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浜崎あゆみの『M 愛すべき人がいて』(小松成美/幻冬舎)出版以降、やたらその名前が表に出るようになったMAX松浦こと松浦勝人・エイベックス会長。最近も、3年前に離婚していたことや、ツイッターで小室哲哉のことを〈あの人を助けるためにお金を貸したけど、その人は返す気もないという。意味がわからん〉〈KEIKOをほっておいて〉などと批判したことが一斉にニュースになった。
「松浦会長はこれまで、あまり自分から表に出ようというタイプではなかったが、最近、急に自己顕示欲を強く押し出し始めた感じがするね。あゆと松浦会長の恋愛を題材にした『M 愛すべき人がいて』にしても、もともと松浦会長の仕掛けで、プロモーションに全面協力していたことは有名だし、最近、ニュースになった3年前の離婚も自分でリークしたんじゃないかと言われている。ツイッターでもやたら自分アピールが多くなったしね。盟友の幻冬舎・見城(徹)社長も編集者や事業の成功だけでは飽き足らなくなって、本を書いたり、安倍首相のご意見番になったりしたうえ、ツイッターに夢中になって自爆したが、松浦会長も同じ病にかかっているんじゃないか」(芸能ジャーナリスト)
そんな松浦会長だが、ここにきて露骨すぎる政治的発言までおこなっていることが明らかになった。昨年末の2019年12月30日、こんな内容のツイートを投稿したのだ。
〈みんな、面白いね
それぞれ個性はあるけれど。
その個性を何かに生かせる国家になって欲しいなとただただ思うよ。まじに。安倍さんでなくて菅さんお願いします。〉
「安倍さんでなくて菅さん」──。これは明らかに「安倍首相の続投ではなく菅義偉官房長官に次期総理大臣に就いてほしい」というストレートすぎる菅待望論の表明だろう。
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たしかに、菅官房長官は安倍首相に負けず劣らず芸能界やメディア業界に太いパイプを築き上げてきた。東映の岡田裕介会長やハロプロを仕切るアップフロントグループの山崎直樹会長など芸能界の重鎮とも交友があり、『ひるおび!』(TBS)のMC・恵俊彰はじめワイドショーのコメンテーターたちとも定期的に会食している。
エイベックス松浦会長はそのなかでも菅官房長官と昵懇で、芸能界随一の応援団と言われていた。2018年の沖縄県知事選で菅官房長官は、安室奈美恵が翁長雄志知事に追悼コメントを表したことに危機感を抱きさらなる発言をしないよう口封じすべくアプローチしたことがあったが、その際にも松浦会長を動かそうとしていたことが報じられた。
〈彼女の動向にピリピリしているのが、菅義偉官房長官だ。(中略)安室に関しては、「(契約先の)エイベックスの松浦(勝人会長)とは知り合いだから」と嘯いてる。「菅氏は、安室のライブやツアーを一手に担う音楽プロモーターとも面識があります。菅氏は一時期、安室が県知事選で動かないように彼らに頼むべきか悩んでいました。結局、『安室はどうせ芸能界に復帰する。政治に関わることはないだろう』と判断して連絡するのは止めたようです」(菅氏周辺)〉(「週刊文春」2018年9月20日号/文藝春秋)
また、2018年12月には東麻布の「富麗華」で菅官房長官と会食をおこなっていたことが見城社長のSNS投稿で明らかになったし、昨年11月21日にも幻冬舎の見城徹社長や秋元康氏といったメンバーで“麻布の高級中華で菅氏を囲んだ”と「週刊文春」が報道した。
「菅官房長官といえば、山口敬之の事件で配下の警察官僚を動かして逮捕を止めただけでなく、山口の再就職先を世話したことなども報じられたが、とにかく面倒見がいい。芸能界やメディア関係者のトラブルの相談に乗って、警察や検察を動かして処理するということもやっているようだ。そうやって恩を売り、応援団をつくってきたのだろう」(政治評論家)
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●エイベックス松浦会長はゴリゴリのカジノ推進派でIRビジネス参入狙いか
しかし、菅官房長官といえば、最近、側近議員の相次ぐスキャンダルで急速に発言力が低下。総裁選レースから脱落寸前と評されている。しかも、ポスト安倍狙いの露骨な動きをしたことで、安倍首相との間に隙間風が吹いているとも言われている。実際、安倍首相が昨年12月29日放送の『NIKKEI 日曜サロンSP』(BSテレ東)で「ポスト安倍」の具体名に言及したときも、岸田文雄・自民政調会長、茂木敏充外相については大絶賛だったのに、菅官房長官の名前は3番目で、「日米の様々な懸案について交渉した経験がある」とあまりにもそっけない評価だった。
そんななかで、菅応援団として有名な音楽業界のドンが「安倍さんでなくて菅さん」などと露骨すぎるツイートしたのだ。これはどういうことなのか。
たんに松浦会長が政治状況や空気を読めないバカだということなのか、それとも菅官房長官に逆風が吹き始めたとき、恵がMCを務める『ひるおび!』で露骨すぎるヨイショ特集を放送したが、あのときにささやかれたように「菅官房長官に応援を頼まれた」のか。しかし、菅官房長官に頼まれたとしても「安倍さんでなくて菅さん」とまでいうのは、明らかに逆効果だろう。
実は、松浦会長が今回、菅待望論を語った裏には、IR利権狙いがあるのではないかとささやかれている。というのも、松浦会長は、カジノ推進派として知られているからだ。
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2016年には、日本のライヴエンタテインメントにIRは不可欠だとして、「国がなんらかの支援をするとか、IRに乗っかる以外は、難しい」「(IRのなかで)毎日アーティストがレベルの高いショーをするのは有望だと思うんです」(「東洋経済オンライン」2016年8月26日付)と発言したこともあるし、IRの調査・研究をおこなう「ロケーション・エンタテインメント学会」副会長は、エイベックスのグループ会社の代表を務めていた人物だ。
また、エイベックスはラスベガス・サンズが展開するシンガポールのIRであるマリーナベイ・サンズの麓で2018年からカウントダウンイベントを開催。このイベントは〈日本IRコンテンツの好例〉と評されている(「カジノIRジャパン」2019年1月4日付)。周知のようにラスベガス・サンズは日本でも横浜か大阪のカジノ運営に参入する可能性が高く、松浦会長はIRに乗じたエンタテインメントビジネス独占を狙っていると言われていたのだ。
「ただ、ここにきてIR汚職などで、日本のカジノ計画には暗雲が立ち込め始めたため、松浦会長も焦っているんだろう。それで、カジノ利権を握る菅官房長官への待望論を露骨に口にしてしまったんじゃないか」(芸能関係者)
「安倍さんでなくて菅さん」という松浦会長の願望は果たして実現するのか。もっとも、芸能人やメディアを取り込み、利権をちらつかせて求心力を高めるやり口は、安倍首相も菅官房長官も同じ。どちらにしても、一部の取り巻きだけが利益を貪り、多くの国民がどんどん不幸になることには確実だろう。
(編集部)
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