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箱根駅伝プロジェクトも…「慶應三田会」強さの秘密

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2020年01月18日 11:30  AERA dot.

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写真慶應大学の三田キャンパス (撮影/多田敏男)
慶應大学の三田キャンパス (撮影/多田敏男)
 慶應義塾大の同窓会「慶應三田会」。他大にはないネットワークの広さと結び付きの強さはよく知られているが、その全貌はあまり知られていない。三田会はどのように機能し、なぜOB・OGにとって魅力的なのだろうか。

【大学の主な同窓会はこちら】

 大学の同窓会で最強と言われる慶應義塾大の「三田会」について見てみよう。卒業年次や企業・職種、地域ごとに組織がありネットワークは広い。“鉄の結束”で母校の活動を支援するなど、慶應ブランドの躍進を支えてきた。

「『オリジナル4』の一角として、後輩が走る姿を見たかった」

 今年も熱戦が繰り広げられた新春恒例の東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)。100周年で盛り上がったが、慶應大競走部(陸上部)OBの40代男性は寂しそうだった。第1回大会に出た4校のうち早稲田、明治、筑波(旧東京高等師範学校)のランナーは今年も走ったが、慶應大だけ姿がなかった。

 1994年以来出場は途絶えており、競走部は2017年から「箱根駅伝プロジェクト」に取り組む。5年以内に本戦に出場し、10年以内に優勝する目標だ。プロジェクトに携わる男性OBはこう力を込める。

「短期間では無理と言うOBもいますが、22年の本戦出場を狙っています」

 プロジェクトを推進するのが競走部OB・OGからなる「慶應陸上競技倶楽部」だ。人材や資金集めに手弁当で取り組む。

「慶應の強みはネットワーク。協力呼び掛けに競走部とゆかりがない80代OBが、数千万円の寄付を申し出てくれたこともありました。練習拠点の拡充も進んでいます」(男性OB)

 慶應陸上競技倶楽部のような個別の三田会はいろいろある。変わったところでは、慶應出身の教職員ら約20人による「早稲田三田会」も。それらを束ねているのが「慶應連合三田会」。大下亨治事務局長によると、国内外に880前後の三田会があるという。

「活動内容や運営方法はそれぞれに任されています。最近活発なのは不動産業界やベンチャー企業などの職種別の会。情報交換が仕事に直接つながる面があります。地域ごとの会は、退職後に余裕ができたシニアの会員が多いようです」

 シニアが中心となる地域ごとの会は盛況だ。千葉県浦安市のホテルで19年12月にあった「千葉県合同三田会」のパーティーには、県内16の地域会の約200人が集まった。参加者は60〜70代が目立ち、思い出話に花を咲かせた。締めはもちろん全員で肩を組んで歌う応援歌「若き血」だ。実行委員の男性はすぐに打ち解けられるのが三田会のいいところだという。

「会社を辞めると同僚との関係が途切れてしまいがちですが、三田会のつながりは一生続く。これからも大事にしていきたいですね」

 シニアだからこその楽しみ方もある。囲碁や釣りなどの分科会やボランティア活動も盛ん。千葉県合同三田会のパーティーに参加した70代男性は、地元の浦安三田会が生きがいだ。

「先輩風を吹かす人はおらずみんな仲がいい。私はゴルフ分科会に参加していて、コースを回った後の飲み会が楽しみです」

『慶應三田会 組織とその全貌』の著者で宗教学者の島田裕巳さんはこう言う。

「現役生からOB・OGまで流れる慶應の気風が、三田会の結び付きの強さを支えています。見返りを求めずに助ける振る舞いが身についています。互いに協力したほうが、自分自身や仲間全体の利益になることがわかっているからです」

(本誌・池田正史、吉崎洋夫、浅井秀樹、多田敏男)

※週刊朝日  2020年1月24日号より抜粋

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