「平服で」と言われたら何を着る? 恥をかかないマナーとは

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2019年12月26日 11:32  セキララ★ゼクシィ

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「平服」ってどんな服装?楽しみにしていた友人からの結婚式や二次会の招待状。封を開けると“平服でお越しください”との文字が。
 
「平服って……?」「どんな格好で行けばいいの?」「みんなはどんな服装で来るの?」と頭を抱えた経験はありませんか。アンケート結果によると、そもそも“平服の意味を知らなかった”という人が過半数を超えていることもわかりました。
 
「平服」とはどういう服装を指す言葉で、結婚式の披露宴や二次会の場面で実際にどんな服装が好ましいのか。失敗しない「平服」選びやコーディネート術について、マナーデザイナーの岩下宣子先生にお聞きしました。
 
■50%以上が「平服」の意味がわからない!
 
「平服」と聞くと、言葉のニュアンスから私服や普段着など、とてもカジュアルな服装を連想してしまいがちです。でも結婚式というフォーマルな場での「平服」とは、どんな服装を指す言葉なのでしょうか。
 
「平服の意味を知っていますか?」という質問をしたところ、「はい」と回答したのが46.4%、「いいえ」と回答したのが53.6%。アンケート調査の結果、過半数が「知らない」「わからない」という結果に。
 
「平服って言葉初めて聞きました」(25歳)
「平服の意味がわからず、ネットで調べました」(27歳)
「平服というと、どのくらいきちんとした格好をしたらいいかわからない」(30歳)
「どこまでが平服かわかりにくい」(27歳)
 
■みんな悩んでる!「平服」ってどんな服装?
 
「平服」に関する、経験談や失敗談を具体的に聞いてみました。
 
「平服とはいいつつ、価値観や持っている服の違いから、ちぐはぐになりがち」(38歳)
 
「頑張りすぎもよくない、普段着もだめなので一番難しくて考える服装です」(29歳)
 
「ミュージシャン同士で結婚した友人の披露宴が、ライブ式のパーティなので“平服で”となっていましたが、まだ結婚式の経験も少ない年齢だったこともあり、どんな格好をしてよいのか、どこまでが常識の範囲なのかとても迷った」(35歳)
 
「今はどの程度の平服を求められているのか探るのもうまくなりましたが、20代前半のときは、平服がどの程度かわからず悩みました」(32歳)
 
「まだ意味を知らないとき、男性の友人に相談され、『クールビズでいいんじゃないの?』と言ってしまった。改めて調べ直し事なきを得たが、友人に恥をかかせかけた」(28歳)
 
「普段着と同等のレベルだと思っていた。事前に調べたからわかったが、知らないまま行っていたら恥をかいていた」(32歳)
 
「友人の結婚式の1.5次会で、平服でと案内があり会場に行ったら、とある男性がジーンズで来ていた。上はジャケットだったが、周りと比べるとかなり浮いていた」(36歳)
 
「平服の程度がわからず、友達と相談してワンピースを着て行ったが、他のグループはTシャツやニットなど本当にラフな格好だった」(29歳)
 
■ジーンズやスニーカーは平服ではない
 
ジーンズやスニーカーは平服ではない
出展:セキララゼクシィ

 
例えば、彼の親と初めて食事をするとき、彼のお母さんと銀座にお買い物に行くとき、ジーンズやスニーカーでは行きませんよね。少し改まった場所でのきちんとした服装と覚えておけば失敗もないでしょう。
 
本来の結婚式(二次会を含む)参列者のドレスコードより一つ格を下げることで、「礼服ほどかしこまった服装でなく、お気軽にお越しください」という新郎新婦からの配慮、または「肩肘張らずにくつろいでもらえるカジュアルな結婚式です」という心遣いのメッセージだと受け取るのが賢い捉え方とも言えそうです。
 
■覚えておきたいドレスコードは3つ
 
基本的なドレスコード、また平服ファッションを選ぶ際に気を付けたいことや、男性・女性それぞれのシーンに応じたファッションの注意点を、岩下先生に教えていただきました。
 
ウエディングシーン(※二次会も含む)でのドレスコードは、以下の3つに分かれていて、「平服=略礼装(インフォーマル)」と定義されます。
 

出展:セキララゼクシィ

 
1、礼装(正礼服/フォーマル):最も格式が高く、結婚式で新郎や親が着用するもの
・男性はモーニング(昼)、タキシード(夜)
・女性はアフタヌーンドレス(昼)、イブニングドレス(夜)
 
2、準礼装(準礼服/セミフォーマル):一般的な結婚式参列者の服装はこれと考えてよい
・男性はブラックスーツ
・女性はセミアフタヌーンドレス(昼)、カクテルドレス(夜)
 
3、略礼装(平服/インフォーマル)
・男性はフォーマルスーツやダークスーツ、またはジャケット・シャツ・ネクタイ
・女性はスーツ、ワンピース、またはスカート・ジャケット
 
平服とは、準礼装ではないけれども普段着でもない服装です。少し改まった服装と言ってよいと思います。例えば、歌舞伎座など観劇に行くときの服装、老舗のデパートにお買い物に行くときの“きちんとした服装”と考えてみてください。
 
■【二次会】にふさわしい「平服」
 
【二次会】にふさわしい「平服」
出展:セキララゼクシィ

 
二次会ファッション/女性編
女性の洋装ファッションは、昼と夜とで分けられます。
 
【昼】
なるべく肌を見せないもの。長袖のブラウスに長いスカートやニットでもデザイン、色、柄を選んでカジュアルにならないように。
 
【夜】
袖なしや胸が開いたものでもOK。レースや刺しゅうのデザインのツーピース、スカート丈は膝下ぐらいがよく、タウン感覚に近いドレスやブラウス&スカート、パンツのコーディネートが基本。
 
二次会ファッション/男性編
一方、男性は昼夜を問わず着られるダークスーツが基本。
 
【昼】
チャコールグレーかミッドナイトブルーで無地または、無地に近い柄のスーツ。
 
【夜】
光沢感のあるダークスーツ、シルクウールやベルベット素材のジャケットとスラックス。ロングジャケットとスラックスでもよい。
 
また、シャツの夜のスタイルとしては、襟腰の高いドレッシーなレギュラーカラーの白が基本です。しかし、ブルー・ピンク・グレーなどのパステルカラーでもOK(ダブルカフス)。ネックウエアは、アスコットタイ、ストール、など遊び心のあるアイテムを選ぶと華やかになります。
 
■【結婚式・披露宴】にふさわしい「平服」
 
基本的に二次会と同じでOKですが、二次会より少し改まった演出にするとよいでしょう。
例えば、女性はアクセサリーを真珠のネックレスに、男性はポケットチーフをするなど、平服の中でも二次会より少しドレッシーなスタイルにするのがお薦めです。
 
【結婚式・披露宴】にふさわしい「平服」
出展:セキララゼクシィ

 
■小物類や髪型にもマナーはある?
 
服装以外にもアクセサリーや小物、シューズ、髪型などで、ファッションの印象は大きく変わります。小物類のコーディネートや洋服の素材選びについても、どれがよいかわからなくて困った……という方はぜひ下記を参考にしてください。
 
小物類・髪型マナー/女性編
【素材】
最近ではさまざまな素材が洋服に使われているので、素材がラフなときにはデザインがエレガントなものをチョイスするなどバランスを取ることが大事なテクニック。
 
夜ならニット、ファー、皮革、新素材まで制約はありません。昼の場合はこれらの素材は控えましょう。
 
【アクセサリー】
昼はあまり光らないものを。夜はライトに映えるダイヤモンドなどのキラキラしたものを取り入れて。
 
【バッグ】
大型のものを避けて、プラステック製やサテン地、ベッチンなどの素材でも可。サイズは中型、小型どちらでもOKです。
 
【シューズ】
夏の夜ならサンダルも可。昼は季節を問わずNGなので、パンプスを選ぶのが無難。
 
【ヘアセット】
アップスタイルでないといけないということはありませんが、自分が一番よく見えるように整え、食事をするときに髪が垂れてくるような髪型は避けましょう。
 

出展:セキララゼクシィ

 
小物類・髪型マナー/男性編
【タイ】
結び下げのタイなら、シルバーグレーのストライプにシルバーグレーの無地のシルクベストを。シャツをオープンで着こなす場合は、アスコットタイやストールタイでもOK。
 
また、本来はNGでしたが、今はちょうタイもカッコよく見えるファッションとして定番化し、よしとされています。
 
【シューズ&ソックス】
キッド(羊)かカーフ(牛)レザーで色は黒、靴底は浅く、あまりコバ(革をカットした断面)が出ていないものを選びましょう。夜はエナメルの他、キッドやカーフでもよい。ソックスはスーツの色に合わせて。
 
男性は、夜はどこかに光沢のある小物を加えるとよいですね。
 

出展:セキララゼクシィ

 
■ふさわしい装いで大切な人を祝福しよう
 
「平服=略礼装」と理解しておけば、そんなに難しく考えることはないのだとわかりました。この服装で、高級レストランやホテルに行っても恥ずかしくないかどうかを基準に選んでみましょう。
 
ウエディングシーンの場合、あくまで主役は新郎新婦。ふたりよりも華美にならないようにすること、またしっかり磨かれた靴など、清潔なものを身に着けるということも大切です。
 
ウエディングシーンにふさわしい「平服」のドレスコードとマナーを知っておけば、恥をかくことなく素敵なお呼ばれスタイルで、大切な人の幸せを祝福する楽しい時間となるでしょう。
 

出展:セキララゼクシィ

 
【取材・文】
大嶋和美/リノ
 
【データ出典】
・ゼクシィユーザーアンケート
調査期間:2019/9/12〜2019/9/23
有効回答数:97人(女性)
 
【監修】
岩下宣子さん
「現代礼法研究所」主宰。全日本作法会の内田宗輝氏、小笠原流小笠原清信氏の下でマナーを学び、1985年に現代礼法研究所を設立。マナーデザイナーとして、企業、学校、商工会議所、公共団体などでマナーの指導、研修、講演と執筆活動を行う。主な著書に『きちんと知っておきたい大人の冠婚葬祭マナー新辞典』(朝日新聞出版)、『DVDで身に付く美しい振る舞いとマナーが分かる本』(エクスナレッジ)、『図解社会人の基本敬語・話し方大全』(講談社)などがある。
 
 

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  • 「略礼装」を「平服」という言葉にした奴はブっとばされろ。
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