『トップナイフ』天海祐希と対峙する3人のクセモノたち 『女王の教室』から進化を遂げた“女帝”

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2020年01月12日 12:51  リアルサウンド

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『トップナイフ ー天才脳外科医の条件ー』(c)日本テレビ

 新土曜ドラマ『トップナイフ ー天才脳外科医の条件ー』(日本テレビ系)の放送がはじまった。


 本作は、主演の天海祐希を機軸に、演出には『女王の教室』、『演歌の女王』(いずれも日本テレビ系)の大塚恭司、脚本には『離婚弁護士』、『BOSS』(いずれもフジテレビ系)の林宏司が名を連ねるなど、「再タッグ組」が集結したドラマだ。ことに林宏司は、『医龍』や『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(いずれもフジテレビ系)など、日本の医療ドラマを牽引してきた脚本家。その彼が紡ぎ出すオリジナルストーリーのもと、「孤高の天才」である脳神経外科医たちの群像劇が展開されていく。


参考:『全裸監督』森田望智はナース役に


 天海祐希が演じるのは“女帝”と呼ばれる天才脳神経外科医・深山瑤子。そのおぞましい異名から、それこそ演出家が同一である『女王の教室』(阿久津真矢)を想起させる冷徹なキャラクターが浮かび上がってくるかと思いきや、実際は強い女性ぶりを発揮しながらも「患者のことを考えすぎる」というとても人間的な役回り。相手に厳しく接しながら決して人間関係を蔑ろにしないところに、天海祐希という女優の持つ“姉御肌”な雰囲気がうまく混ざり合っている、そんな役どころだ。


 初回放送では、深山が新たに赴任してきた3人の“クセモノ脳神経外科医たち”と対面する場面が描かれた。


 3人のクセモノ脳神経外科医ーー。黒岩健吾(椎名桔平)は“トップナイフ”の名を我がものにする世界的名医だが、一方で自分のことしか考えておらず、女癖の悪さに難あり。外科とカテーテルの二刀流で三度の飯よりオペが好きな西郡琢磨(永山絢斗)は、上司である深山に対してもタメ口をきく、怖いもの知らずな変わりもの。そして新人研修医の小机幸子(広瀬アリス)は、医学部を主席で卒業した実力を糧に自信を漲らせるが、実は実践の場では役立たずで壁にぶつかる……という役回り。確かに三者三様のクセモノぶりで、そのキャラクターの背後にある物語が深山によってどう炙り出されていくのかに注目が集まる。


 第1話の、あるいは本作全体の重要な主題として浮かび上がってきたのが「変化」というテーマだろう。東都総合病院の脳神経外科に「変化」を招くために今出川部長(三浦友和)は3人の医者を迎え入れ、「あの3人は君にも必要なんだよ」と深山に対して意味深な言葉を漏らす。サブストーリーとして展開した脳腫瘍患者の男性と家族の物語のなかにも、脳の一部に「変化」が生じることで性格が一変してしまう可能性について語られていた。


 脳神経外科や深山にしても、人間の脳にしても、なぜ変化が必要で、どう進化するのか。そのあたりの謎の解明とともに、今後のストーリーでは患者だけでなく脳神経外科医たちの人間ドラマが繰り広げられていくことを期待したい。彼ら主要キャラの脇を固める俳優陣のなかでは『全裸監督』(Netflix)で黒木香役を鮮烈に演じた森田望智がここでも特別な存在感を放っていて、その「若きスーパーナース」という役どころがどのように物語に絡んでくるのか、大いに期待したいところだ。ちなみに、『女王の教室』と同じく本作のエンディングでも天海祐希の華麗なダンスが披露されており、作品にさらなる彩りと豊かさを与えているので最後まで必見。 (文=原航平)


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