2010年代韓国ポピュラー音楽を代表するR&Bトラックは? 米ビルボード選定チャートからピックアップ

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2019年12月16日 10:41  リアルサウンド

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 2010年代の終わりを迎え、米ビルボードが2010年代のベストK-POPリスト『The 100 Greatest K-Pop Songs of the 2010s: Staff List』を11月末に公開した。ビルボードは同リストの冒頭で、「ここ10年間で韓国のポピュラー音楽が成し遂げた世界的な成長と実績を記念したい」という趣旨を述べている。


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 リストに挙げられた楽曲はK-POPのメインストリームであるアイドルが多くを占めている。それゆえにその中に含まれるR&Bのトラックが目を引く。本稿ではbillboardが選定した100曲の中から、2010年代の韓国のポピュラー音楽において欠かすことのできない5曲のR&Bトラックをピックアップして紹介したい。


78. Hoody – Hangang (no album, 2017)


 HoodyはJay Park率いるレーベル<AOMG>に所属している女性R&Bシンガーソングライター。「Hangang」は2016年の冬にリリースした1st EP以降、彼女が初めてリリースしたシングル曲だ。夏の季節感がたっぷり楽しめる爽やかなアップテンポのR&Bポップで、聞き心地のいい彼女のボイスカラーがよく生かされている。タイトル通り韓国・ソウルに流れる漢江(ハンガン)をテーマにした楽曲で、溢れる愛の気持ちを表現しており、MVも漢江を背景に撮影された。清涼感に満ちたHoodyの歌声と同レーベル所属のCha Cha Maloneによるプロダクションは、いつどこにいてもリスナーの心を真夏の漢江の川辺に連れていってくれるだろう。


75. offonoff – Dance (boy., 2017)


 offonoff はシンガーソングライター・Coldeとプロデューサー・0channelからなるR&Bデュオだ。「Dance」は彼らにとって唯一のスタジオアルバム『boy.』に収録されたトラック。同アルバムは「Korean Hiphop Awards 2018」でR&Bトラック賞を受賞した「gold (feat. DEAN)」も収録されている名作だ。「Dance」の魅力は何と言ってもミニマルな楽器を抜群のセンスで豊かに組み立てた0channelの洗練されたビート、そして歌とラップを自在に行き来するColdeの巧みなボーカルだろう。「Late at night I think of you」というフレーズが繰り返される切ないサビも含め、夜の雰囲気にぴったり合った一曲だ。


61.Jay Park「All I Wanna Do(Feat. Hoody, Loco)」 (Everything You Wanted, 2016)


 先述のHoodyも参加した「All I Wanna Do」は、<AOMG>のCEOであるJay Parkが同レーベルのメンバー2人を迎えたトラック。「Hangang」と同様に本トラックもCha Cha Maloneがプロデュースを手掛けた。元2PMのメンバーとしてキャリアをスタートさせたJay Parkは、今やヒップホップ/R&Bアーティストへと進化し、<AOMG>と<H1GHR MUSIC>という2つのレーベルのCEOも務めている。さらにはJay-Z率いる<Roc Nation>とも契約してアメリカ市場に本格進出を遂げ、韓国のブラックミュージックシーンを代表する人物となった。「All I Wanna Do」は彼のポップスターとしての魅力を惜しむことなく披露したポップなR&Bトラックだ。1MILLION DanceStudioとのコラボで誕生したダンスビデオも話題になった。


59. DEAN – Bonnie & Clyde (130 mood: TRBL, 2016)


 DEANはデビュー当初からエリック・ベリンジャー、アンダーソン・パークなどといった実力派の海外アーティストとのコラボを果たし、高い音楽性を証明して韓国R&Bファンの間で話題となっていた。「bonnie & clyde」は彼のデビューEP『130 mood : TRBL』に3番目のトラックとして収録されている。逆順でストーリーが進んでいく仕掛けを持った同EPの中で、本トラックは非常に重要な役割を果たす。というのも、悲劇的な結末を知りながら不適切な関係を諦められず、自暴自棄の状態に陥ってしまう瞬間が描かれたトラックだからだ。シンセサイザーをベースにしたサウンドに乗せられた彼の歌声が、その感情を見事に表現している。


21. Zion.T – Yanghwa BRDG (no album, 2014)


 韓国を代表するR&Bアーティストの一人であるZion.Tは、過去10年近い活動期間で幅広い音楽性を見せてきた。「Yanghwa BRDG(ヤンファ大橋)」はそんな中で最も個人的なストーリーを込めた温かい楽曲だ。曲名の「ヤンファ大橋」とは、漢江に掛かる実在の橋のことである。本トラックにおけるヤンファ大橋は、家族のためにタクシー運転手として働いたZion.Tの父親の仕事場を象徴する存在。ストーリーはいつもヤンファ大橋を走る父親と電話をしていた幼い頃の思い出から始まり、大人になって同じ橋を走る自分自身の姿につながっていく。彼は、その成長の間で感じた家族の大切さを素直に歌で紡いでいる。そのような感動的な歌詞と音楽性は全世代から共感を呼び、国民的な人気を集めた。
(soulitude)


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