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「ワクチンさえ接種していれば…」「誰にも同じ思いはしてほしくない」母親が語る後悔

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2020年01月20日 17:00  AERA dot.

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写真企業の麻痺・風疹対策(AERA 2020年1月20日号より)
企業の麻痺・風疹対策(AERA 2020年1月20日号より)
 妊娠中の女性が風疹に感染すると、生まれてくる子どもが心疾患、難聴、白内障の疾患が生じる先天性風疹症候群になる恐れがある。ワクチン接種でほぼ感染を防げるにもかかわらず、事例が報告されている。AERA 2020年1月20日号から。

【図を見る】久住医師が接種を推奨する予防接種はこちら

*  *  *
「ワクチンさえ接種していれば……」

 神戸市の保育士、西村麻依子さん(37)はそう強く後悔するひとりだ。西村さんは第2子で長女の葉七(はな)さん(7)を妊娠していた12年4月、風疹に感染した。第1子を妊娠した際の妊婦健診で抗体値が低いことがわかり、出産後に予防接種するよう促されていたが、接種しないまま葉七さんを妊娠した。

 風疹予防に使われる麻疹・風疹混合(MR)ワクチンは毒性を弱めたウイルスを原料とした生ワクチンで、妊娠中の接種は禁忌。妊娠したら、風疹にかからないよう気を付けるしかないが、社会的に流行してしまうとできる対策は限られる。

 感染がわかると、医師には障害がある子どもが生まれる可能性を指摘された。

「私があなたの夫なら絶対に産ませない」

 担当医はそう言って、別の病院への転院を促した。

 自分のせいだ、と感じた。ただ、子どもを堕ろして「なかったこと」にはしたくなかった。可能性だけで命をなくすことは違うと考え、産んだ。

 帝王切開で予定より6週間早く生まれた葉七さんは、1582グラムの小さな赤ちゃんだった。心臓に穴が開き、脳の一部も石灰化していた。先天性風疹症候群(CRS)と診断された。症状は徐々に改善したが、小学校に上がった今も目には強い乱視が残り、軽度の発達障害がある。西村さんは言う。

「ほかの子とは、ちょっと違う人生を歩むことになると思います。娘に一生、しんどい思いをさせることになってしまいました。ワクチンで防ぐことができる事態だった。私と同じ思いは、誰にもしてほしくありません」

 西村さんは仕事をしながら風疹をなくすための啓発活動に取り組み、市民講座や学会でのシンポジウムで講演を続けている。

 感染症の流行を防ぐには、一人ひとりの接種はもちろん、社会全体での取り組みが欠かせない。感染力が特に強い麻疹の場合、集団の95%が抗体を持っていないと流行すると言われる。そして、予防接種の効果は永遠ではない。だが、日本では大人へのワクチン接種が議論されることは少ない。大人の定期接種は、65歳以上へのインフルエンザと肺炎球菌ワクチンだけだ。

 さらに、ワクチンへの信頼度が低いことも特徴だ。英誌「ネイチャー」は昨年、「世界でもっともワクチンが信頼されていない国のひとつ」と日本を名指しで批判した。記者の周囲にワクチンへのイメージを聞いていても、「打っても効かない」「副反応が怖い」「自閉症になるかも」など好意的とは言えない答えが返ってくる。だが、ナビタスクリニック理事長で内科医の久住英二医師(46)はこう断言する。

「ワクチンを打って生じる不都合が、打たない不都合を上回ることはありません。公衆衛生を度外視して個人の利益だけを考えても、ワクチンを打つことにマイナスはありません」

 ワクチンの有効率はそれぞれ異なり、麻疹・風疹では95%に達するが、インフルエンザでは60%程度。有効率60%とは、「予防接種を受けた集団では受けていない集団より感染者が60%少なくなる」という意味だ。つまり、予防接種を受けていても一定数は感染する。だが、それをもって「効果がない」と考えるのは早計だ。

「インフルエンザの場合、年齢によって効果が異なります。子どもでは、予防接種で発病者を3分の1くらいに減らせます。高齢者では、肺炎になったり重症化したりする人を減らす効果があります」(久住医師)

 予防接種を受けると、本来想定していない反応「副反応」が起こることがある。接種箇所が赤く腫れたり、なんとなく体がだるくなったりするのもそのひとつだ。ほとんどは軽微だが、稀に重い副反応が出る。厚生労働省の資料によると、副反応の可能性がある重篤な症状として届けられる割合は、インフルエンザワクチンで10万接種あたり0.2件、麻疹・風疹や3種混合ワクチン(百日咳、破傷風、ジフテリア)の場合は10万接種あたり1件。10万分の1とはいえ、それが自身や家族に当たったら……。そう思うのは自然だろう。だが、久住医師は言う。

「ワクチンが原因で死亡したり重い障害が残ったりするケースはまずない。重篤な副反応とは医療的な介入が必要だったケースのことで、ほとんどが問題なく回復します。むしろ、予防接種を受けないことで感染症にかかり、重症化する可能性の方がはるかに高いのです」

「自閉症になる可能性がある」とか、「人工的な免疫は体に悪い」といったたぐいの話は、医療関係者のほとんどが議論する価値のないデマだと断じる。(編集部・川口穣、小田健司)

※AERA 2020年1月20日号より抜粋

このニュースに関するつぶやき

  • 「クーポンは来てるけど仕事を休めない」という知人がいた。厚労省や自治体は少々強権ぎみに対応した方がいいかも?
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  • これから妊活を始めようと思っている夫婦には知っていて欲しい、旦那さんはいつでも接種は出来るけど奥さんは妊娠前じゃないと接種出来なくて接種後1カ月は妊活禁止だと。 https://mixi.at/a1WtB6w
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