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『あたしンち』けらえいこ氏、令和も「人間・日常を描いていく」 SNS世代の熱意に救われ連載復活

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2019年12月20日 12:00  ORICON NEWS

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写真けらえいこ氏
けらえいこ氏
 1994年から2012年3月まで読売新聞日曜版に約18年間連載され、TVアニメ、劇場アニメも制作された漫画『あたしンち』。6日に7年半ぶりの連載再開が発表されたが、週刊誌『AERA』(朝日新聞出版)で23日発売号から掲載されることが20日、新たに明らかになった。かつて「ちょっと行く先を見失ってしまいました」「震災のショックも大きかった」そう連載終了を告げ、一度はペンを置いた作者・けらえいこ氏(57)。今、「ライフワーク的に“人間”や、“日常”を描いていきたい」と、再び前を見据え作品へ向き合うに至った自身の“変化”について語ってもらった。

【画像】けらえいこ氏が連載再開に寄せたイラストコメント

 『あたしンち』は、主人公のあたし=みかんと、お母さん、お父さん、弟・ユズヒコの立花一家を中心とした人々の何気ない日常を描く作品。単行本は全21巻が発売されており、連載復活を記念して過去のエピソードを「母じょうねつ編」「みかん青春編」「父の愛情編」「ユズヒコ友情編」「人生のコツ編」と、立花家の一人ひとりに焦点を当て選定した『あたしンちベスト』も発売される。

■細部まで「正確に届いてる」…SNSで知ったファンの熱量が再開の活力に

――お忙しい中、取材をお受けくださりありがとうございます。そして連載再開、本当におめでとうございます。

【けら】インタビューを受ける機会はほとんどなかったと思うので、大変ありがたく、うれしいです! (子供の頃にも同作に親しんでいたと筆者が伝えると)若い『あたしンち』ファンの方は、今まで見たことがない熱意で応援して下さるので、このインタビューもですが、本当にうれしく思っています。先に簡単に結論を言うと、この“ビックリ”が連載を再開したいちばんの理由です。

――12年3月の連載終了時、「いつのまにか母視点で描くようになり、ついには父の年齢を越えてしまったあたりで、ちょっと行く先を見失ってしまいました」とコメントされていましたね。連載終了を決断されるまでにどういう気持ちの変化があったのか、改めて教えてください。

【けら】連載終了は、過労が原因です。サラッと描いてるように見えて、かなり時間をかけていました。更年期に入ったら、身体が持たなくなりました。

 ダンナは30代の頃から、共同制作者です。出版社にいたんんですけど『あたしンち』が大変になってきたので、辞めて、いっしょに描くようになりました。ほんとうは、藤子不二雄さんのように、ペンネームも合体するべきだったかもしれないけど、途中で変えられず、今も「けらえいこ」のままにしています。そのダンナも、震災後、両耳とも難聴になってしまった。しっかり休まなきゃ、と思った次第です。

 前の連載は、スマホをはじめ、社会環境がすごく変わった18年間で、漫画はそのスピードからどんどん遅れてしまったんですけど、インターバルができたおかげで、なんとか令和に時間を合わせることができそうです。“怪我の功名”だけど、良かった。

――連載を終えてからは、どのような生活を送っていらっしゃったのですか。

【けら】全然、休めてなかったです…。次やりたいことを考えて、ジタバタしていました。15年には『新あたしンち』のアニメ放送が作られて、シナリオにも関わっていたし、台湾の『あたしンち展』は、グッズのチェックまでして、またプチ過労。その後は、ネットで漫画を描こうとして、ジタバタ…。

――連載を休んでも作品と近い距離に居続けたのですね。SNSを始めたことで気持ちが救われる部分もあったとか。

【けら】『あたしンち』の肝(きも)は細部にあって、作者はそこに苦心していたのですが、人から感想をいただくとき、その“細部”はいちいち思い出せないのかなと感じていて。大事な細部をスルーされがちなのは、ちょっと寂しかったんです。

 ところが、アニメの本放送を見ていた子どもたちが、私が休んでいる間に、大人になって、スマホに感想を書き込んで下さるようになった。本を読みながらのつぶやきは、生々しい。それがすごくうれしかったんです。細部がみんな、正確に届いてる!とわかって、それで疲れがふっとんだんですよね。反応がもらえるのはうれしいものです。雪が降れば、母の雪だるまをツイッターに上げてくれたり、うれしくて泣きそうになってました。

――今やネット・SNSで自由に、自分のペースで作品を発表できる時代になりました。それでも敢えて誌面での週刊連載を決断されたのはなぜでしょう。

【けら】『あたしンち』は、自分にかなり負荷をかけて描いているので、絶対に(掲載を)落とせない場所じゃないと続かないと思っていました。紙で、カラーで描ける場所は、なかなかないんです。偶然ですけど、いい場所を与えていただけてよかった。

■ライフワークとして「“人間”や、“日常”描きたい」

――このたび発売される『ベスト』を立花家1人ずつの視点でまとめたねらいを教えて下さい。

【けら】長年描いてきて、キャラクターが深まったので、その人その人を味わってもらいたく、分けてみました。(みかんやユズヒコの)学校の話がまとまっているのもいいなと思いました。

――なかでも5巻目は特に味わい深い気がします。「人生のコツ編」というテーマにされた理由は何でしょうか。

【けら】ファンの方の感想に「『あたしンち』で学んだ」というのが多かったからです。例えば「プレゼントは相手の得意分野を避けるべき」とか、「なるほど!」みたいなやつですね。

 「人生のコツ」というネーミングは、今回作った言い方だけど、こういうことを考えるのがすごく好きなので、また描くと思います。テーマ別に関しては、これが売れれば、次は「グルメ編」とか、いろいろ考えています。紙の本が売れないと、難しいんですが。

――連載開始当時から時代も家族の在り方もかなり移り変わりました。それでも立花一家の4人を中心に変わらず描きたいこと、伝えたいことというのはありますか。

【けら】私は世事にうとくて、時代に合っているのかはよくわからないけど、ライフワーク的に“人間”や、“日常”を描いていきたいですね。

――「人生のコツ編」最後のお話で、「自分のいちばんの望みとは何か…(それは)自分が変わることだった」という宮嶋先生の言葉は本当にすてきです。けらさんはこの7年半、生き方や作品づくりにおいて“変われたな”と感じる部分はありますか。

【けら】私はこの7年、休んで疲れが取れたことがいちばんうれしいです。休んで、頭が整理できて、方向性が見えてきたのがいちばんの変化。

 最近は漫画を描く垣根というものが、急に下がりました。みんな自由に、なに言ってもいい雰囲気で、(良い意味で)軽い。私は、前はもっと構えてしまっていた。これからはわりと軽く描けそうです。


■『あたしンちベスト』けらえいこ 出版記念サイト
https://publications.asahi.com/atashinchi/

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