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派遣社員で広がるシニアの活躍の場 企業が期待するスキルとは?

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2020年01月20日 08:00  AERA dot.

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写真高齢社 関美保さん
高齢社 関美保さん
 派遣社員という働き方で、シニアが活躍する場が拡大している。国の調査によると、60代後半の派遣社員は、2012年から17年にかけて1.8倍に増加した。受け入れる企業側はシニア人材のどんな点に期待を寄せているのか。

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 企業側が感じているメリットにも触れておきたい。それは、教育不要の即戦力という点だ。

 ガス給湯、発電システムの修理点検をする会社で電話受付をする派遣社員の関美保さん(66)は、上司から「何も教える必要がない」と驚かれたという。

 前職のライフバルでも同じガスの給湯や発電のシステムを取り扱っており、顧客の問い合わせに応えるため、関さんは商品知識をしっかり勉強していた。だから今の会社でも、顧客からの電話で的確に状況を把握して、修理や点検の担当者に引き継ぐことができるのだろう。子どもの使いではない、電話受付ができるのだ。

「もともとお客様とお話するのが好きなんです」という関さん。今の会社の電話受付では「そうですか、それはお困りですね」などと物腰柔らかく応対しながら、状況を確認していく。「あまり出しゃばりすぎず、かといって引っ込みすぎず、ちょうどいい間合いで話すことが大切なんです」。この辺りも長年培ってきた接客ノウハウで、若者には簡単にマネできなさそうだ。

 ライフバルで働く派遣社員の大石美代子さん(65)にはこんなエピソードがある。大石さんが今の職場に派遣された当初は、半年間限りの契約という約束だったという。

「2人のパート社員を雇用するから、その人たちの教育係をしてほしいと言われていました」(大石さん)

 ところがいつまで経っても、そのパート社員がやってこない。もう半年の契約が切れるという月になって、結局、大石さんは契約継続となった。その後もパート社員2人が雇われることはなく、大石さん一人がその仕事を担当している。

 大石さんも幅広い業務をこなせることで、職場で「便利な人ですね」と感嘆されているというから、「教育が必要なパート社員より、教えなくてもなんでもできる派遣社員」という、会社側の判断があったのかもしれない。

 派遣社員の、柔軟な働き方が多様なライフスタイルに合わせやすいこと、ほどほどの責任感で気楽に働けること、思わぬ会社との出会いがあることなどが、シニアに評価されていることが伝わっただろうか。

 経験を生かして充実した日々を送れれば、シニアの健康寿命は延びるだろう。企業の側も、その経験やスキルを、高く買っていることがわかった。シニア派遣社員と企業は、ウィンウィンの関係なのだ。

 定年延長で任される仕事に、今ひとつやりがいを感じない、65歳で今の仕事は引退しないといけない。そんなとき派遣という働き方は、一つの有力な選択肢になるはずだ。(ライター・五嶋正風)

※週刊朝日  2020年1月24日号より抜粋

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