「褒められてぇな…」ビートたけしほどの成功者は、自分のどこをどう褒めてもらいたいのかを考察してみた。

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2020年01月23日 19:00  citrus

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TBSの安住紳一郎アナウンサー(46)が、自身のラジオ番組『安住紳一郎の日曜天国』(TBSラジオ)で、『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)でも10年以上共演しているビートたけし(73)の、とある口癖について言及していたという。その「口癖」とはズバリ!

 

「褒められてーなー」

 

……なのだそう。楽屋で会話を交わしたときも「安住君、最近褒められた? 俺褒められてねえな、褒められてえな」みたいな愚痴をずっとこぼしている……らしい。

 

「ほぼほぼ、日本の中でトップの成功者であるたけしさんのような人ですら褒められたいって思うんだ…」と、安住は驚愕する。私はすでに70歳を過ぎたビートたけしと比べれば、年齢的にも成功ぶりもまだまだ若輩ではあるものの、その貪欲なまでの「褒められたい願望」はとても理解できる。人間、50歳にもなれば、他人から褒めてもらえる機会がぐんと激減してしまうからだ。

 

そりゃあ、“過去の実績”に対してお褒めの言葉をいただくことは、たまになくもない。普通に生きているかぎり、サラリーマンであろうとライターであろうとAV男優であろうと、その職業を地道に続けてさえいれば、なんらかの実績は大なり小なり積み重なっていく。「ゴメスさんがSPA!で連載していた○○、すごくファンでした」「ゴメスさんが原作した漫画の××、全巻持っています」「文章も書けて絵も描けて、音楽もできるってすごいですね」……。

 

でも、そういった一連の“過去の遺物”を褒められても正直なところ、あまりうれしくはない。おそらく、ビートたけしクラスになると、この手の“おだて文句”は、私なんぞの数百倍数千倍も日々耳に入ってくることだろう。「もういいよ…昔のことは」と辟易してしまうのも無理はない。

 

「褒めて伸ばす」とはよく言うが、皆さん覚えておいてほしい。人が褒められてうれしいのは、その人のなかで「完成、成熟してしまっているモノ」ではなく「発展途上の段階にあるモノ」なのである。たとえば、ここ数年で私が一番うれしかったのは、まったくのド素人の、それこそ「ディープラーニング」を「dプランニング」とdocomoのサービスかなにかと聞き間違えてしまったレベルの状態で挑んだ、『宙畑(そらばたけ)』という地球観測衛星データ関連のオウンドメディアの仕事で、担当編集者から、

 

「ゴメスさん、ちゃんと真面目に宇宙について勉強してくださっているんですね。今回の原稿、ほとんど直しがありませんでした。伸びしろがハンパないです」

 

……とかけられたひと言であった。あと、40歳から始めた野球について褒められるのは今でも素直にうれしい。


「ゴメスさんの年齢でも打率を上げることはできるんですね」
 

「球の回転が良くなってきました」
 

「ホームベースから2塁までノーバンで投げられるようになったじゃないですか」
 

「ゴメスさんは当てるのが上手くて確実に転がしてくれるから」
 

「ゴメスさんのバントは天下一品です!」
 

はいはいしかできなかった赤ん坊が、二本の足で立ってよちよち歩きをできたときの、感動の念を込めた「素晴らしい!」は、間違いなく年端もいかない本人(=赤ん坊)にだって届いているはず──相手のプロフィールデータを付け焼き刃的に引っ張り出してきて、会話の途切れをつなぐだけのまるで“埋め草”のような“おべんちゃら”は、いちいち口に出しても相手には響かない、つまりが“時間のムダ”でしかない……ということだ?
 

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  • 下積みを重ね成功した褒めてくれる先輩が少なくなった事への嘆きと、なかなか育てられない自省の念とも聞こえる。たまには小松の親分を呼んで褒めてもらおうよ。
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