実は丸くて明るい? ブラックホールの謎とそのすごさ

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2020年01月19日 22:02  新刊JP

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『国立天文台教授が教える ブラックホールってすごいやつ』(扶桑社刊)
ブラックホールという天体に興味をそそられている人は多いだろう。
「宇宙一不思議な天体」と呼ばれ、謎に包まれているところが多いブラックホールだが、2019年4月、史上初めて撮影が成功したことは、大きな話題となった。

この世界で初めてブラックホールの撮影に成功したプロジェクトの日本チームリーダーとして参加したのが、国立天文台教授の本間希樹氏だ。
そんな本間氏による『国立天文台教授が教える ブラックホールってすごいやつ』(扶桑社刊)は、ブラックホールをはじめ、宇宙の謎がわかりやすく解説されている一冊である。

■ブラックホールは「穴」ではなく、丸い形をした天体

ブラックホールを「穴」だと思っている人は多いかもしれないが、実は穴ではない。ブラックホールは、丸い形をした天体なのだという。

このブラックホールがなんでも吸い込んでしまうのは重力が強いからだが、あまりにも強すぎるため、どんな物体でも引っ張り込まれてしまう。その重力の強さは、秒速30万キロメートルで、宇宙一速い存在の光ですら吸い込まれる。そして、一度ブラックホールの中に入ってしまうと出てくることはできない。

中心からある一定の距離のところを通過すると二度と戻ることができず、その境目は「事象の地平線」と呼ばれている。

では、吸い込まれたらどうなってしまうのか? そんな疑問にも本間氏は答えてくれる。
今の科学では「ブラックホールの中に吸い込まれたものは、最終的には中心の一点に凝縮されてしまう」と考えられている。この中心の一点のことは「特異点」と呼ばれ、「密度は無限大・大きさは無限小」という特殊な場所となっている。

■実はブラックホールは「明るい」。一体なぜ?

また、ブラックホールはその名前からも真っ暗な闇と思っている人も多いかもしれないが、実は明るい天体なのだそう。
その明るさは、最大で太陽の1兆倍以上というからすごい。

では、その明るさは何によってもたらされているのか?
本間氏によれば、それはブラックホールの強い重力に引き寄せられた宇宙のチリやガス。これらがブラックホールの周りを回転しながら、明るく輝く「降着円盤」と呼ばれる衣を作る。このガスが多いほど、ブラックホールは明るくなるのだ。

 ◇

まだまだ謎の多い宇宙について、わかりやすく解説してくれる本書は、子供も大人も楽しく読める一冊だ。ブラックホールから宇宙人に至るまで、ロマンのある宇宙の話を楽しんでみてはどうだろう。

(T・N/新刊JP編集部)

このニュースに関するつぶやき

  • 西へずっと進んで行って東から戻ってくる。北へ進んで行って南から戻って来る。でも球だと言えない。ドーナツ状のトーラスでも起こる。それを小説にしたが地底旅行。ブラックホールは座標も歪んでいるので穴でも球でも無いかも。
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