『ポケモン剣盾』有料DLCに海外で戸惑いの声 コンソール市場における変化の象徴となるか?

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2020年01月23日 07:11  リアルサウンド

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 株式会社ポケモンは1月9日、『ポケットモンスター ソード・シールド』(ポケモン剣盾)の有料追加ダウンロードコンテンツである「エキスパンションパス」を初めて発表した。


(参考:アディダス×ポケモンがコラボしたスニーカーやTシャツが登場! 初期ポケモンを彷彿とさせる8bitグラフィックに


 第一弾『鎧の孤島』は2020年6月末までに、第二弾『冠の雪原』は2020年秋に配信予定。「エキスパンションパス」の価格は、『ポケモン ソード』と『ポケモン シールド』それぞれ、2,980円で、ガラル地方に存在する『鎧の孤島』では、新たに発見された伝説のポケモン、ダクマが生息し、鍛錬を重ねると“ウーラオス”に進化。雪が積もる白銀の『冠の雪原』には、太古の昔にガラル地方を統べていたキングポケモン・バドレックスが生息。探検服をまとい調査に行くと、思わぬ発見に出会える。


 これについては、開発を行うゲームフリークが、『Pokemon Direct』にて詳しく説明している。


・新コンテンツに課金に一部で不満と怒り
 海外でも様々な反応が見られる。アメリカでは「エキスパンションパス」の価格は、29.99米ドルで、『ポケモン ソード』と『ポケモン シールド』両方欲しい場合は、59.98米ドル。ゲーム本体がそれぞれ約60米ドルで合わせると約120米ドル。オプションのオンラインサブスクリプションサービスは、年間19.99米ドルだ。そこに更に「エキスパンションパス」が加わると、かなりの金銭的負担になる。


 『Polygon』は「『ポケモン剣盾』のエキスパンションが怒りを買う」、『CNN』は「任天堂が『ポケモン剣盾』の新コンテンツに課金、一部のファンは不満」というヘッドラインでそれぞれ報じた。


 20年以上『ポケモン』をプレイしているノルウェーのTwitchストリーマー、Kori Selnesは「ポケモンの完全な体験は、途方もない金額になる。細かなフランチャイズを楽しんできたけど、この方向性は支持できない」とコメント。


 今回の発表について、ストーリーの詳細が乏しいという不満も聞かれる。ゲーマーからは「破産する」「財布が泣いている」「大企業ができる限り少ない労力でお金を稼ごうとしている」といった嘆きの書き込みも。


 一方、オーストラリアのTwitchストリーマー、AuSLoveことShisir Lamaは「少数派の意見かもしれないが、追加内容とストーリーを考慮すると、エキスパンションの価格は適正だと思う。激怒してもどうにもならない」と擁護。ほかにも、これまで『赤・緑』に次ぐ『青』や『金・銀』に次ぐ『クリスタル』など、完全新作ではない追加要素を加えたタイトルがリリースされていたことを考えると、ソフトを1本買うよりは安い、という見解もある。


・コンソールゲーム市場の変化を象徴するトピックに
 『ポケモン』のゲームが、個別のタイトルではなく、デジタルエキスパンションを行うのは初の試み。任天堂やゲーム業界では一般的だが、ポケモンにとって新たな戦略だ。


 ゲーム調査会社Niko Partnersのアナリスト、ダニエル・アフマッド氏は「コンソールゲーム市場は、新しいゲームを1、2年毎にリリースするモデルから、一つのゲームに長期間サービスを提供するビジネスへと継続的に移行している」と語り、開発を行うゲームフリークも「ガラル地方での冒険が、更に長く更に楽しくなるダウンロードコンテンツを目指す」と説明している。


 『ポケモン剣盾』の新たなビジネスモデルは、しっかりと時流を読み、その流れに沿ったものであることは間違いない。しかし、ファンが多い作品であるからこそ、この方法論が浸透し、広く受け入れられるまでには、もう少し時間がかかるかもしれない。


(Nagata Tombo)


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