まもなくシーズン到来!花粉症は「プレゼンティーズム」に大きく影響している?

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2020年01月21日 19:10  QLife(キューライフ)

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花粉症で仕事は休まずとも生産性低下、全国調査で「生活に支障あり」と約半数

日本医科大学付属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科 大久保公裕教授

 受験・進学・就職・異動など、1月から3月にかけて人生の“ターニングポイント”を迎える人は多いのではないでしょうか。そんな大切な時期に、重なってしまうのが「花粉の飛散」。そう、花粉症シーズンがやってきます。本格的なスギ花粉飛散は2月からと一般的にいわれていますが、皆さんはこれまでに花粉症と診断されたことはありますか?

 花粉シーズンの到来に先立ち、ノバルティス ファーマ株式会社は2020年1月17日にメディア向けのセミナーを開催。「仕事や勉強の生産性低下の原因となる重症花粉症の最新治療」と題し、花粉症に関する全国調査の結果発表、日本医科大学付属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科の大久保公裕教授による疾患解説や具体的な日常生活へのアドバイス、最新治療について解説が行われました。

 全国調査「花粉症重症度調査」は、47都道府県の花粉症患者さん9,400人を対象に、花粉症症状が仕事に及ぼす影響について2019年11月にWebでアンケート調査を行ったもの。回答者の約半数(49.6%)は、「重症」と「最重症」(鼻アレルギー診療ガイドライン2016年版の重症度分類による)を併せた“重症花粉症”に分類される患者さんでした。
・くしゃみが1日に11回以上
・鼻汁が1日に11回以上
・鼻づまりが強く、口呼吸が1日のうちかなり長い時間ある
これが重症の目安。1つでも当てはまると、「重症花粉症患者」の可能性があるといいます。

 「プレゼンティーズム」とは、疾病就業のことで、職場には出ているものの病気などの影響でパフォーマンスが低下した状態のことを指します。調査の結果は、このプレゼンティーズムにいかに花粉症が影響していたかを示しています。花粉症の症状があるとき、仕事のパフォーマンスが「落ちる」人は全体で57.3%、重症以上の患者さんでは65.9%にものぼっていました。集中力低下を感じる患者さんは全体で58.8%、重症以上では67.4%でした。

 また、花粉症発症時にメイクやスキンケアで困ることがある女性は69.0%(女性3,654人中での割合)で、そのうち約4割は「鼻のまわりのメイクがボロボロになる」悩みを抱えていることもわかりました。マスクをつけたり、鼻をかむ頻度が増えたりで、鼻まわりのメイク直しが増えてしまいますよね。

 花粉症の症状で仕事はイマイチ、メイクも崩れ…。大事な時期を何とか乗り越えるためには、きちんと花粉対策をすることが重要です。

花粉に触れない対策が重要、正午から2時間、午後7時ごろは気を付けて

 花粉症研究に長年携わってきた大久保教授は、花粉症が起こるメカニズムや、具体的な治療法、日常対策などについて解説。「日本において花粉症の有病率は年々増加しています。花粉はウィルスや菌ではないのですが、ヒトにとっては異物(アレルゲン)と認識されるもの。異物が体内に侵入すると、防御しようと免疫反応が起こり、結果としてくしゃみや鼻水といった症状を引き起こします。花粉症なら、花粉をうまく防御することが大事です」。

 日常生活でのポイントとして、花粉情報に注意することや、部屋の掃除、飛散が多いとされる日は外出を控えるなどが挙げられました。また、出かける時間についてはこんなアドバイスも。「花粉は、真夜中に飛ぶことはないんですよ。1日のうちで、正午から午後2時ごろまでが飛散のピークタイム、その時間は警戒しましょう。また、午後7時ごろにも増えます。これは日中に飛散した花粉が一端道路(アスファルト)に落ち、その花粉が再び舞い上がるからと考えられています」

 ひとたび症状を発症したら、重症化しないためにもきちんとした治療を受けることは大事ですが、自分でできる日常対策もしっかりして、この重要な時期を乗り越えましょう!

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