あれもこれもとつい買ってしまう調味料。新しい味覚にワクワクしたのに、気づけばお蔵入り……。そんな調味料をカンタンおいしく使い切る方法を、調味料ソムリエ/野菜ソムリエのMICHIKOが伝授! 今回はバルサミコ酢の使い切り方法です。
バルサミコ酢とは?
イタリアの酢「バルサミコ酢」は、イタリア語で「香りのある酢」という意味。いまや日本でもすっかりおなじみですが、ちょっと高い! それなのに一度使ったきりで持て余し気味、という方もいらっしゃるかと思います。バルサミコ酢は、甘味の強いぶどうの果汁を原料にした「果実酢」の一種。ブドウの濃縮液(モスト)とワインビネガーを混合し、樽で自然発酵させて長期熟成したもの。熟成させたことで、色は濃い褐色に、香りは芳醇に、味わいは豊かで、甘酸っぱさを持つことが特徴です。
その歴史は11世紀頃まで遡るといわれ、イタリアの法律では「バルサミコ酢」の定義が細かく規定されています。本来、「バルサミコ酢」を名乗れるのは、イタリアのエミリア・ロマーニャ州のモデナからレッジョ・エミリアの地域で伝統的に造られたものだけ。かつては、王侯貴族の食卓を飾り、「侯爵の酢」と呼ばれていたくらい高貴な酢です。
100年も熟成させた宝石のような1本数十万円もする高級品や、カラメルで色づけした安価なものまでピンキリですが、普段使いには若い熟成タイプから使うのもオススメ。小さめのフライパン等に入れて、弱火でじっくり半量になるまで煮詰めれば、トロリとした濃厚な甘味を楽しめますよ。酢とはいえ、風味を損なわないように、開封後は冷蔵庫に保存しましょう。
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バルサミコ酢使い切りレシピ:大根と手羽中の中華風バルサミコ炒め
鶏手羽肉と大根を蒸し炒めしたボリューム感たっぷりの一皿。ご飯やパンのおかず、お酒のお供にも♪ バルサミコ酢と味噌、みりんという“発酵三兄弟”の風味をお楽しみください。
【材料】(2人分)
鶏手羽中肉 ・・・・・ 8本
大根 ・・・・・ 5センチ
豆苗 ・・・・・ 1╱3束
ごま油 ・・・・・・適量
(A)バルサミコ酢・味噌・みりん・・・・・ 各大さじ1
【作り方】
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1)大根は皮付きのまま拍子木切りにする。
2)鍋にごま油と1、鶏手羽中肉を炒め、蓋をして弱火で5分ほど蒸し焼きにして、火を通す。
3)(A)を加え、水分をとばしながら、強火で炒め合わせる。
4)根元を切り落とし、長さを半分に切った豆苗をしいた器に盛る。
*冷蔵庫に入っている野菜や肉でも作ってみましょう。
大根は、外の寒さが増すほどに甘くおいしくなっていくもの。腸内環境にも良く、満腹感も得られる野菜です。鶏手羽中肉はリーズナブルで柔らかく食べやすく、何より、切ったりしないでそのまま料理に使えるのがうれしいところ。豆苗はエンドウなどのタネを発芽させたもので、シャキシャキとした食感を楽しめます。アクもないので、そのまま生でも。また、調理の最後に豆苗を入れて、サッと炒め合わせても。お好みで七味唐辛子を振りかけて大人の味わいにしてもいいですよ。
きんぴらなどの炒め物にも使って!
バルサミコ酢を仕上げに数滴たらすだけで、高級料理店のようなゴージャスな料理になります。サラダ、スープやリゾット、きんぴらなどの炒め物、野菜のグリル、肉や魚のソテー、アイスクリームやヨーグルト、イチゴなどのフルーツ、何にでもひとたらしすれば、フルーティーな香りがプラスされて、料理の幅がグンと広がります。ブドウのおいしさがギュッと詰まった「バルサミコ酢」、艶やかな贅沢なソースをお楽しみください。
これ1本あれば、あなたも料理上手に♪
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