エミネムの新アルバムに非難殺到 マンチェスター・テロを題材にした曲に市長も「大変無礼」と怒り

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2020年01月21日 12:12  Techinsight Japan

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ジャケットもヒッチコック監督に「インスパイアされた」とエミネム(画像は『Marshall Mathers 2020年1月17日付Twitter「It’s your funeral...」』のスクリーンショット)
1月17日、米ラッパーエミネム(47)が突如アルバムを発表した。20曲が収められた『Music To Be Murdered By』と題されたアルバムの2曲目『Unaccommodating』の歌詞が過激であると、英国内で大きな議論を呼んでいる。

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曲中でエミネムは「俺はゲームの中で“爆弾をぶっ放す”と叫ぶことをたくらんでいる。アリアナ・グランデのコンサート会場前で待ってるみたいにな」と歌い、すぐあとには爆発音が鳴り響く音が入っている。この歌詞は2017年にマンチェスターで開催されたアリアナ・グランデのコンサートで、自爆テロにより22名の死者が出た「マンチェスター爆発物事件」をモチーフにしているとされる。

17日にサプライズアルバムがリリースされると同時に、SNSなどのネット上にはこの曲に対するさまざまな意見が溢れた。

「マンチェスター・テロのことをジョークにするなんてひどすぎる。彼に注目するべきじゃないわ。大勢の人が亡くなってるのに、ネタにして金儲けするつもり?」

「エミネムは過去30年以上、クソみたいなことを言ってきた。アリアナのファンは若すぎて知らないが、彼はコロンバイン(高校銃乱射事件)や911(アメリカ同時多発テロ事件)なんかも取り上げてきた。だが、彼がマンチェスターのために2ミリオンを集めたことを忘れちゃいけないよ。これはあくまでも歌で、彼らの世代は優しいんだ。」

「注目を浴びるための、哀れな試みだ。」

この騒動に対して翌18日、マンチェスター市のアンディ・バーナム市長が「不必要に痛ましく、事件関係者や家族にとって大変無礼なことだ」という声明文を発表した。テロで実際に家族が犠牲になった遺族たちはSNSにコメントを投稿し、「まったくくだらない。興味ないし関与もしない」「あのエミネムがテロのことを歌うのは驚かないけど、遺族やアリアナを辛い過去に引き戻すなんて残念だ」など非難の声をあげている。

エミネムは実際にマンチェスターのテロ事件後、自身のツイッターで遺族をサポートするための寄付金を募った。エミネムの呼びかけで集まった総額180万ポンド(約2億5800万円)の募金は、すべて英国赤十字社とマンチェスター・イブニング・ニュースへ直接届けられている。

なおアルバムタイトルの『Music To Be Murdered By』は、1958年にリリースした英映画監督アルフレッド・ヒッチコック氏の同名アルバムに敬意を表したものだ。エミネムはアルバム収録曲の中で、ヒッチコック監督の語り部による間奏曲をサンプリングとして使用しており、自身のツイッターでは「師匠からのインスパイア。アルフレッドおじさん!」と投稿している。同アルバムにはゲストとしてエド・シーラン、ヤングM.A.、アンダーソン・パーク、Qティップのほか、昨年12月に死去したジュース・ワールドなどが参加している。



画像は『Marshall Mathers 2020年1月17日付Twitter「It’s your funeral...」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)
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