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宿った命が産声を上げることなくお腹の中で亡くなってしまう流産。子どもを亡くすことほど、親にとって辛いことはないのかもしれません。その深い喪失感ゆえに、流産の経験を言葉にするまで時間がかかるものです。ようやく周囲に話せる状態になったところ、追い打ちをかけるような言葉を受け、更なる悲しみを抱え自分の感情を閉ざしてしまう。そんな経験をする女性もいるのです。
■周囲の励ましの言葉が凶器のように突き刺さる
流産の悲しみの最中にいる女性にとって、時として周囲の励ましが凶器に感じる時もあります。
「子どもがすでに一人いるからいいじゃない」 「はやく忘れた方がいいんじゃない?」 「お母さんがそんなに悲しむと、赤ちゃんは悲しむよ」
周りの人達は、その女性を励まそうと投げかけている言葉なのですが、かえって、その言葉が突き刺さることもあります。何人子どもがいようが、この子は唯一無二の存在。悲しみの深さは変わりありません。亡くした子も、出来ることなら抱きしめてあげたかった。愛おしいわが子を忘れることなど到底出来るはずがないのです。「忘れることは、この子を忘れること」と、子どもの存在を否定された様に感じる女性もいて、周囲に話すと傷つけられるのなら、もう語りたくない、と口を閉ざしてしまう方もいるのです。到底1人では抱えこめない悲しみを1人で抱え込む。その苦しみは壮絶なものです。
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■愛する人を喪って悲しむのは当然のこと
愛する人を喪って悲しむのは当然のことです。子どもとの思い出話をしながら涙を流す。そんな風に、ゆっくりとお別れをする時間も必要なのです。あなたが今、一番必要としているのは、安心して気持ちを吐露できる場所です。否定や助言、そして励ましではなく、あなたの言葉にじっと耳を傾けて、気持ちに寄り添ってもらえる場所です。この様な深い悲しみは、筆者の様な、心の取扱いのプロであるカウンセラーやコーチを利用することをお勧めします。あなたの涙も思いも、カウンセラーにお話しください。その悲しみに蓋をすることなく、悲しみの心を少しずつ抱きしめて温めていきましょう。あなたが愛する赤ちゃんの話を、丁寧に大切に聞いてもらうと心は救われていきますよ。
愛する子どもを亡くす。その悲しみは、そう簡単に癒せるものではないのかもしれません。でもいつかは、その悲しみよりも何倍もの温もりと愛情を持って赤ちゃんのことを思い出せる日がきっと来ます。貴女と貴女の赤ちゃんに、いっぱいの太陽が降りそそぎますように。
(写真:PIXTA、本文とは直接関係ありません)
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