

 血液検査ではクレアチニンや尿素窒素(BUN)といった老廃物の濃度が高まってきます。これらは尿毒症(後述)の原因になることから尿毒症性毒素と呼ばれます。

 赤血球の産生が妨げられ貧血がみられるようになってきます。血液の酸性・アルカリ性のバランスが崩れ、血液pHは酸性を示すようになります。

 血液中のカリウムの濃度が上昇し、食事でのカリウムの制限が始まります。通常、排泄されるはずのカリウムが、腎機能の低下に伴い、排泄されずに血液中に蓄積されるからです。これは高カリウム血症と呼ばれ、手足のしびれを起こすほか、不整脈から突然死に至る恐れもあります。

 また、腎臓にはビタミンDを活性化させてカルシウムの吸収を促す働きがあります。カルシウムの代謝にはリンが必要ですが、腎機能低下により、リンが排泄されずに体内に残り、カルシウムとのバランスが崩れていきます。

●ステージ4 この段階以降が「腎不全」

 eGFRが29〜15のステージ4は、腎機能が「高度低下」した段階であり、いわば「透析治療の一歩手前」、検討を始めるという状態です。一般的に、この段階以降が腎不全です。

 ここまでくると、むくみやだるさ、顔色の悪さ、吐き気などの症状に気づくようになり、ここで初めて受診、という人が多くみられます。

 ステージ3であらわれてきた、貧血、血中へのカリウムの蓄積、カルシウム・リン代謝の異常、血液の酸性化などがいっそうはっきりしてきます。

 血液濾過が滞り、尿がつくられなくなり尿量が減ってきます。一方で、尿素窒素やクレアチニンといった尿毒症性毒素の血液中の濃度がさらに高まってきます。

●ステージ5 尿毒症の影響大。人工透析や腎臓移植の準備を

 そしてeGFRが15未満のステージ5は、慢性腎臓病が最も進んだ状態であり「末期腎不全」と呼ばれます。尿量はさらに減って無尿(1日100ミリリットル以下)になるケースも出てきます。ここまで進むと、極度の腎機能の低下によって、排泄されるべき水分やさまざまな物質(尿毒素)が血液中にたまる尿毒症のリスクが高まります。

 尿毒症の影響は全身にあらわれます。赤血球の産生が抑えられ貧血が起こり、赤血球が運ぶ酸素が不足して心臓の負担を増やし心肥大や心不全を招きます。肺に水がたまり呼吸が苦しくなる肺水腫も起こります。

 尿素が増えすぎ、食欲不振や悪心、便秘・下痢、さらにはイライラや頭痛、無気力・倦怠感、意識障害、睡眠障害なども出ます。ほかにも出血・骨折しやすくなったり、皮膚炎やけいれん・しびれ感などが起こったりします。

 尿毒症は心不全などから命に関わる場合があり、一般的にはステージ5とされたころから、自分の腎臓の代わりになる腎代替療法として人工透析(血液透析・腹膜透析)や腎臓移植への準備を始めることになります。(取材・文/近藤昭彦)

※『週刊朝日MOOK 「このままだと人工透析です」と言われたら読む腎臓病の本』から抜粋

【監修】
東京都済生会中央病院副院長・腎臓内科部長 竜崎崇和医師

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