宮下草薙・草薙航基、「コミュ障のできないキャラ」ではなく「図々しいできない子」と感じるワケ

0

2020年01月24日 00:02  サイゾーウーマン

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

サイゾーウーマン

宮下草薙公式プロフィールより

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「こんなに合わない人、僕、初めて」宮下草薙・草薙航基
『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系、1月14日)

 バラエティー番組には、「できないキャラ」の存在が不可欠ではないだろうか。

 例えば、世界各国の“ミステリー”をテーマにしたクイズ番組『日立 世界ふしぎ発見!』(TBS系)。レギュラー解答者である黒柳徹子が全問正解に近い正答率を誇る一方で、同じくレギュラー解答者である野々村真は不正解である率が高い。突拍子もない答えを言うことから笑いが起きることもたびたびである。そんな野々村を「できないキャラ」と見ることもできるだろうが、もし出演者全員が正解してしまったら、番組には起伏がなく、盛り上がらない。野々村がいるからこそ、黒柳の正答率の高さも引き立つことを考えると、「できないキャラ」は番組に必要と言えるだろう。

 芸能界は礼儀作法にうるさいと言われるが、そういった振る舞いが「できないキャラ」のタレントもいる。モデルのローラは、大御所相手に敬語を使わないタメ口キャラでブレークしたが、このキャラが許されたのは、ローラのルックスや生い立ちが関係しているだろう。ローラの父親はバングラディッシュ人、母親は日本人とロシア人の血が混ざったクォーター。そのため日本語がおぼつかない部分があっても、愛らしいルックスも相まって「仕方がない」と思わせる余地があるのだ。

 こう考えると、「できないキャラ」は、本当に「できない人」であることよりも、「番組を盛り上げることに貢献できる人」もしくは「『この人なら仕方がない』という“正当性”を感じさせる理由を持っている人」ということが重要で、そういった芸能人が座れるポジションと言えるだろう。

 最近人気の「できないキャラ」と言えば、お笑い芸人・宮下草薙の草薙航基を思い浮かべる人も多いだろう。『メレンゲの気持ち』(日本テレビ系)に出演した際、草薙は、千原ジュニアから飲み会の誘いを受けたものの、「飲み会でも急に大喜利をやったりしそう」「面白い答えを言わないと、食べちゃいけないみたいな」と勝手に“想像”して、断ってしまうという。こういう人付き合いができない「コミュ障」エピソードを豊富に持つこと、また彼の朴訥とした雰囲気に、親近感を抱く視聴者も少なくないのではないか。

 しかし、1月14日放送の『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)を見ると、草薙が本当にコミュ障なのか疑問に思えてくる。

 同番組では、明るくポジティブなキャラで売っているANZEN漫才・みやぞんと、コミュ障の草薙が、2人で1泊の伊豆旅行へ行くという企画が放送された。これは“お仕事”なので、みやぞんには盛り上げようと努力する様子がうかがえたが、草薙の受け答えを見ていると、3つの特徴があることに気づく。

1.自分で話題を見つけることはせず、相手(先輩)の話も掘り下げない
 みやぞんは草薙に好きな食べ物や、よく聞く音楽を尋ねるが、草薙は会話が広がるような受け答えはできない。であれば、みやぞんに同じ質問をすればいいのに、そういった発想はできないようだ。草薙は藤田ニコルのことが好きで、同番組ではニコルに洋服を選んでもらうロケも行っている。しかし、そこに話がいくと、草薙は「ニコルさんの話はもう大丈夫です」とシャットアウト。話題が続かないので、みやぞんが珍妙なゲームを提案したものの、これも盛り上がらない。草薙は「こんな合わない人、僕、初めて」と言うが、そもそもゲームをすることになったのは彼自身が会話を拒んでいるからである。温厚キャラで知られるみやぞんも、「何でもダメダメ言うよ」と少しイラついていた。

2.相手に合わせない
 お昼ごはんを食べる段階になり、みやぞんが、草薙の好物だという「カレーを食べよう」と提案するも、草薙は「(みやぞんが)好きなもの食べましょう」と言う。であればと、みやぞんは場所が伊豆ということもあり、「魚にしよう」と勧めるのだが、草薙は「魚、あんまり……。でも、全然食べられます」と答えていた。魚があまり好きではないと聞かされて、「じゃ、魚を食べに行こう」と言える人はかなり少数派だろう。草薙は他人に合わせるふりをして、まったく合わせていないのだ。

3.実は上から目線
 温泉宿での就寝時、草薙は「(みやぞんのことを)誤解していてすみませんでした」と謝罪する。どう誤解していたかというと、みやぞんを「イカれた奴だな」と思っていたのだそうだ。先輩であるみやぞんに対し、暴言を吐くことが「面白い」とバラエティー的には思われているのかもしれないが、一般的に考えれば、こんな発言ができるのは、他人に対する敬意がない証拠ではないだろうか。少なくとも、お世話になるかもしれない存在だと思えば、こういう言い方はしないだろう。

 こうした特徴から、草薙はコミュ障というより、案外図太く図々しい面もあるように私には感じられた。

 「できないキャラ」がバラエティー番組に不可欠であることを考えると、草薙は貴重なキャラと言えるかもしれない。しかし、野々村やローラと比べると、明らかに違う点がある。それは2人と違って、彼が共演者に迷惑をかけていることだ。

 野々村がクイズで間違っても、徹子ら共演者にデメリットは生じない。ローラのタメ口を不愉快に思う先輩芸能人もいるかもしれないが、その場合にも睨まれるのはローラであって、共演者がとばっちりを受けることはないだろう。が、草薙の場合、みやぞんのように共演する人がデメリットをこうむるのだ。もし、みやぞんが草薙といて、イラついた顔を見せれば「本当は温厚なキャラじゃない」と思われる可能性もあるし、はっきりと非を指摘すれば「みやぞんがパワハラしている」と言われる可能性もゼロではない。

 となると、共演者は自分のキャラを守るためにも、たとえ自身の方が先輩であろうと、草薙の下手に出て機嫌を取ってあげなくてはいけなくなる。疲弊するのは、共演者ではないだろうか。

 草薙は『アメトーーク!』や『ロンドンハーツ』など、テレビ朝日の名物プロデューサーである加地倫三氏の番組に出演する機会が多い。それだけ加地プロデューサーに評価されているということだろう。「できの悪い子ほどかわいい」ということわざがあるが、私の経験から言うと、こういう立場のあるエラい人ほど、自称コミュ障の「できない子」をかわいがりがちである。

 芸能界はオファーがなければ成立しない商売。共演者や先輩に嫌われてもいいが、オファーをかける側の人にだけは嫌われないようにして、草薙には頑張っていただきたいものだ。

このニュースに関するつぶやき

  • 確かにはらたいらと竹下景子だけではクイズダービーも盛り上がりませんね ヽ(・∀・)ノ
    • イイネ!14
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(1件)

ニュース設定