テストの結果張り出し「恥ずかしくて憂鬱」…プライバシー侵害にならないの？

皆さんは学校でテスト結果を張り出されたことはありますか。上位に掲載されるのはよくても、下位となれば恥ずかしい思いをしそうです。

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弁護士ドットコムにも、医療系の専門学校に入学した人が、「テスト結果の張り出しをやめてほしい」と相談しています。

相談者の学校では、学力テストや模試があるたびに、名前と点数が学校の廊下に張り出されます。相談者は「とても恥ずかしい思いをしました。テストのたび、憂鬱になります」といい、学校に匿名で訴えようとしています

こうしたテスト結果の張り出しは、プライバシーの侵害にならないのでしょうか。舟橋和宏弁護士に聞きました。

●プライバシー侵害が成立するとは言いにくい

ーー人によっては、恥ずかしい思いをするテスト結果の張り出し。プライバシーの侵害にならないのでしょうか

プライバシー権は、裁判例において「私生活をみだりに公開されないという法的保障ないし権利」と考えられています。

そして、プライバシー権侵害が成立するためには、公開された内容が次の3つの要件を満たす場合とされています。

（1）私生活上の事実または私生活上の事実らしく受け取られるおそれのあることがらであること

（2）一般人の感覚を基準として公開されることによって心理的な負担、不安を覚えるであろうと認められること

（3）一般の人々に知られていないこと

ーー今回のケースはどうでしょうか

3つの要件のうち、（2）一般人の感覚を基準として公開されることによって心理的な負担、不安を覚えるであろうと認められること、について考えます。

テストを受ける皆さんの感覚からして、テストの点数が公開されることに心理的な負担などが生じるかというと、相談者の方のように恥ずかしいなどといった気持ちになる人がいることは否定できません。

しかし、テストを受ける人一般がテストの点数を非公開にしてほしいと考えるとまでは言いにくいかと思います。そういった点から、プライバシー侵害が成立するとは言いにくく、学校の裁量の範囲内と判断されやすいケースと思われます。

【取材協力弁護士】
舟橋 和宏（ふなばし・かずひろ）弁護士
学校内トラブル（いじめ、停学退学問題、学校事故など）を専門的に取り扱うほか、いじめ・非行予防授業も精力的に行っている。その他にはインターネットトラブル（SNS上のトラブル、発信者情報開示請求など）等を扱っている。

事務所名：レイ法律事務所
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