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“テレビよりオンラインの方が効率がいい”は本当なのか?「あなたの知らない」マーケティング大原則

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2020年01月20日 16:00  AERA dot.

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写真土合朋宏(どあい・ともひろ)/一橋大学大学院商学研究科卒業。外資系戦略コンサルティングを経て、日本コカ・コーラ(株)に入社。16年間マーケティング本部で、世界初のライフスタイルやトレンドの調査部門の立上げ、ファンタ、アクエリアス、爽健美茶など既存ブランドの立て直し、綾鷹などの新製品開発などを指揮。その後20世紀フォックス ホームエンターテイメントに移り、代表取締役社長を務め、2017年より外資系映画配給会社で事実上のCMOとして全部門のマーケティングを統括。新市場創造型商品を研究する日本市場創造研究会の理事を歴任。訳書に『マーケティング・ゲーム』など(撮影/写真部・小山幸佑)
土合朋宏(どあい・ともひろ)/一橋大学大学院商学研究科卒業。外資系戦略コンサルティングを経て、日本コカ・コーラ(株)に入社。16年間マーケティング本部で、世界初のライフスタイルやトレンドの調査部門の立上げ、ファンタ、アクエリアス、爽健美茶など既存ブランドの立て直し、綾鷹などの新製品開発などを指揮。その後20世紀フォックス ホームエンターテイメントに移り、代表取締役社長を務め、2017年より外資系映画配給会社で事実上のCMOとして全部門のマーケティングを統括。新市場創造型商品を研究する日本市場創造研究会の理事を歴任。訳書に『マーケティング・ゲーム』など(撮影/写真部・小山幸佑)
「マーケティング」とは一体何なのか?

 言葉は定着すれど、業務は複雑化するばかりのマーケティングだが、実は大原則があった……。

【対談相手である、マーケティングのスペシャリスト・足立光氏はこちら】

 P&G、ヘンケル、ワールド、マクドナルド、そして現在はPokemon GOなどを制作するナイアンティックに在籍する経営とマーケティングのスペシャリストである足立光氏と、日本コカ・コーラ、20世紀フォックス ホームエンターテイメントなどを経て、現在は外資系映画配給会社の日本におけるマーケティングの責任者として最前線にいる土合朋宏氏が、共著『世界的優良企業の実例に学ぶ「あなたの知らない」マーケティング大原則』を刊行。これを記念して、「テレビとオンライン、どちらが効果的なのか」についてのお二人の対談を特別に公開する。

*  *  *
足立:メディア広告のプランニングにおいて、男女、年齢問わず、全部にリーチしたい場合には、やはりこれまで通り、マスメディアが「主」で、オンライン・メディアが「従」という考え方のほうがいいのでしょうか。あるいは順番として、マスメディアが先で、オンラインは後と……。

土合:もちろん、製品・サービスにもよりますが、基本的にはどちらでもかまわないでしょう。ただ、特にテレビは「効率」がいいですから。

足立:たしかに。今この瞬間、リーチを広げたいと思ったら、コスト的にはテレビが圧倒的に「安い」ですよね。それを踏まえた上で、「マスメディアとオンライン・メディア、両方でプランニングしていく」というのが、今求められている基本的なメディア選びの考え方だと考えています。ところが日本では、マスメディア担当の部署とオンライン・メディア担当の部署が別、という企業がほとんどでしょう。

土合:そうですね。担当部署が一緒になっているのは一部の企業だけですね。全体で効果を最大化しないと意味がないのに。

足立:誰か一人がメディア全体を見たほうが、圧倒的に効率化できるはずですね。

土合:誤解を恐れずにいえば、日本のメディア広告の現状は「ザル」だと思います。たとえばテレビCMでは、「過去の新製品ではxxGRPでした」とか「競合はxxGRPです」とか、そんなデータしか集めずに、「競合に対抗するためには彼ら(あるいは自社の過去実績)と同数以上のGRPが必要です」などと決めている。実は、そこにはロジックがないんですよ。もっと合理的にできる余地があるわけです。

足立:オンライン広告しかやらないという会社は、どうすればいいのでしょうか。

土合:それも同じだと思います。フリークエンシーと認知率・購入意向率を調査・分析することで、合理的にプランニングできる。むしろ、オンラインは1週間くらいでデータが出てくるし、ターゲットの反応に対して比較的手軽にクリエイティブを変えることもできるので、より効率的に広告が打てるでしょう。

足立:オンラインはマスと違って、PDCAサイクル<Plan(計画)、Do(実施・実行)、Check(点検・評価)、Act(処置・改善)の略>をすごく速く回せることが、強みですよね。たとえば、オンライン広告では、20種類以上のクリエイティブを作って同時に配信して、反応の悪いものは落とし、反応のいいものにクリエイティブを寄せていきます。テレビのように、すごい15秒コマーシャルをひとつ作ってドンと流すというのではありません。とりあえずいろいろ作ってみて、まずユーザーに伝えてみて、走りながら改善していくということがオンライン広告ではできるわけです。

土合:メディアによって使い方が全然違ってきますよね。たとえばテレビは、1回買ったら1回オンエアされて終わり。そして、だいぶ時間が経ってから効果があったかどうかがわかる。その時には「あー、今回はうまくいかなかったね」で済んでしまうわけです。一方、オンラインはすぐに結果がわかるし、かつ修正できるから、その後の運用、次の手、その次の手をプランニングしていくことがすごく大事なんですね。つまりオンライン広告は、その運用も含めてプランナーの仕事なんです。なので、1回プランニングしたら終了のマス広告だけをやっているプランナーには、オンライン広告のプランニングができないわけです。

足立:本当はマス広告でも、修正ができるといいんですけどね。

土合:現状ではそれが難しい。特にテレビの場合は、オンエアが始まったら、もうどうしようもないですね。理屈的にはどのメディアのプランニングも似ているはずなのですが、現状はだいぶ違うわけです。だからこそ、改善していく余地が大いにあるともいえるのですが。

足立:オンライン広告も改善すべき点があるように思います。どうやってCTR(Click Through Rateの略。クリック率)を上げるか、CPC(Cost Per Clickの略。クリックの単価)を上げるかといったことに追われて、業界全体が消耗戦になっていて、どんどん疲弊していている印象です。

土合:繰り返しですが、メディア全体で効果を最大化しないと意味がないということに、マーケティング担当者が気づいて、全体をプランニングするようになれば、そういった消耗戦も減るのではないでしょうか。

足立:結局、必要なのはブランドやキャンペーンの認知度なんですよね。GRPでもCTRでもない。マスメディアもオンライン・メディアも全部込みで、そのブランドやキャンペーンの認知度がわかる指標をつくって、いかに両方のメディアのバランスをとって効率化していくかを考えることが求められていると思います。

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