『スター・ウォーズ』完結にデイジー・リドリーらが心境を吐露 レイの両親は「明かされる」

0

2019年12月12日 16:22  リアルサウンド

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

リアルサウンド

『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』来日記者会見の様子

 映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の来日記者会見が12月12日に東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて行われ、デイジー・リドリー、ジョン・ボイエガ、オスカー・アイザック、アンソニー・ダニエルズ、監督のJ・J・エイブラムス、プロデューサーのキャスリーン・ケネディ、脚本のクリス・テリオが登壇した。


参考:『スター・ウォーズ』パルパティーン登場の意味とは? ダークサイドの歴史から考える 


 今回の記者会見には、日本はもちろん、海外からも大勢のマスコミが駆けつけた。壇上に上がり、まず一言を求められたキャスト・スタッフ陣。レイ役のリドリーが「日本に来られて嬉しいです」と日本語で挨拶をすると、会場からは拍手が巻き起こった。ポー・ダメロン役のアイザックは「ハロー」と一言発し、会場の反応を確認しながら、「今回は僕にとって初めての日本です。最高の時間を過ごしています」と初来日の感想も。フィン役のボイエガも、「グッドモーニング」と挨拶をし、会場の反応に「クール、クール、クール」と笑顔を見せた。C-3PO役のダニエルズは「みなさん、こんにちは」と流暢な日本語を披露しながら、「C-3POは600万の言語を自在に操りますが、残念ながら日本語はその中に含まれません」とジョークを飛ばし、会場を笑いに包んだ。


 12月20日に日米同時公開される『スター・ウォーズ』シリーズ完結編となる本作。公開目前となった今の気持ちを問われると、エイブラムスは「この作品は約2年かけて作ってきました。やっと公開できる時がきて、みなさんと共有できることをとても嬉しく思っています。特に、ここにいる俳優たちの演技が素晴らしく、またILM(インダストリアル・ライト&マジック)のVFXも過去最高の仕事だと思います。なので、僕も非常にワクワクしています」とコメント。


 リドリーは「今回の現場は最高でした。私たちは、J・Jとクリスが作った世界観に楽しく入って演じることができました。再びジョンと共演することができたこと、初めてオスカーとがっつり共演できたこと、そしてアンソニーと再びお仕事ができたことなど、本当に毎日現場に行くのが楽しかったので、終わってしまうのは寂しくもありますが、みなさんとこの作品を分かち合えるのはワクワクしています」と現在の心境を吐露。アイザックは「正直、まだ公開しなくてもいいという気持ちです。公開するということは、ここにいる楽しい時間を過ごしている友人たちとさよならをするということでもあるから。だからもう少し作り続けない?」と冗談交じりに話した。ボイエガも「映画が公開を迎えて、これからみなさんのものになるということでワクワクしている一方で、悲しい気持ちもある。現場で毎日顔を合わせていたオスカーやデイジーと会えなくなってしまうから」とアイザック同様、終わってしまう悲しみをにじませた。


 『スター・ウォーズ』シリーズ全9作に出演した唯一のキャストとなったダニエルズは、「他の作品のようにいい作品にならない危険性もあるから、9作目はもっとも重要な作品です。ですが、クリス・テリオと、そこにいるシャツを着た方(エイブラムス)が本当に素晴らしいものを作り上げてくれました」とエイブラムスをいじりながら、「ワクワクしているのは、私たちが世界中に秘密にしていたことを、あと数日で秘密にしなくてもいいようになることです」と安堵の表情を見せた。


 エイブラムスとともに脚本を書き上げたテリオは、「とても疲れています」と率直な感想を語り、「それと同時に、非常にワクワクしているし、嬉しい気持ち。映画には4つの命があると思います。最初は脚本の段階、2つ目はキャストやJ・Jが実際に作っていく段階、3つ目はポストプロダクションの段階、そして最後は観客の方に観ていただく段階です。今までの3つの段階を寂しく思うと同時に、4つ目の段階をみなさんに楽しんでほしいと思っています」と続けた。ルーカスフィルムの社長であり、本作のプロデューサーでもあるケネディは、「今回、自分たちが抱えられる以上の大きな責任を負っていると感じています。『スター・ウォーズ』は42年に渡る神話であり、映画史において重要な歴史の一部。多くの人と結ばれ、私たち全員がその一部になれたことは非常に光栄です。J・Jとクリスのおかげで大切な作品ができました。やっとみなさんと分かち合えることにとてもワクワクしています」とコメント。


 『フォースの覚醒』『最後のジェダイ』『スカイウォーカーの夜明け』と3部作に出演してきたリドリー、アイザック、ボイエガの3人。『スター・ウォーズ』がそれぞれの人生にどのような影響を及ぼしたかを問われると、「自分の人生と『スター・ウォーズ』は分けて考えることができません。それほど大きな存在で、家族のような関係性を作ることができました。素晴らしい方々と、素晴らしいレガシーの一部に関われたことは、大変光栄です」(リドリー)、「この3部作に関われたことは、自分にとって謙虚な気持ちにさせられる経験でした。『スター・ウォーズ』は、世界規模の文化的な現象だと思う。その物語に、自分が貢献することができたこと、そしてサーガの帰結を見ることができたのは大変光栄です。そして、世界中の方々と触れ合う機会を得たのも大きかったです。世界中のいろんな方たちと出会えたことは誇りに思っています」(アイザック)、「もともと『スター・ウォーズ』ファンだったから、実際にどのような過程で作品が作り上げられていくのかを知れたのは、魔法のような経験でした。実際に作品の一部になれたのは素晴らしい経験でした」(ボイエガ)とそれぞれの思いを口にした。


 『最後のジェダイ』公開後に他界した、レイア役のキャリー・フィッシャーについて問われたエイブラムス。「彼女なしには『スカイウォーカー』サーガーを終わらせられなかった。彼女の存在は非常に重要で、キャストは交代したくなかったし、デジタルキャラクターを使いたくもありませんでした。なので、『フォースの覚醒』で撮り溜めたフッテージを使いました。それは感傷的な作業でしたし、実際に人がいない中でシーンを作るのは奇妙な感じもしました。ですが、私たちはキャラクターも演じる女優も好きでした。彼女が亡くなってしまったのは本当に悲しいことでしたが、フッテージを使ったことによって、また彼女に出会えるので、それをぜひ楽しんでいただきたい」と熱い思いを語った。


 「レイの両親は明らかになるのか」という質問が記者から寄せられると、リドリーは「明かされます」と回答。続けて、「『最後のジェダイ』が終わった時、自分自身、レイが学んだことに満足していました。ただ、その時に言われた言葉に対して、彼女自身がフラストレーションを感じていて、答えを求めているのではないかと考えました。彼女は前に進むために自分が今までに失ったものを知らなければいけないと思ったんです。この作品では、それを模索し、その答えが明かされます。ただ、『スター・ウォーズ』が美しいと思うのは、もちろん血の繋がった家族の物語である一方、自分が誰を愛するのかを見つけ、家族を作っていく物語でもあること。『フォースの覚醒』で出会った友人であるフィンのように、血で繋がっていなくても、愛や友情が生まれる関係が人にとっていかに大きいかが、とても美しいところだと思います」と自身の考えを述べた。


 『フォースの覚醒』公開時の来日記者会見では、高田馬場から惑星タコダナの名前をつけたことを明かしたエイブラムス。本作において、日本から影響を受けた様子があるかを聞かれたエイブラムスは、「カイロ・レンのマスクが割れるところでは、日本の伝統である“金継ぎ”を使っています。また、レン騎士団は黒澤明の作品からかなり影響を受けています。それに、私の友人である村上隆も出ています」と日本との関係も明らかにした。


 ファンの間では、予告編におけるC-3POの「最後にもう一度だけ友人たちに」というセリフが大きな話題に。そのことについて問われたダニエルズが、「いろんな解釈ができるので、とても美しいセリフです。自分の友人や仲間に対してのお別れをという意味にもとれるし、皆さんに対してのお別れともとれます。あと数日だけお待ちいただければ」と答えると、会場からは笑いが起こる。続けて、「現場でも、とても感動するセリフでした。そして、友人でもあるJ・Jが素晴らしい編集をしてくれました。あと数日間、これが一体どういう意味であるのかを考えていただきたい」と念を押した。


 さらに、ダニエルズが9作全ての作品に出演している唯一のキャストであることから、「ファンの間では、C-3POが真の悪役ではないかという説もある」と海外メディアが言及。すると、ダニエルズは「ファンのみなさんの想像力は素晴らしい。『スター・ウォーズ』はまさにそういうものからインスピレーションを受けていると思います。ファンの皆さんの発想の中には、クリスやJ・Jが思いつかないようなものもあります。ですが、もう少しお待ちください(笑)。私自身、全作品に出演しているので、全ての作品を紡ぐ要素になってはいますが、それと同じように、闇も紡いできています。C-3POは金色でピカピカ光ってはいますが、それは闇であることを欺くものかもしれません」と答えた。


 ファンが唱える説については、テリオも「議論はしました」と明かしながら、「面白いと思ったもの、クレイジーだと思ったもの、なかなかいいものもありましたが、どれも実際に使ってはいません。ただ、J・Jも私もファンなんです。だから、脚本家として議論することもあれば、ファンとして議論することもありました」とコメント。そして、「今まで言えなかったことがあります。実は、アンソニー・ダニエルズが、私とJ・Jにとって、本当の意味でのインスピレーションになったんです。私が一番最初に観た『スター・ウォーズ』作品は『ジェダイの帰還』だったのですが、その時以来、ずっと彼の声が頭の中にありました。C-3POのセリフをもう書くことができないのは悲しいです。それほどC-3POとアンソニーは、『スター・ウォーズ』シリーズのハートであり、魂であると思います」とダニエルズへの思いを告白。


 すると、エイブラムスは「僕はアンソニーと問題があります(笑)」と冗談を挟みながら、「今クリスが言ってくれたことが嬉しいです。私たちは今、レジェンドと一緒に座っているわけです。映画の中では、彼の顔は一度も見れません。声もパフォーマンスも彼のものではあるけれど、常にコスチュームの中にいるわけです。また、C-3POは『スター・ウォーズ』で一番最初に登場するキャラクターでもある。映画の中で笑ってもいいんだというトーンも彼が作ってくれたもの。そういうことを、顔を隠してやり続けるのは、役者としてものすごく難しいことだったと思います。語り尽くせないほどのアンソニーの見事なパフォーマンスを褒め称えたいと思います」と語り、会場からは大きな拍手が巻き起こった。


 その後に行われたフォトセッションでは、テリオとダニエルズが抱擁を交わす場面も。大きな拍手に包まれ、キャスト・スタッフは会場を後にした。(取材・文=宮川翔)


    ニュース設定