スカパラ×桜井和寿、YOSHIKI×HYDE、SKY-HI×SALU……2019年個性溢れるアーティストコラボ作品を振り返る

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2019年12月31日 12:51  リアルサウンド

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写真東京スカパラダイスオーケストラ『リボン feat. 桜井和寿(Mr.Children)』(CDのみ)
東京スカパラダイスオーケストラ『リボン feat. 桜井和寿(Mr.Children)』(CDのみ)

 おすすめ新譜を毎週紹介する「本日、フラゲ日」。2019年の最後は、今年を象徴するコラボ作品をピックアップ。“スカパラ×桜井和寿(Mr.Children)”が実現した東京スカパラダイスオーケストラのシングル『リボン feat. 桜井和寿(Mr.Children)』、宮本浩次、トータス松本らが参加した椎名林檎のアルバム『三毒史』など、個性溢れるアーティスト同士の化学反応が楽しめる5作品をプレイバックします!


(関連:東京スカパラダイスオーケストラ「リボン feat. 桜井和寿(Mr.Children)」MV


 2019年の音楽シーンにおいて、強烈なインパクトを巻き起こし、大きな歓喜とともに迎え入れられたコラボレーションは、やはり東京スカパラダイスオーケストラと桜井和寿(Mr.Children)による「リボン feat. 桜井和寿(Mr.Children)」だろう。『ap bank fes 2018』で「美しく燃える森」をセッションしたことが起点となり、「スカパラ30周年のために何かさせて欲しい」という桜井の申し出によって実現したこの曲は、解放的なホーンセクション、しなやかなスカビート、高揚感たっぷりのメロディが一つになったアッパーチューン。「贈られたリボンをほどいて感謝したあとは、また誰かのためにリボンを結びたい」というテーマに貫かれた谷中敦(Baritone Sax)の歌詞、そして、前向きな意志に溢れた桜井のボーカルからは、音楽本来のパワーを存分に感じ取ることができた。


 仏教において克服すべきとされる煩悩をテーマに据えた椎名林檎の約5年ぶりのフルアルバム『三毒史』は、あらゆる社会のシステムが崩壊、再構築されている現在を捉えたコンセプトアルバムであると同時に、才能と個性を兼ね備えた男性アーティストを迎えたコラボ作品としての表情も持っている。濃密な色気を醸し出すジャズ歌謡「獣ゆく細道」(椎名林檎と宮本浩次)、インダストリアルとエモがぶつかり合う「駆け落ち者」(椎名林檎と櫻井敦司)、向井秀徳のキメ台詞に新たな生命が宿ったファンクロック「神様、仏様」(椎名林檎と向井秀徳)、オルタナ的なセンスが炸裂する「急がば回れ」(椎名林檎とヒイズミマサユ機)、ミュージカル的な華やかさが広がる「目抜き通り」(椎名林檎とトータス松本)。まるで猛獣使いのごとき、椎名林檎のプロデュースワークに改めて瞠目せよ。


 菅田将暉の2作目のオリジナルアルバム『LOVE』には、大ヒットを記録した「まちがいさがし」(作詞・作曲・プロデュース:米津玄師)、「ロングホープ・フィリア」(作詞・作曲:秋田ひろむ(amazarashi))をはじめ、あいみょんをフィーチャーした、ちょっと官能的なラブソング「キスだけでfeat.あいみょん」、映画『溺れるナイフ』で共演した志摩遼平のペンによる「りびんぐでっど」など、いまをときめくアーティストたちのコラボレーション楽曲が数多く収められている。事務所やレコード会社のお膳立てではなく、菅田自身のつながりや交流がもとになっていること、そして、才能溢れるミュージシャンのセンスを取り入れ、シンガーとしての資質をしっかりと覚醒させていることが大きなポイント。役者として培った“吸収する力”はアーティスト活動にも良い影響を与えているようだ。


 壮大なストリングス、激しさと美しさを色濃く反映したピアノ、心地よいロマンティシズムと爆発的なダイナミズムを共存させたボーカル。古典派のクラシックと現代的なヘビィロックが結びついたかのような「Red Swan」(YOSHIKI feat. HYDE)は、TVアニメ『進撃の巨人』Season 3のオープニングテーマとしてオンエアされると同時に凄まじい反響を集め、楽曲配信後はiTunesロックチャートで日本、タイ、シンガポール、インドネシア、アルゼンチンなど12カ国で1位を獲得。“日本を代表するロックスターの共演”の衝撃は世界に波及した。その後、HYDEはTHE ORAL CIGARETTESと対バンライブを行い、YOSHIKIは『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)でKISSとの共演が決定するなど、それぞれ別の場所でコラボレーションを展開している。


 SKY-HI×SALUの2ndアルバム『Say Hello to My Minions 2』は、APRO、 Chaki Zulu、GroovyRoom、SOURCEKEY、SUNNY BOYなど、日本と韓国を中心としたトラックメイカー、ラッパーをフィーチャーし、前作以上に“開かれ”“つながる”作品となった。トラップ、ベースミュージックの潮流の先を見据えたトラックメイク、独特な“訛り”を感じさせるフロウ、そして、分断と格差が広がる現代社会を照らし出すリリックなどの要素を注ぎ込みながら、コアなヒップホップリスナー以外の層にも届くポップネスを装備しているところが、このアルバムのすごさだろう。2019年の秋に予定されていたアジアツアーは残念ながら中止になってしまったが、2020年以降、ぜひリベンジしてほしい。アジアとつながることは今後、日本の音楽シーン全体にとってきわめて重要な意味を持つはずだ。(森朋之)


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