声優・立花理香が「好き」を詰め込んだこだわりの1stフルアルバム語る

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2020年01月22日 18:02  マイナビニュース

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●“お酒”に作家陣に……フルアルバムだからこそのこだわりを詰め込んだ1枚に
声優・立花理香が1月22日に1stフルアルバム『Heart Shaker』をリリース。全10曲の収録曲中、新曲4曲ではこれまで発表してきた楽曲とは違うジャンルに挑戦し、あらたな魅力を発揮している。

また、楽曲自体とあわせてファンを驚かせ楽しませてきたのが、彼女が作品に隠した”裏テーマ”。本作でも、新曲やアルバムタイトルを貫くテーマが存在するようで……?
○●今明かされる、『Heart Shaker』の真の意味

――ご結婚おめでとうございます!

ありがとうございます! いやー、まさか自分が結婚できるとは(笑)。こんなこともあるんですね……「えー!」とか「草」みたいに反応をいただいて、半分ぐらいの人はなんとなく笑ってましたけど(笑)。

※編集部注:2019年12月28日、オリックス・バファローズの若月健矢選手との結婚を発表した

――11月30日には3rdライブも開催されて、公私ともに充実されている印象です。

いやー、ライブ、楽しかったぁ……!

――立花さんもお客さんも、すごく楽しそうなライブでしたね。

ただ、夜の部の「ウイスキーがお好きでしょ」で、まさかあんな大爆笑が起きるとは(笑)。超名曲のバラードなのに。でも、昼も夜も本当に全力で楽しかったですね。

――そのライブタイトル「Heart Shaker」が、実は今回リリースされる1stフルアルバムのタイトルでした。

そうなんですよ。なのでアルバム4曲目の「JUST SIZE LIFE」も、初お披露目をさせていただいたんです。

――前回のインタビューでは「close to you」の構想が夏頃にはあったとお聞きしましたが、アルバムとしてもその頃から走り出していた?

そうですね。でもアルバムを発表する前にライブがあったので、一足先に楽しんでいただけたらいいなと思って、フライングで2曲デジタルシングルとしてリリースさせていただいたんです。

――「Heart Shaker」という言葉、ライブタイトルとしては「来てくれる人の心を震わせたい」という意味だとおっしゃっていましたが、アルバムも同様のコンセプトに?

あはは……(笑)。

――ちょっと違う部分もありそうですね(笑)。

もちろんそういう意味合いもあるんですけど……今回は初のフルアルバムということで、私のわがままをたくさん詰め込ませていただいたんですけど、その中のひとつが「お酒をテーマにしたい」ということで。私、お酒が好きなので、いつかお酒にちなんだ曲を作れたらいいなと思っていたんですよ。だから実は、「Heart Shaker」の”Shaker”はカクテルシェイカーの”シェイカー”にもかかっていまして(笑)。それぞれの”カクテル言葉”をモチーフに、新曲を制作していったんです。

――いろんな味を楽しめる1枚になっている、という意味も?

そうです! おっしゃるとおり。

――だから「close to you」のMVにもバーのシーンが出てくるのでしょうか。

そうなんです! 「close to you」はギムレットがテーマになっているので、MVの中でもギムレット的なものをたしなみつつ(笑)、楽しく。

――ただ、曲自体はダンサブルなのにもかかわらず、意外にもMVでは踊っていないんですよね。

そこがちょっと、私としてはミソでございまして。デビューミニアルバム収録の「REALISTIC」のMVでは結構ダンスを取り入れたりもしていたんですけど、今回はオトナな余裕感みたいなものを出せたらいいなと思ったんです。なので、ダンスフロアっぽい場所で撮影もしていたんですけど、バシバシ踊るよりもちょっとすましていることで、オトナな感じを出しました。

――ただ、ライブでは特にサビの部分でリズムに合わせて細かくフリをつけられていましたよね。

時系列的には、MV撮影があってからライブだったんですけど、やっぱりライブでは、踊ったほうがかっこいいんじゃないかなと思ったんです。ただ、ライブまで時間があまりなかったので……自分で振り付けして踊っちゃいました(笑)。サビだけですけど、「やっちゃえ!」と思って。

――ということは、もうひとつのデジタルシングル曲「Sky Diver」もお酒がモチーフに?

はい。スカイ・ダイビングっていうきれいな蒼いカクテルがあるんですけど、「一歩を踏み出す」みたいな意味のカクテル言葉をもっていたので、「これをテーマに書きたいな」と思って作詞をさせていただいた曲です。
○●大ファンの山崎あおいからの提供曲で、自身も泣きながら晩酌!?

――他にも、アルバムの内容についてこだわった部分はありますか?

元々ファンだった山崎あおいさんに「JUST SIZE LIFE」を書いていただいたり、9曲目の「ピンクバニラ」も以前、高橋美佳子さんにお会いしたときに「何か困ったことがあったら、話を聞くよ」とおっしゃっていただいたのに甘えまして(笑)、歌詞をお願いしました。……本当に、私の好きなものやワガママを詰め込ませていただきましたね。

――その「JUST SIZE LIFE」は少々スローなR&B調の楽曲で、非常にナチュラルに聴ける曲といいますか。

そうなんですよ。まさに「THE・日常」というか……一人暮らしの、ちょっと寒い夜の帰り道とかに聴ける感じの曲だと思うんですよね。

――この曲でモチーフにされたカクテルは?

モヒートです。カクテル言葉は「心の乾きを癒やして」なんですけど、そのイメージ通りでありながら、まさにタイトル通り背伸びをせずに歌える曲で。山崎さんの書く歌って、すごくリアリティのある女性像が描かれているんですけど、しかもそれがちょっとどこか残念な感じなんです(笑)。でも、そんな女性を描いた曲がめちゃくちゃ沁みて大好きだったんですよね。なので、山崎さんには失礼ではあったんですけど、「ちょっと残念な感じの女性の歌をうたいたいです」とお願いしたら、いただいた曲がもうよすぎて! 特に2番は、最初のデモを聴きながら、泣きながら晩酌をしていたぐらい沁みたんです。……当時まだ独身だったんで、余計に(笑)。この曲は、本当に歌詞を読んでほしい……!

――歌うときにも、まさに背伸びせずに?

そうですね。ちょっと脱力しながらというか、音に乗りながら歌っていきました。

――この曲は、先ほどおっしゃったように先日のライブでも披露されました。

基本的には、今までは曲の発売後にしか歌ったことがなかったと思うので、生歌で曲や歌詞に初めて触れていただくということにめちゃくちゃ緊張したんです。でも、その分いつも以上に届けることを意識して歌えたので、生での初披露はすごく緊張しましたけど、やってよかったです。

――ちなみに、ライブで初披露されたあとファンの方から反響はありましたか?

歌う前は、わかりやすく盛り上がるタイプの曲ではないので「どういうふうに受け止めてくださるのかな?」と思っていたんですけど、「すごくスッと入ってきて、沁みてきました」とおっしゃってくださる方も多かったんですよ。なので「伝わってくれていたら、よかったなぁ」と思いました。

●芽生えた音楽活動への意思をもとに、日々挑戦を続けたい
○●ディスカッションを通じて、思わぬアプローチにたどり着いた曲も?

――アルバムでは、そこに新曲「美しい人」が続きます。デジタルサウンドの中に琴といった和の音色も含まれている楽曲ですが、この曲のテーマは?

ジントニックがモチーフで、カクテル言葉は「強い意志」なんですけど、私がこの曲をいただいたときのファーストインプレッションが、「め組のひと」だったんです。ちょっと伝わらないかもしれないんですけど……。

――ラッツ&スターの?

はい。といっても、それは曲調とかではなくて。この曲は「美しい人」へとあてた曲でもないし、自分を「美しい人よ」と言うわけでもなくて、美しい人へと向かっていく強さを感じたというか……「こういう存在が”美しい人”だ」という歌だと感じ取ったんです。なので、強さみたいなものは出せたらいいなと思いながら歌いました。

――そうした凛とした女性像は、この曲から最初に連想したポイントでした。立花さんも歌うときには、理想像を脳裏に浮かべながら?

はい。もう、完全に天海祐希さんを(笑)。強さもあって、美しさもある方なので。そのカクテル言葉に繋がるような人物像をイメージしながら歌で表現していったので、レコーディングはすごく楽しかったですね。

――そうなると、歌っているうちに「じゃあこうしたい」という考えも出てくるでしょうし。

そうですね。私、今回に限らずなんですけど、スタジオに行って歌ってみながらスタッフさんたちとディスカッションをしながら作っていくことが多いんですよ。みんなであれこれ喋ってブレインストーミングしていくなかで、私の中のイメージも「それならこっちかも!」みたいに固めつつ明確にしながら作っていけているので、本当に楽しいんですよね。

――そのディスカッションを通じて、歌い方の変わった曲もあるのでしょうか。

あります。新曲の中だと「Here’s to you!」がそうなんですけど……。

――テンポ速めのロックチューンにもかかわらず甘めの歌声なので、意外に感じた曲でした。

私も、こうなったのは意外でした(笑)。というのも、実は私は元々「Sky Diver」寄りといいますか、結構力強く歌ったほうが伝わる曲かなと思っていたんですよ。でもゆるっと楽しい感じもある歌詞だったりもしますし、この曲のモチーフがシェリー・フリップで、カクテル言葉が「楽しい時間」というのもあって、ディスカッションをしていくうちに「これはもうちょっと力を抜いて歌ったほうがいいんじゃない?」というお話が出まして。最初は「え? この曲で力を抜いて歌うの!?」って目が点になったんですけど、お話をさせていくなかで「たしかに。なるほど!」となったんですよ。

――ただ、そのうえでサウンドのパワーに負けないような歌声にするというのも難しいですよね。

そうなんです。そこの合間を縫うのはひとつ大変なところでして。この曲が、いちばん頭を使ったかもしれないなと思うんですけど、うまく形にできてよかったです。

――サウンド的には、ライブでの盛り上がりも期待できそうな曲ですが。

そう! 歌詞にも「””」で囲ってある英語の部分がたくさんあるんですけど、「yeah!」とか「baby!」みたいにみんなで言えそうな単語がたくさん入っているので、お客さんの声が入ったときの、ライブならではの良さも生まれるように思っています。……本当はこの曲も、11月のライブでやりたかった!「アルバムも楽しみにしていてほしいから、ライブで先に歌うのは1曲だけにしよう」と思っていたんですけど、結果としては自分がいちばんウズウズしてしまっています (笑)。

○●まだまだあった”初挑戦”に、改めて感じた音楽の楽しさ

――そして新曲としてはもう1曲、序盤でも少し話題に上がった「ピンクバニラ」があって。

この曲はピンク・スカーレルっていうカクテルがモチーフになってる曲なんですけど、カクテル言葉は「見つめていたい」で。サビの歌詞なんてどストレートすぎて「かわいい歌詞だなぁー!」と思いました(笑)。

――描かれている物語に、ひたすらキュンとしてしまいます。

でも、よく読むと結構切ない歌詞なんですよね。「この曲、取り方によっては、結構切ないぞ?」と感じたので、単純に幸せな曲として受け取っていいのかどうなのか……と思って、個人的にはすごく歌詞を読み込むのが楽しかったです。でも、美佳子さんに連絡して「これどういう意味ですか?」と聞くのもなんだか野暮だなと思ったので、そこは私の解釈で「めっちゃしあわせー!」という感じではなくて、ちょっと切なげな感じの曲にもなったらいいなぁと思いながら歌いました。

――歌うときに、ポイントにされた点は?

歌詞やサウンドを受けて、歌っているときに生まれた気持ちを素直にそのまま歌にする、ということです。レコーディングのときに「あんまり歌いこんで作らないほうが伝わるよね」というお話もしたので、実際に最低限のテイク数しか録っていなくて。この曲は今までの曲の中で、いちばん歌った回数が少ないかもしれません。

――これからの季節にもハマってくる曲のようにも思います。

あー、そうですねぇ……甘々ですからね(笑)。これからバレンタインも来るだろうし、春も来るだろうし。甘々な季節が来る方には甘く聴こえるでしょうし、甘くない季節が来る方には、ちょっと苦味のある感じで(笑)、お楽しみいただけるんじゃないでしょうか。

――こうして全10曲収録のフルアルバムが完成しましたが、特にアルバムでの新曲には、方向性の重複したものが1曲もないんですよね。

そうなんですよ。私、今回フルアルバムを作るとなったときに、「でもミニアルバム2枚出させてもらって、シングルもあるし……もう、ほぼいろいろやらせていただいたぞ?」と思ったんです。でも実際制作していくと初めて経験するタイプの曲と次々に出会えたので、作りながら音楽の面白さを改めて感じていました。

――年末に私生活での変化もありましたが、声優業をはじめ様々な活動も続けられていくなかで、今後音楽活動にどういうスタンスで向きあっていきたいと思われていますか?

今回は本当に自分のやりたいことを詰め込ませていただいた1枚になったんですけど、デビュー当初を振り返ると「歌ってどうやって歌えばいいのかわからない」という手探りの段階だったので、「こうしたい」「ああしたい」という意思がちょっとだけ芽生えたのは、自分なりに成長したのかなと思っているんです。当初はまさか自分から歌に関してそういう気持ちが出てくるとは自分でも思っていなかったんですよね。だから、これからまたいったいどうなっちゃうんでしょう……? でも、もっといろんな楽曲に挑戦していけたらと思います。

――今回のアルバム制作でも出会った、自分でも気づいていない未挑戦のジャンルがあるかもしれないので、そこに挑戦していきたい。

そうですね。そのなかでまたいろいろわかることや気づくことがあればいいなと思うので、日々挑戦していきたいですね。

○●立花理香1stフルアルバム『Heart Shaker』

発売日:1月22日
・初回限定盤(CD+Blu-ray)
価格:5,000円(税抜)
・通常盤(CD)
価格:3,000(税抜)
・CD
01.カラフルパサージュ
02.close to you
03.Pelican
04.JUST SIZE LIFE
05.美しいひと
06.Returner Butterfly
07.Here's to you!
08.緑の時計
09.ピンクバニラ
10.Sky Diver
・Blu-ray
REALISTIC
Shining Memory
カラフルパサージュ
Returner Butterfly
close to you(須永兼次)

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