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「孤独ってこういうことかな」 芳根京子、笑顔の裏に秘めた不安と苦しみ明かす 映画「記憶屋 あなたを忘れない」での葛藤

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2020年01月17日 12:17  ねとらぼ

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写真過去に記憶の一部を消されてしまった真希を演じる芳根さん
過去に記憶の一部を消されてしまった真希を演じる芳根さん

 人の記憶を消せる“記憶屋”っていう人がいるらしい――都市伝説として語り継がれるその存在を巡り、さまざまな人の“記憶”にまつわる思いが描かれる映画「記憶屋 あなたを忘れない」が、1月17日から公開されています。



【画像】芳根さんが演じたいつも笑顔の真希



 織守きょうやさんの小説を原作に、映画「ツナグ」やドラマ「JIN-仁-」などで知られる平川雄一朗さんが監督を務める同作。大切な人の記憶から自身の存在が消されてしまった主人公・吉森遼一を演じるのはHey! Say! JUMPの山田涼介さんで、過去、記憶の一部を記憶屋に消されてしまった遼一の幼なじみ・河合真希を芳根京子さんが演じます。



 過去の出来事を経て、ある苦しみを抱えて生きる真希に寄り添いながら演じたという芳根さん。ねとらぼエンタに、不安な日々が続いたという撮影を振り返りながら、映画「記憶屋 あなたを忘れない」への思いを語ってくれました。



●「不安」との戦いだった撮影



―― 主演の山田さんは、脚本を読んだときに内容を一度読んだだけでは理解できず、何度も読み込んで監督と話し合いながら作風を変えていったと話していました。芳根さんは脚本を読んでどのような感想を持ちましたか?



芳根京子(以下、芳根) どうだったかな……。どんな役でも、その役が抱えている思いや感情は、たぶん本人にしか分からないですよね。役へのアプローチが分からないときに、私が信じるべきものは脚本と原作だと思うので、本読み前にたくさん読み込んで向かい合いました。それでも、撮影に入ってからの方がいろいろ悩むことが多かったです。



―― 具体的にどのようなことで悩まれたのですか?



芳根 当初、私の中の“真希”は、もう少しおしとやかな女の子というイメージでした。でも、撮影に入ってから監督が「もっとテンション上げて、明るくていいよ!」と言ってくださったのですが、私は「え? もっと?」というのを毎日探り探りでした。



 でも、ある日突然「あ! それ! それいい!」と監督が思う真希に一致した瞬間がありました。何がきっかけだったかは分かりませんが、その日を境に“高さをそろえる作業”から、それを“膨らませていく作業”に変わった気がしています。



―― 真希の天真らんまんな笑顔の裏にそんな苦労が……。



芳根 テンションを上げすぎて、大げさに見えないようにとか、女性にも共感してもらえるようにとか、そういうことばかり考えて守ってしまっていた部分は反省ですが、客観的に、「大丈夫」と言ってもらえているなら絶対大丈夫! ……というのを割り切るのにも時間がかかってしまって。



 あとは、幼少期に記憶の一部を失った真希を演じた撮影中は、私も苦しくて、孤独ってこういうことかなと思うような瞬間があったので、皆さんにも真希の抱えていた思いに共感していただけるとうれしいです。



 最初のころは不安と戦っていて、試行錯誤の日々でしたが、いろいろなアプローチ方法を挑戦させていただいたので今思い返すと、とても楽しかったですね。



●山田涼介に救われた一言



―― 山田さんとは初共演ですね。どんな印象をお持ちですか?



芳根 顔合わせの時に山田さんが先に到着されてて、私が後から向かったときに、廊下がすごくいい香りだったんです。分からないですけど、多分、山田さん(笑)。なので、いい香りのする方というイメージです(笑)。



――幼なじみの役を演じるにあたって意識したことはありましたか?



芳根 私は自分からあまりアプローチできないタイプなのですが、山田さんとお会いして2日目に「タメ口でいいよ」とおっしゃってくださったことがありました。私は「無理です」とお断りしたのですが、「その方が、遼ちゃんと真希としていい関係性になると思うから」とリードしてくださって。すごくホッとしたというか、あの一言で距離が縮まった気がして、とても感謝しています。



―― 大学生役というのも恐らく初ですよね。キャンパスライフへの憧れはありましたか?



芳根 確かに大学生役は初めてかも。キャンパスライフへの憧れは、めちゃくちゃあります(笑)! 衣装合わせで、「今どきの大学生って何を着ているんだ?」という話になったときに、分からなくてすごくショックでした。



 私がいる環境って、同世代の友達とも少し違いましたし、大学にも行ったことがないので、憧れはありますが、私は私の人生を歩めているし、結局のところ、ないものねだりですよね。自分で選んだ人生なので、後悔はないです。



●記憶屋はすごく“人間らしい”と思った



―― 遼一は、記憶屋によって恋人・澤田杏子の記憶から存在が消されてしまいます。芳根さんは、もし自分の大切な人が自分のことだけを忘れてしまったら、その記憶を思い出させるために奔走しますか? それとも相手の幸せを願って身を引きますか?



芳根 理想は、後者です。でも、現実にもし起こったら、そういう風にはまず考えられないだろうなと。やっぱり、すごく苦しくてつらいことなので「こうしたら思い出すかもしれない」ってきっといろいろな方法を試してしまうんじゃないかな……。



 でも、どこかで踏ん切りをつけなければいけないタイミングが来たときは諦めるのかな……と思いますが、すごく時間がかかるでしょうね。



―― 記憶屋が“唯一”自分の意思で消してしまった記憶がありました。その行動が罪なのかどうなのかは観客の受け止め方次第ではあると思いますが、芳根さんはどう受け止めましたか?



芳根 絶対にやっちゃいけないこと……ってすごく思いますが、記憶屋は、“人の記憶を消す”能力を全部人のために使って、その分、自分で抱えているものもすごく多い。そんな中で、自分のために力を使ってしまったのは、すごく人間らしいな、と思います。



 逆に私は、全部誰かのために力を使い続ける、というのは心配になりますね(笑)。それはすごくきれいなことだとは思いますが、自分のために力を使ったことを反省し、最後にある選択をした記憶屋は、人間らしくてかっこよくて、強い。もし、同じように思っていただける人がたくさんいたら、記憶屋も救われると思います。



―― 芳根さんは消してほしい記憶がありますか?



芳根 真希は記憶を消した方がいいときもある、遼ちゃんは消さないでいた方がいい、という考えですが、私はどちらの意見も共感できます。もちろん、消した方がいい記憶があるのも分かるし、それで救われている人がいることも分かる。けれど私は、その消したい記憶を消すのではなくて、いい記憶に塗り替えられたらいいなと思います。失敗したら、次同じ失敗をしないようにしようとか。



 多分、派手にやらかしたことがないからこういうことが言えるのかもしれませんが、私は記憶を消すというのはあまり前向きでない、という考えです。私の覚えている全部が大事。過去があるから今があるし、今があるから未来があると思います。



 もしかしたら3年後とかに、「この記憶本当に消してほしいです!」とか言っている可能性もあるかもしれないけど(笑)。今のところは、消したい記憶はないですね。



―― 逆に、消してほしくない記憶はありますか?



芳根 かねて「京子が出ている朝ドラが見たい」と言ってくれていた母方の祖母が2014年に亡くなったとき、葬儀の翌日にNHK連続テレビ小説「花子とアン」の宮本富士子役が決まったことは私の中で大きな出来事で、今でも覚えていますし、忘れてはいけないことだなと思います。



 2015年に祖父が亡くなった時も、その3日前に急きょ北海道へお見舞いに行っていたんです。そのとき病室で横になる祖父が「お前はやるべきことがあるし、行くべき場所があるから、ちゃんと東京に戻って自分のやるべきことを全うしてこい」とエールを送ってくれました。いつも私は家族からのパワーをすごくもらっているんです。



 今一緒に住んでいる父方の祖母も、「あなたが頑張っていることが私の生きがい。それがうれしい」と言ってくれていて、家族のために何かをやれている自分や、そのときに喜んでくれた家族の顔は、すごく励みになります。それがパワーの源だからこそ、忘れられないし、忘れてはいけないと思います。それがなくなったら、逆に何で頑張ればいいのか分からなくなってしまう。



 忘れてはいけないと自分で言っているのは、自分のためでもあります。自分が何のためにここにいるかを失わないでいられるのは、家族のおかげなんです。



―― すてきな記憶ですね。最後に、これから映画を見る人へ向け、メッセージをお願いします。



芳根 ちょうど1年前が撮影だったので、やっと見てもらえると思うとうれしいです。私はとにかく真希を大切に、丁寧に演じさせていただきました。なので、真希の苦しみや強さを分かち合って、大切に思ってくれる人が1人でもいてくれたら、真希はすごく救われるなと思います。



 2回目見たときには、また違う感覚で楽しめる作品だと思いますので、大きなスクリーンでたくさん見てもらいたいです。


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