撮影遅延は策略だった!? 『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』キャスティング秘話

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2020年01月09日 16:12  リアルサウンド

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『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』メイキング (c)2017 Tornasol Films, Carisco Producciones AIE, Kinology, Entre Chien et Loup, Ukbar Filmes, El Hombre Que Mato a Don Quijote A.I.E., Tornasol SLU

 1月24日よりTOHOシネマズ シャンテほかにて全国公開される『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』。メガホンを取ったテリー・ギリアム監督のコメントと、新場面写真、メイキング写真が公開された。


参考:アダム・ドライバーが歌い踊る 『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』本編映像公開


 第71回カンヌ国際映画祭のクロージングを飾った本作は、ギリアム監督が構想30年を掛け、9回も企画が頓挫し、映画史上最も呪われた企画と謳われた問題作。スランプに陥ったCM監督トビーが、10年前に撮影した映画『ドン・キホーテを殺した男』でドン・ キホーテ役に抜擢した老人ハビエルと再会したことで、奇怪な旅路に巻き込まれていく。


 資金繰りや天災により撮影が中止となってしまう呪われた企画の本作は、キャスティングも難航。ドン・キホーテと信じ込む老人ハビエルは、ジャン・ロシュフォールが演じる予定だったが、腰痛を発症し降板。その後、ジェラール・ドパルデュー、『ゴッドファーザー』シリーズのロバート・デュバルらの名前が上がり、『エレファント・マン』や『ハリー・ ポッター』シリーズのジョン・ハートに一度は決まるが、クランクイン直前にすい臓がんと診断され撮影が中止。ことごとくキャスティングが変更になったハビエル役を最後に手にしたのは、『2人のローマ教皇』で第77回ゴールデングローブ賞主演男優賞にノミネー トされたジョナサン・プライス。ギリアム監督とは、『未来世紀ブラジル』『バロン』『ブラザーズ・グリム』に続き4度目のタッグとなる。


 企画が幾度と頓挫する逆風をものともせず、ギリアム監督は「最初に頓挫した時から、この役をジョナサンが演じるのをずっと待っていた。でも当時、彼はあまりにも若すぎたし、あまりにも忙しすぎた。そんな彼も70歳に近づき、ついに演じる時がやってきた!」とコメント。


 さらに「リア王からハムレット、そしてシャイロックまで、彼が演じてきたシェイクスピア劇のキャラクターたちすべてが、このドン・キホーテの中に見え隠れする。ジョナサンの素晴らしいところは、偉大なコメディアンだということだ。彼がセットでこれほど楽しそうにしている姿は見たことがない」と絶賛する。


 プライスは「私がキホーテを演じられるになるまで、この映画の撮影を遅らせたのはテリ ーの策略だ!」と冗談まじりに語り、長年の仲を伺わせる。公開されたメイキング写真では、そんなギリアム監督とプライスの姿が切り取られている。(リアルサウンド編集部)


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