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F1技術解説レビュー トロロッソ・ホンダ編:飛躍のカギとなったホンダPUの継続性とハース型の開発手法

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2020年01月08日 11:51  AUTOSPORT web

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写真2019年はコンストラクターズランキング6位に浮上したトロロッソ・ホンダ
2019年はコンストラクターズランキング6位に浮上したトロロッソ・ホンダ
 2019年シーズンのトロロッソSTR14はこの5年間で初めて、テクニカルディレクターだったジェームズ・キーが設計に携わらなかったマシンだ。彼らはその代わりにレッドブルとの開発協力をいっそう緊密化させたが、独自路線も決して捨てたわけではなかった。


・飛躍のカギは、ホンダとの関係継続?
 2019年シーズンのトロロッソはコンストラクターズ選手権において、前年の9位から6位に躍進。しかも5位ルノーとは、わずか5ポイント差しかなかった。さらに彼らが一度も上がれなかった表彰台をドイツ、ブラジルと、二度にわたって獲得している。

 成功のポイントは、ふたつあった。まずホンダ製パワーユニット(PU/エンジン)を2年連続して供給されたことだ。それまでトロロッソのパワーユニットは、2014年にフェラーリからルノーに替わって以来、2016年にフェラーリに戻し、翌17年に再びルノー、そして2018年にホンダと、ほとんど毎年搭載PUが変わっていた。そのため車体開発には、多大の妥協が払われていた。それが2019年シーズンのSTR14は、ホンダ製PU搭載を念頭に開発されており、そのメリットは当然ながら非常に大きかった。

・ハース型の開発手法

 そしてもうひとつが、レッドブルとの関係強化である。これもまた、レッドブルがトロロッソ同様にホンダと供給契約を結んだからこそ可能になったのだった。

 レッドブルとトロロッソの密接な協力関係は、フェラーリとハースのそれを彷彿とさせる。トロロッソはミルトンキーンズのレッドブルテクノロジーから、次のようなパーツの供給を受けている。2018年型ギヤボックス(内部機構+カーボン製ケーシング)、油圧システム、電気システム、サスペンション内部パーツ。さらにリヤアクスルはほぼレッドブルRB15のままだし、一部のパーツはRB14から移植されている。

・どの分野を独自開発したのか

 現在の技術部門を統括するのは、ジェームズ・キーの右腕だったジョディ・エディントンである。上記のパーツをレッドブルテクノロジーから供給されたとはいえ、彼のチームが独自開発した部分も多岐にわたっている。冷却系、パワーユニットの車体への完璧な組み込み、フロントサスペンション、そしてもちろん車体全体の空力設計である。

「リヤサスペンションは、マシン全体の空力に大きな影響を及ぼす。その意味では、その部分の設計を自由にやらせてもらえなかったことに、部下たちはひどくがっかりしていたよ」と、エディントンは言う。

「しかしその分、別分野に貴重な人材を投入できた。たとえば冷却効率はかなり攻めて、去年よりはるかに効率が良くなった。何よりうれしいのは、パフォーマンスと信頼性が高いレベルで両立できていることだ。STR14は2018型よりはるかに速く、壊れにくいマシンになっている。レース週末の周回数が増えたおかげで、開発のスピードが上がるという好循環に入ることができた」


・さらに頑丈になった雄牛
 実際、トロロッソの開発テンポは非常に速く、バージボードひとつ取ってもシーズン中に3回のアップデートを果たした。これはマクラーレンと同じペースである。さらにホンダ製PUも、素晴らしい信頼性を発揮した。レース中に壊れたことは一度もなく、シーズン全体で88%という非常に高い完走率を達成したのである。

・独創性では負けない小チーム

 かつてレッドブルの風洞が置かれていた英国ビスターにあるトロロッソの空力部門はここ数年、素晴らしい独創性を発揮し続けている。

 たとえばSTR14が開幕戦で披露したフロントウイング翼端板外側下部のボード状のパーツは、スペインでフェラーリとマクラーレン、さらにドイツでメルセデスが追随した。

 それ以前にも内部を三分割したエアインテークやリヤウイング翼端板の切り欠き、フロントサスの取り付け位置を高める独特の工夫など、トロロッソが先鞭をつけたアイデアは数多い。


 以下の表は、各マシンの全21戦平均の速さを示したものである。トロロッソは各GPにおける最速マシンから平均して2.15%、1周80秒に換算すると1秒61遅く、全10チーム中7位の成績にとどまっている(にもかかわらず実際には、選手権6位を獲得した)。

各チームのマシン最速マシンからの平均速度差1周(80秒換算)辺りの差1メルセデスW10+0.17%+0.13秒2フェラーリSF90+0.33%+0.25秒3レッドブル・ホンダRB15+0.65%+0.49秒4マクラーレンMCL34+1.66%+1.24秒5ルノーRS19+1.91%+1.43秒6ハースVF-19+2.13%+1.59秒7トロロッソ・ホンダSTR14+2.15%+1.61秒8アルファロメオC38+2.21%+1.66秒9レーシングポイントRP19+2.38%+1.78秒10ウイリアムズFW42+4.3%+3.22秒

・トロロッソ・ホンダ:シーズン中の主なアップデート一覧
1)バーレーン=バージボード
2)モナコ=リヤウイング
3)カナダ=リヤビューミラー、バージボード
4)ドイツ=バージボード、フロア
5)ハンガリー=Tウイング
6)イタリア=モンツァ専用フロントウイング
7)メキシコ=フロントウイング、エンジンカウル

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