不倫相手の不誠実な甘言「妊娠したら責任とる」「妻とは離婚する」は真っ赤な嘘だった

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2020年01月05日 10:02  弁護士ドットコム

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「妊娠したら、妻とは離婚する」。不倫相手の言葉を信じたのに、裏切られたという妊娠中の女性から弁護士ドットコムに相談が寄せられています。


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相談者によると、相手男性との交際期間は1年。交際を始めてから同棲をはじめました。相談者は「避妊してほしい」と頼んでいましたが、「妊娠したら責任とる」「妻とは離婚して、きみと一緒になる」と、避妊しなかったそうです。



妊娠の事実を告げると、相手男性は「責任取れない。別れてほしい。家に戻りたい」と言うように。彼の妻からも慰謝料100万円を請求されているといいます。



相談者は慰謝料を支払わなければならないのでしょうか。また、中絶手術の費用を請求することはできるのでしょうか。福田慎也弁護士に聞きました。



●慰謝料は支払わなければならないのが「原則」

ーー相談者は慰謝料を支払わなければならないのでしょうか



「相手の言うことを信じて不倫に至ったとしても、妻に対して慰謝料を支払わなければならないのが原則です。相手男性に『妻とは離婚する』『妊娠したら責任をとる』と言われて不倫をしたことは、妻への有効な反論とはなりません。



しかし、交際期間中に同棲しているため、相手男性が妻と別居に至ったことで夫婦関係は破綻したとも言えます。そこで、不倫は夫婦関係の破綻後に始まったと主張することも考えられます。



その場合、相談者自身が既婚者と知った時期や、不倫相手の妻との交流状況、別居の時期や別居原因が問題になるでしょう」



ーー仮に相談者が慰謝料を支払った場合、相手男性に対して「求償権」を行使することはできますか



「慰謝料支払いに応じた場合、相手男性も妻に慰謝料を支払っている等の事情がない限り、原則として求償権を行使して、相手男性に負担を求めることができます。



求償できる範囲は、不倫交際についての男性の責任の割合の限度になります。通常は責任割合はイーブンですので、原則として支払った慰謝料の半分を求償できることになります。



しかし、今回のケースでは不倫の主導権が男性にあり、男性の方が責任割合が大きいとして、求償の割合を5割より広げる主張も考えられます」



●中絶費用について法律上の規定はないが…

ーー相談者は中絶手術を検討しているようです。相手男性に中絶費用を請求することはできますか



「法律上の明確な根拠はありませんが、中絶に際して男性は女性の不利益を軽減する法的義務があると考えられています。そのため、少なくとも中絶費用の半額は請求できると考えられます。



また、男性に不誠実な対応があれば、別途、慰謝料を請求する余地もあるでしょう」




【取材協力弁護士】
福田 慎也(ふくだ・しんや)弁護士
東京都北区赤羽において男女・離婚分野に注力して、浮気・離婚協議・子連れ別居・DV対応など、事件内容の難易度を問わず、広く同分野の問題解決に取り組んでいる。

事務所名:ブラスト法律事務所
事務所URL:http://blast-lawoffice.com/


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