モンハン風無料ゲーム『Dauntless』Switch&PS4に登場 成功の影にあるEpic Games Storeの存在

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2019年12月13日 07:02  リアルサウンド

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『Dauntless』公式サイトより

 今年5月にEpic Games Storeから配信されて瞬く間に人気ゲームとなった『Dauntless』が、対応ゲームプラットフォームを増やした。ますますプレイしやすくなる同ゲームの躍進の影には、あの大手ゲームスタジオの存在がある。


(参考:モンハン風ゲーム『Dauntless』、1週間でプレイヤーが500万人突破 Epic Gamesストアの看板タイトルに?


・『Fortnite』のノウハウを流用
 任天堂公式サイトは11日、『Dauntless(ドーントレス)』がNintendo Switchでプレイ可能となったことを伝えるニュース記事を公開した。同じく11日、PlayStaion公式サイトは同ゲームがPS4でプレイ可能になったことを報じる記事を公開した。


 『Dauntless』は、既報のように今年5月にEpic Games Storeから配信されたアクションゲームだ。配信から1週間を待たずにプレイヤー数が500万人を突破したことでは話題を呼んだ。同ゲームの特徴を簡潔に説明すると、「モンハン(『モンスターハンター』、以下『モンハン』)とFortniteのいいとこどり」である。仲間と協力して巨大なモンスターを狩る、という世界観とゲームシステムは『モンハン』シリーズからインスパイアされたものである。しかし、『モンハン』は有料ゲームとして販売される一方で、同ゲームは基本プレイ無料なのだ。ただし、武器のスキン等を入手できる「ハントパス」はゲーム内通貨を使って購入することになる。この課金システムは、『Fortnite』が普及させたものを流用していると言える。


 実のところ、『Dauntless』に『Fortnite』の影響がうかがえるのは当然なことである。というのも、同ゲームがEpic Games Storeから配信されるにあたり、開発したゲームスタジオのPhoenix Labsは『Fortnite』の開発元であるEpic Gamesから技術的支援を受けていたのだ。迅速にクロスプラットフォーム対応を展開できるのも、こうした技術的支援があったからである。なお、同ゲーム公式サイトによれば、2020年内にはモバイルにも対応する予定だ。


・1年間で56の無料ゲームを配布
 『Dauntless』を配信するEpic Games Storeは、昨年12月に立ち上げられてから着実にその存在感を大きくして、PCゲームプラットフォームの最大手Steamの強力なライバルに成長した。そんなEpic Games Storeに関して、テック系メディア『PCWorld』は6日にその1年の歩みを振り返る特集記事を公開した。


 Epic Games Storeが立ち上げられた1年前、注目されたのはゲーム開発者に支払う利益分配率であった。Steamがゲーム販売から得た売上の70%を開発者に支払うのに対して、Epic Games Storeは88%としたのだ。こうした差別化戦略の結果、『DIVISION 2』や『ボーダーランズ3』といった人気ゲームがSteamではなくEpic Games Storeで配信されたのだった。


 さらにEpic Games Storeの登録ユーザに対して、運営元のEpic Gamesは同ストア立ち上げ当初の5月から2週間ごとに1本のゲームを無料配信するというプロモーションを行った。2週間に1本という配信サイクルは6月には1週間に1本となり、時には週に2本配信されることもあった。こうして無料配信されたゲームの総数は、12月時点で56本にのぼる。


 以上のようにして着実にユーザを獲得していったEpic Games Storeに対して、Steamはリアクションを迫られることになった。そんなリアクションのひとつが、9月に行ったゲームライブラリの大型アップデートだ。このアップデートは、海外メディアにはおおむね好意的に評価された。そのほかのリアクションとして、過去にSteamから離れた大手ゲーム配給会社EAと再びゲーム配信契約を締結したことがある。この再契約によって、『STAR WARS ジェダイ:フォールン・オーダー』が配信されるにいたった。


 PCWorldの記事はEpic Games StoreとSteamのライバル関係を振り返ったうえで、両者のライバル関係は長期的にはPCゲーマーに利益をもたらす、と結論づけている。


・独占配信期間が満了したら……
 Epic Games StoreとSteamのライバル関係について、ゲームメディア『KOTAKU』はPCworldとは異なる観点から論じる記事を11日に公開した。その観点とは、Epic Games Storeにおける独占ゲームの扱いである。Epic Games Storeには、同ストアからのみ購入できる独占ゲームが多数ある。この独占ゲームには独占配信期間が決められており、その多くが1年間となっている。それゆえ、昨年12月の同ストア立ち上げ当初に独占配信契約を締結したゲームは独占配信期間が満了するのだ。そんなゲームの一部が、早くもSteamからの配信を開始した。具体的には『Hades』、『Ashen』、そして『Hello Neighbor:Hide And Seek』といったものだ。


 Epic Games Storeの独占配信期間が満了してSteamでも配信されるという流れは、今後も続くと予想される。こうした流れが続けば、来年2月には『Metro Exodus』、9月には『ボーダーランズ3』がSteamに登場するだろう。


 Epic Games Storeの台頭は『Dauntless』のような新作ゲームの迅速なクロスプラットフォーム対応を促進すると同時に、Steamのほぼ1強であったPCゲーム配信市場に新たな緊張関係をもたらした。こうしたEpic Games Store登場によるプラスの効果は、しばらく続くのではないだろうか。


(吉本幸記)


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