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平成の不安を払拭したい?新元号が今年の漢字に選ばれた日本人的な理由

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2019年12月13日 10:20  AERA dot.

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写真恒例の発表は京都・清水寺で行われ、森清範(せいはん)貫主が縦1.5メートル×横1.3メートルの特大和紙に力強く揮毫(きごう)した(c)朝日新聞社
恒例の発表は京都・清水寺で行われ、森清範(せいはん)貫主が縦1.5メートル×横1.3メートルの特大和紙に力強く揮毫(きごう)した(c)朝日新聞社

 2019年、新時代の幕開けの一字は「令」なり――。日本漢字能力検定協会(漢)は12日、世相を表す「今年の漢字」を発表した。全国公募による総票数21万6325票のうち、最多3万427票を獲得したのは「令」。2位「新」(1万4850票)の2倍以上の票を集め、今年の一字に決まった。

【今年の漢字トップ20の一覧表はこちら】

 1995年に始まった「今年の漢字」の発表は、今年で25回目。昨年までに21字が登場し、そのうち「金」が2000年、12年、16年の3回、「災」が04年、18年の2回。もちろん「令」は初めて選ばれた。

 漢検によると主な理由は次の通りだ。

・新天皇即位による新元号決定が、新たな時代の幕開けを告げた一年。「令」という漢字一字が持つ意味に、明るい新時代を願う国民の思いが集約された。

・「令」和は日本の古典から初めて出典された元号であり、日本の伝統文化を再認識する機会となった。

・法「令」改正による消費税増税、芸能界の不祥事など法「令」順守に対する意識の高まりや、災害による警報発「令」、避難命「令」もあった一年。

 第一生命経済研究所の主席研究員で消費スタイルや消費者意識に詳しい宮木由貴子さんは、こう言う。

「今年最も使われ、目にした漢字じゃないでしょうか。やはり元号の影響は大きかったんだなと思います」

 漢検は毎年トップ20(1995年、96年はトップ10)を発表してきたが、こちらも「令」がランクインしたのは初めて。今年のトップ20は、2位が「新」、3位は「和」、4位は「変」と時代の節目に関係する漢字だった。続いて5位「災」、6位「嵐」、7位「水」、8位「風」、9位「天」と、今年多発した台風や水害を想起させる字が並んだ。

 宮木さんは「2019年は明るい話題も暗い話題もあった激動の1年」と振り返る。その中で、新時代の到来という明るい話題にまつわる「字」が上位を占めたのは、日本人の性格も由来していると考える。

「お正月がそうであるように、日本人は、事の始めは襟を正して縁起のいいもので始めたい、という気持ちが強いと思います。新しい時代の元年はいい字を持ってきて縁起のいい時代にしたい、という強い思いが表れているのでしょう」

 その思いの裏には、今年4月30日に終わった平成の不安感を払拭したいという気持ちがあると宮木さんは指摘する。

「バブル崩壊(1991年)、リーマンショック(2008年)、さらに災害であれば阪神・淡路大震災(1995年)、東日本大震災(2011年)と、平成は非常に不安感の強い時代でした。多様性や包摂性が声高に叫ばれ、自分で人生を選べるようになった分、自己責任や不安感が強まりました。令和は、そこをリニューアルしたい、心機一転していい時代にしたいという思いがすごく強い時代なのではないか、と思います」(宮木さん)

 芸能やスポーツの話題も漢字選びに反映された。「嵐」には、年始にアイドルグループの「嵐」が2020年末をもって活動を休止すると発表したことへの衝撃も込められたり、「風」では、ラグビーワールドカップや「しぶこ」ことゴルフの渋谷日向子の旋風が挙げられたりした。

 来年はついにオリンピックイヤー。平和の祭典は、どんな字をもたらすだろうか。

(本誌・緒方麦)

※週刊朝日オンライン限定記事

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