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増加の一途を辿る「カスハラ」問題、三波春夫『お客様は神様です』の本当の意味

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2019年12月17日 11:30  ORICON NEWS

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写真三波春夫オフィシャルページでも「お客様は神様です」の真意を説明
三波春夫オフィシャルページでも「お客様は神様です」の真意を説明
 セクハラ、パワハラ、マタハラに加えて、昨今メディア等においても取り上げられる機会が増えているのが「カスハラ」だ。これは「カスタマーハラスメント」の略で、主に接客業の現場における、客の過度なクレームや迷惑行為を指す。こうした行為により精神的に追い詰められ心を病む従業員も増えており、社会問題化している。12月だけでも2日に『news zero』(日テレ系)が、12月10日には『スッキリ』(日テレ系)でも特集され、それぞれ司会の櫻井翔や加藤浩次の発言も話題を呼んだ。

【画像】2016年に「ハルオロイド・ミナミ」としてバーチャルで蘇った三波春夫さん

■直近3年間で半数以上が「カスハラが増えた」と回答

 「カスハラ」の主なものは、店頭での恫喝や暴力のほか、電話での長時間にわたるクレームや、不当な金銭の要求、さらには土下座を求めるなどの過度な謝罪の強要が挙げられる。

 実際、企業の危機管理を総合的に支援するエス・ピー・ネットワークによる実態調査(インターネット調査/調査期間:2019年5月15日〜16日/調査対象:全国の20代から60代の男女)によると、直近3年間で半数以上が、「カスタマーハラスメントが増えている」と回答しており、さらに、クレーム処理を行っている上で、「カスタマーハラスメントに困っている」と回答した人も約6割に及んでいるという。

 こうした現状に対して対策が進まない背景には、パワハラやセクハラのように従業員間の問題ではなく、カスハラは「企業」と「顧客」の間で起こるトラブルということが挙げられる。加害者が従業員であれば企業側に対策を求めることができるのだが、カスハラの場合、企業側での対策にも限界があり、顧客対応マニュアルを用意するとか、対応スキルの向上を図るといった“対処方法”のみで、根本的な解決を図ることが(企業側では)難しい。つまりカスハラにおいては「客側の意識の変化」こそが重要というわけだ。

■日本特有の「お客様は神様だ」という精神性

 では、カスハラを生む「客側の意識」とは? ここに日本独自の精神性がある。それが「お客様は神様です」という言葉にも表れる極端な顧客至上主義だ。

 昭和の人気歌手、故・三波春夫さんの名文句「お客様は神様です」は、いまや独り歩きし、三波さんを知らない世代にも浸透。こうした意識が、サービス業における丁寧な接客や、清潔な店内環境、商品陳列など、日本が世界に誇る“サービス提供”へと繋がっていったのも事実だろう。ところが、この言葉を企業側ではなく、客側が使用する傾向も一方で強まっていき、現在では客が店員に対して「こちらは客だから神様なんだ」と主張し、カスハラ行為を生んでしまっている。

 実際のところ、三波さんのこの言葉はどのように広まっていったのか? 株式会社三波クリエイツの代表取締役で三波さんの長女、三波美夕紀氏は『三波春夫オフィシャルホームページ』で「『お客様は神様です』について」として、広まっていった経緯を以下のように伝えている。

「当初は『お客様は神様です』という型にはまった言い方ではありませんでした。“お客様を神様とみる”という心構えであることを舞台の上で話したことが始まりで、それは芸能生活としては22年目、歌手デビューから数えると4年目の1961(昭和36)年のことでした。その後、漫才トリオのレツゴー三匹さんが「三波春夫でございます。お客様は神様です」という表現を流行させて、「お客様は神様です」という言い方が世の中に定着したというのが経緯です」

 この経緯については、三波さんの著書『歌藝の天地』(PHP研究所)に詳しく記されているが、広まったのはレッツゴー三匹による物まねに盛り込まれたことが大きく影響した。お笑いフレーズとして使用されたことで、ポジティブでキャッチーな響きを伴って、「お客様は神様」が広がった結果、先述したようにサービス業においては質の向上へと繋がったのだろう。

■もともと「お客様」とは聴衆・オーディエンスのこと

 現在のようなカスハラにも繋がってしまっている点については、「このフレーズが真意と離れて使われる時には、「お客様」は商店、飲食店、乗り物のお客さん、営業先のクライアントなどになり、「お客様イコール神」となります。例えば買い物客が「お金を払う客なんだからもっと丁寧にしなさいよ。お客様は神様でしょ?」という風になり、クレームをつけるときの恰好の言い分となってしまっているようです。また、クレーマーやカスタマーハラスメント問題を取り上げている番組などでは「“お客様は神様です”というのがありますからね」と、真意を紹介することなく引き合いに出されることもあります」と三波美夕紀氏も残念な気持ちを吐露している。

 では、その真意はどんなものだったのだろうか。三波さん自身は生前、「歌う時に私は、あたかも神前で祈るときのように、雑念を払ってまっさらな、澄み切った心にならなければ完璧な藝をお見せすることはできないと思っております。ですから、お客様を神様とみて、歌を唄うのです。また、演者にとってお客様を歓ばせるということは絶対条件です。ですからお客様は絶対者、神様なのです」とコメントしていたという。

「三波にとっての「お客様」とは、聴衆・オーディエンスのことです。また、「お客様は神だから徹底的に大事にして媚びなさい。何をされようが我慢して尽くしなさい」などと発想、発言したことはまったくありません」(三波美夕紀氏)

 「カスハラ」対策でもっとも有効なのは「お客様は神様です」という言葉を今一度、正しく理解し、演者側(サービス提供側)の崇高な想いを感じ取り、客側は、それを享受する喜びや感謝に改めて気づくことかもしれない。

このニュースに関するつぶやき

  • カスタマー(客=金払ってる方)偉いと言うおかしな考えは日本人の専売特許じゃなくて、朝鮮族(韓国)・漢族(中国)と言う隣国の2民族にも同じような言動を取る人は一定数存在する。
    • イイネ!5
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  • 神は神でも堕ちた祟り神みたいなのが増えたよね… https://mixi.at/ajDIuHP
    • イイネ!7
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