大型補強のロッテ その裏に数年後を見据えた戦略

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2019年12月20日 07:14  ベースボールキング

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ベースボールキング

ロッテ・安田尚憲[撮影日=2019年10月21日]
◆ ベテランから若手へ切り替え

 ロッテは今オフ、楽天から美馬学、ソフトバンクから福田秀平、広島でリーグ3連覇に貢献したセットアッパー候補のジャクソン、楽天で3年連続40試合以上に登板したハーマンを獲得し、ドラフト会議では最速163キロ右腕の佐々木朗希を4球団競合の末に獲得に成功するなど、ストーブリーグを盛り上げている。

 その一方で、長年マリーンズを支えてきた福浦和也が現役を引退し、チームリーダーの鈴木大地がFA権を行使して楽天に移籍した。さらに涌井秀章が楽天へ金銭トレード、FAで獲得した美馬の人的補償で酒居知史の楽天移籍が発表された。

 チームの年齢構成を見ても、今季は87年世代がチーム最多の7人(角中勝也、細谷圭、田中靖洋、ボルシンガー、レアード、マーティン、レイビン)、次いで88年世代、89年世代、90年世代、91年世代の6人と20代後半〜30台前半の選手が多かったが、現時点で来季は育成選手を含めて97年世代が9人、次いで今季最も多かった87年世代と、岩下大輝、東妻勇輔らがいる96年世代の6人と若返りが進んでいる。

 松本球団本部長は「もちろん補強もしっかりしたんですけど、とにかく若い野手、投手が増えてきましたので、この辺の年代(96年、97年世代)が将来、2、3年後にでてきてくれれば」と若手選手に期待を寄せる。

◆ 若手を育成

 今オフの補強を見ると、テスト入団の西巻賢二、人的補償で獲得した小野郁を除くと、美馬学が33歳、福田秀平が30歳、ハーマンが35歳、ジャクソンが32歳と30代の選手ばかりだ。

 今季16年本塁打王のレアードを獲得し安田尚憲が二軍で1年間力をつけたように、核となる選手を補強し、その間に若手選手をじっくりと育成していくような考えが見える。

 松本球団本部長は「若い選手では安田がいい例で、(今季ファームで)二冠を獲りましたし、本来であれば一軍で使ってあげてもよかったのかなと思います。しかし、そこはぐっと我慢して、しっかりと育成の方針を立てていますので、ブレないように」。

 「特に育成の若い選手の起用法に関しては、徹底して話し合ってやっていますね。(調子が)いいからすぐに一軍ではなくて、しっかり打席を立たせたり、下でイニングを投げさせてというのをさせています。安田本人は今年一軍でやりたかったでしょうけど、そういう経験が来年の彼にとって大きいのかなと思います。安田以外でいえば藤原、今度入ってくる佐々木朗希にしても、そこはブレずにやっていきたいと思います」。

 黄金時代を築くため、若手の育成プランも球団のなかで、しっかりと確立されている。

 「3年後、5年後のチーム作りを考えながらも、優勝を考えながらというところは、バランスよく補強をしっかりやり、育てるのは育てるでしっかりやっていかないと魅力あるチームにならないのでね」と松本球団本部長。

 短期的に来季のリーグ優勝を考え、チームの弱点を補強しながらも、数年後を見据えてしっかりと若手選手をファームで育てていく。黄金時代を築くための準備を着々と進めている。

取材・文=岩下雄太

このニュースに関するつぶやき

  • 数年後を見据えるなら、「御贔屓」監督井口を外すべきだし、使えない廃棄物唐川と内をさっさと処分すべきだな。
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