深夜ドラマがプライム帯ドラマを超える? 80年代からの傾向と新風の予感

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2020年01月09日 06:01  リアルサウンド

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写真(c)「コタキ兄弟と四苦八苦」製作委員会
(c)「コタキ兄弟と四苦八苦」製作委員会

 2020年となり、早くも冬クールのドラマがはじまろうとしているが、注目すべきは深夜ドラマの豊富さだろう。


 「深夜ドラマの顔」と言えるテレビ東京では、視聴者参加型の実験ドラマ『100文字アイデアをドラマにした!』、中島裕翔×間宮祥太朗主演の異能力バトル『僕はどこから』、内田理央主演の赤裸々ラブエロコメディー『来世ではちゃんとします』、福原遥主演のゆるゆる系ガールズキャンプドラマ『ゆるキャン△』、古舘寛治×滝藤賢一主演の人間賛歌コメディー『コタキ兄弟と四苦八苦』、濱津隆之主演のグルメドラマ『絶メシロード』の6作が放送。


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 他局でも、日向坂46主演、秋元康企画の学園ドラマ『DASADA』(日本テレビ系)、NHKのよるドラ枠で、前田敦子主演の異世界を舞台にした子育てRPG物語『伝説のお母さん』などが放送され、地方局制作ドラマや、BSやNetflix等で放送されたものが深夜ドラマ枠で放送されるケースも含めると、優に20本を超えるのではないかと思う。


 この本数はプライムタイムで放送されている連続ドラマとほぼ同じ数だが、いずれ深夜ドラマの本数の方が上回ることは確実だろう。


■深夜ドラマ枠はクリエイター発掘の場


 元々、深夜ドラマは若い脚本家やディレクターが、プライムタイムでは作れない先鋭的な作品を作る実験の場だった。中でも一番積極的だったのが、80年代後半から90年代前半にかけてのフジテレビで、そこから三谷幸喜、本広克行、岩井俊二といった後に映画やドラマで活躍するクリエイターが巣立っていった。


 それが00年代に入り金曜ナイトドラマで『トリック』(テレビ朝日系)がヒットしたあたりから状況が変わっていき、深夜ドラマだけの独立した文化圏が成立するようになっていく。


 作り手の顔ぶれも独創的だった。深夜ドラマではテレビ局員ではない外部の映像制作会社のディレクターや映画監督が監督を務めることが多く、小規模だが作家性の強いドラマが多数作られるようになっていった。その筆頭が“深夜ドラマ番長”と呼ばれた大根仁監督だ。2010年に大根が全話の脚本・演出を担当した『モテキ』(テレビ東京系)は、作家性の強い深夜ドラマの一つの到達点であり、それ以降、山下敦弘、白石和彌、園子温、入江悠といった力のある映画監督が深夜ドラマを手掛ける機会が増えていった。


■YouTube配信動画に近い“ぼっちドラマ”の潮流


 もう一つの大きな流れは、2012年に作られた『孤独のグルメ』(テレビ東京系)からはじまったグルメドラマの勃興だろう。


 個人で輸入雑貨商を営む井之頭五郎(松重豊)が仕事の合間に立ち寄った飲食店で食事する姿を淡々と描いた本作は、じわじわと話題となり、定期的に新作が作られるようになった。


 本作の影響で主人公が料理を食べながら、モノローグで実況するグルメドラマは多数作られたが、近年ではサウナを題材にした『サ道』や、キャンプを題材にした『ひとりキャンプで食って寝る』(ともにテレビ東京系)といった、グルメドラマの手法を使った新ジャンルのドラマが続々と生まれている。


 これらは、趣味の快楽を一人で追求する自己完結型の物語で“ぼっちドラマ”とでも言うような物語となっている。本来ドラマとは“人と人の関わり”を描くものだが、登場人物が一人でほとんど他人と交流しない作品が増えつつあるのは面白い現象である。


 もちろん、背景にあるのは低予算ゆえの小規模化だが、一方で出演俳優は一点豪華主義となっており、プライムタイムのドラマで主演を務めていた俳優が深夜ドラマに出演することも、今では当たり前のことになっている。おそらく“ぼっちドラマ”は、バラエティ的な方向性で進化したもので、むしろYouTubeで個人が配信する動画に近づいていると言える。


■ドラマだけで完結しない大規模群像劇も


 一方、AKB48が総出演した『マジすか学園』(テレビ東京系)やEXILE TRIBEによる総合エンタテインメントプロジェクト『HiGH&LOW』(日本テレビ系)シリーズのような大規模群像劇もある。


 これらの作品は、アイドルやダンスユニットといった若手集団をまとめて売り出すための顔見世興行的な側面が強く“ぼっち”ドラマに対する“束(たば)”ドラマといった感じだ。


 基本的に若手俳優を売り出すためのキャラクターグッズ的作品だが、そこさえ押さえておけば、あとは何をやってもいいという自由な作りだからこそ『HiGH&LOW』のようなぶっ飛んだ作品も生まれる。ドラマだけで完結せずに、映画やライブといった他メディアとも接続されているのも、大きな特徴だろう。


 小規模ゆえの自由度を武器に、独自の進化と多様化が進んできた深夜ドラマ。しかし今後、Netflixで配信される“より作家性が強く予算が豊富な”ドラマや、もっと自由で機動力のあるYouTube等の個人動画が勢いを増していく中で、どのようにして独自性を保つのか? 


 その意味でも、今期一番の注目作は山下敦弘監督、野木亜紀子脚本の深夜ドラマ『コタキ兄弟と四苦八苦』だろう。民放のプライムタイムで連ドラを書いてきた野木が深夜ドラマを手掛けることでどのような新風を吹き込むのか、今から楽しみである。


(成馬零一)


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  • 『絶メシロード』面白かった。平凡なサラリーマンが金曜の夜から1泊2日、お小遣いの範囲内で一人で絶滅しそうな飯を求めて彷徨う番組です。お勧めです
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  • 中部地区で正月限定で放送してたマンガ飯っていうドラマはおもしろかった���å��å�
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