WRC:トヨタ、新体制で2020年初戦モンテカルロへ。マキネン「新しいラインアップで臨む興味深い1戦に」

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2020年01月20日 13:51  AUTOSPORT web

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フランス国内での事前テストでセバスチャン・オジエがドライブしたトヨタ・ヤリスWRC
1月23〜26日に行われる第1戦モンテカルロで開幕する2020年のWRC世界ラリー選手権。三冠獲得に挑むTOYOTA GAZOO Racing WRTにとってはドライバーを刷新し、セバスチャン・オジエ、エルフィン・エバンス、カッレ・ロバンペラの3名を起用して臨む初戦でもある。

 2019年シーズン終了からおよそ3カ月のインターバルを経て、ついにWRCの2020年シーズンが開幕する。最終戦に10年ぶりに復活するラリー・ジャパンを含む2020年WRCは、全14戦で争われる予定だ。

 そのシーズン開幕戦は、フランス・ギャップと隣国モナコを舞台としたラリー・モンテカルロ。初開催は1911年と世界でもっとも長い歴史を誇るラリーイベントでもある。

 戦いの舞台となるSS(スペシャルステージ)はターマック(舗装路)が舞台だが、山岳地帯のSSでは積雪がある場所や、路面が凍結しているような箇所もあり、ひとつのステージのなかでもコンディションがドライ、ウエット、スノー、アイスと刻々と変化していく。

 そのためドライバーに刻々と変わる路面状況の判断能力、それを見据えた適切なタイヤ選択能力が求められる。またSSスタート直前にコースを走り、最新のインフォメーションをドライバーたちに伝える“セーフティクルー”の役目も重要となる。

 2020年のラリー・モンテカルロは現地22日16時1分(日本時間23日0時1分)ごろに全長3.35kmのシェイクダウンが行われて走行がスタート。翌23日の17時(日本時間24日1時)にモナコ公国にあるアルベール1世埠頭を舞台にセレモニアルスタートが行われて開幕を迎える。

 セレモニアルスタート後、選手たちはフランスへ入り、山間部を舞台としたSS1〜2を走行する。このSS1〜2は現地20時過ぎにスタートするナイトステージだ。またSS1の“マリジャイ-ピュイミシェル”は1994年以来に組み込まれたステージとなっている。

 競技2日目の24日はフランス国内を中心に新ステージ“サン=クレマン-フリシニエール”を含むSS3〜8までの6SSが行われ、競技3日目の25日もフランス国内を中心にSS9〜12の4SSが行われる。

 SS12終了後、一行はふたたびモナコへ移動。最終日となる26日の走行に備える。その最終日はモナコを起点に競技が行われ、ラリー・モンテカルロを代表する“チュリニ峠”を含むSS13〜16の4SSを走行する。

 SS16終了後は、ふたたびアルベール1世埠頭に移動し、ここでセレモニアルフィニッシュが行われる。ステージ上位5名にボーナスポイントが与えられるパワーステージは13.36kmの最終ステージSS16に設定された。

 全16SS合計の走行距離は304.28km、移動区間(リエゾン)を含む総走行距離は1505.64kmだ。


■7度目の王座狙うオジエ「ヤリスWRCなら十分可能だと信じている」

 チーム代表のトミ・マキネンは「新シーズンの開幕戦であるラリー・モンテカルロは、エキサイティングなイベントだ。特に、今年は多くのドライバーが今までと違うクルマで出場し、我々も完全に新しいラインアップで臨むため、興味深い1戦になるだろう」と語った。

「我々チームはモンテカルロでまだ勝利を収めていないが、毎年表彰台を獲得し、高いパフォーマンスを発揮してきた」

「セバスチャン(オジエ)は過去このラリーで、さんぜんと輝く記録を残し、何台もの異なるクルマで優勝してきた。だから、まだヤリスWRCを学んでいる段階であったとしても、今回もきっと優勝争いに加わると確信している」

「それはエルフィン(エバンス)についても同様で、彼も過去モンテカルロで速さを示してきた」

「一方、カッレ(ロバンペラ)に関しては、完全にノープレッシャー状態での出場だ。なぜならモンテカルロではとにかく経験が重要であり、WRカーで初めて出場するには難しい1戦だからだ。それでも、チームとしては、今シーズンのタイトル争いを良いリザルトでスタートする自信がある」

 2014年からラリー・モンテカルロ6連勝を挙げているオジエは「ヤリスWRCで臨む最初のラリーのスタートが待ち切れない」とコメントしている。

「今シーズンの目標は7回目のタイトル獲得だが、このクルマならば十分それは可能だと信じている」

「僕とジュリアンもこれまで良い結果を残してきたが、(ラリー・モンテカルロ)連覇に対するプレッシャーは年々高まっている」

「僕にとってラリー・モンテカルロはつねにビッグチャレンジだけど、心から楽しむことができる1戦でもあるんだ」

 Mスポーツ・フォードから移籍してきたエバンスは「WRCでチームを移籍したのは今回が初めてだけど、スタッフ全員がとても歓迎してくれたし、クルマにもいいフィーリングを感じているから、新シーズンが非常に楽しみだ」とコメント。

 2020年が最上位クラスデビューとなるロバンペラは「シーズンの序盤は昨年までとは違う考え方で臨み、忍耐強く走るつもり。きっと大きなチャレンジになるでだろうが、最後まで戦い抜きたい」と目標を明かしている。

 このラリー・モンテカルロにはトヨタの若手ラリードライバー育成プログラムに参加している勝田貴元も参戦。4台目のトヨタ・ヤリスWRCを操って戦う。

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