ホーム > mixiニュース > コラム > あなたは大丈夫? プロが教える“争続”につながる7つのリスク

あなたは大丈夫? プロが教える“争続”につながる7つのリスク

4

2019年12月15日 11:30  AERA dot.

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AERA dot.

写真写真はイメージです(Getty Images)
写真はイメージです(Getty Images)
 相続トラブルは小説やドラマの話であって、自分の家族には無縁だと思い込んでいないだろうか。実はそんな人こそ揉める原因を抱えているかもしれない。元気なうちに、“争続”につながるリスクを把握し、しっかり準備を進めよう。ライター・森田聡子氏が綴る。

【チャート】“争続”につながりやすい7つのリスクをチェックしよう

 チャート(下記)では、“争続”につながりやすいリスクを7つ挙げた。当てはまるものが一つでもあれば、そこを見据えた対策をしておきたい。

 多くのケースで有効なのが「遺言書」の作成だ。遺言書で「誰それにどんな財産を渡したい」という遺産分割の道筋をつけ、付言事項に相続人への思いやメッセージを記しておくことで、相続人の中に分割された遺産への納得と、故人のために結束して遺言を実現したいという一体感が生まれやすい。

 資産に余裕があれば、「生前贈与」を検討してもいい。ただし、亡くなる前の3年間に行われた相続人への贈与は相続税の計算に加えるという“3年ルール”があり、子どもなど相続人への贈与は早めに着手しておきたい。

 生前贈与の場合、年間110万円という贈与税の非課税枠を利用した「暦年贈与」が一般的だが、税理士法人トゥモローズの代表税理士、大塚英司さんは「子どもや孫の教育資金や住宅資金なら、税制優遇のある制度で一括贈与する方法もある」と助言する。教育資金や住宅資金の税制優遇制度を利用して非課税になった部分は原則、先の3年ルールの対象外となる(一部例外もある)。

 Dのケースだと、認知していない非嫡出子に遺言で財産を残したとしても、相続人全員が同意したうえで「遺言どおり執行しない」選択を行う可能性がある。このケースでは後々問題が起きないよう、生前贈与で相応の金銭を渡しておくのも一策だろう。FやGのケースでも、資金援助を受けていない子どもや介護負担者に生前贈与をして相続人間のバランスを取っておけば、相続発生後に揉めるリスクを抑えることができる。

 生命保険は「500万円×相続人の数」の非課税枠を活用した相続税対策のイメージが強いが、揉めるリスクへの備えにも効果的だ。Eのケースで相続財産がほぼ自宅不動産しかなく、長男が自宅を相続する代わりに弟や妹に金銭を支払う「代償分割」を行うのであれば、代償金確保の手段として、親が存命中に長男を受取人とした生命保険に加入しておけばいい。

 20年4月から「配偶者居住権」の制度が新設されると、Aのケースでは妻に生涯自宅に住み続けられる権利を与えつつ、法定相続分の遺産分割でも十分な生活資金が受け取れる手当てをしておくことが可能になる。

 これらの対策には高い専門性が求められることもあり、プロの助言や協力が欠かせない。税務相談を行うなら税理士、遺言書を作成するなら弁護士や行政書士といった具合だ。ただ、ひと口に税理士といってもそれぞれに得意分野があり、誰もが相続に精通しているとは限らない。

 電話やウェブを通じて無料で税理士紹介を行う税理士ドットコムには、全国で4300人以上の税理士が登録している。「相続分野に力を入れる税理士は年々増加傾向にあるが、それでも現状、全体の1〜2割程度」(税理士紹介チームマネージャーの多田芳幸さん)という。

 同社では複数の税理士から見積もりを取ったり、ウェブ上で料金を比較検討したりすることもできる。多田さんは「相続税のシミュレーションから相続対策のアドバイスまで行って10万円程度のパッケージメニューを用意している事務所もある」といい、相続に強い税理士にツテがなければ、こうした紹介サービスを利用するのも一法だろう。

 具体的な対策が決まったとしても、素人が単独でそれを実行していくのは簡単なことではない。一例が前述の暦年贈与で、贈与のつど、当事者間で贈与契約書を取り交わすなどの手続きが必要になる。こうした作業を面倒と感じるなら、信託銀行が扱う信託商品(商事信託)の活用を検討するといい。

 暦年贈与であれば「暦年贈与型信託」という信託商品があり、信託銀行が間に入って毎年、贈与者と受贈者双方の意思を確認したうえで、贈与者の口座から受贈者の口座へとお金を移す手配をしてくれる。

 遺言代用機能のある信託商品も用意されており、委託者に万一のことがあったときには正式な相続手続きを経なくとも、あらかじめ指定された受取人に一括または定期的に信託財産を渡すことができる。いずれも管理手数料や、契約時や解約時の事務手数料はかからない。

 この先、認知機能が低下するようなことがあると、相続に向けた財産の取り扱いをどうするのかも気になるところだ。みずほ信託銀行信託業務室室長の相馬竹秀さんは、

「認知症を発症した状態で本人の財産を動かそうとすると、成年後見制度を利用することになる。弁護士などの職業後見人が指定されると、月額3万〜5万円の報酬が発生する」

 と指摘する。

 こうした認知症への備えとしても、昨今、有効な信託商品が出てきている。

 年末年始には普段離れて暮らしている家族が集まり、改まった話をする時間も取りやすい。相続に関しては、利益を得る子どもから言いだすのはハードルが高く、親のほうから歩み寄る必要がある。チャートをきっかけに、ぜひ、親子でわが家の相続について話し合う時間を持ってほしい。(ライター・森田聡子)

<チャート わが家の相続に揉めそうなリスクはあるか>
■揉めるリスクの確認
A 配偶者が同居する子や子の配偶者と不仲(はい・いいえ)
B 子ども同士が不仲、もしくは没交渉 (はい・いいえ)
C 子どもがいない (はい・いいえ)
D 認知していない非嫡出子がいる (はい・いいえ)
E 相続財産に占める不動産の割合が大きい(はい・いいえ)
F 特定の子どもや孫にだけ多額の資金援助をした(はい・いいえ)
G 特定の親族が介護に大きく貢献している(はい・いいえ)

※週刊朝日  2019年12月20日号より抜粋

このニュースに関するつぶやき

  • アレと争うエネルギーを使う気はないので一切放棄する予定。たぶん形見分けもしてくれないだろうな。叔母からもらった昔の写真すら取り上げられたくらいだし
    • イイネ!0
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(1件)

あなたにおすすめ

前日のランキングへ

ニュース設定