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北原みのり「日本に必要なのはリラックス」

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2020年01月25日 16:00  AERA dot.

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写真北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表
北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表
 作家・北原みのり氏の週刊朝日連載「ニッポンスッポンポンNEO」。今回はフィンランドで感じたことについて。

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 気がつくとカルロス・ゴーンのことを考える日々だ。宗教人類学者の山形孝夫先生によれば、レバノンは「逃れの国」なのだそうだ。太古から、紛争などで追われる人々は、レバノンを目指してきた。

 レバノンが「逃れの国」ならば、日本は何だろう。ゴーンが気になるのは、私自身が逃げたい気分になっているからだと思う。あれだけの事故が起きたのに原発を再稼働するような政治から。都合の悪い文書を捨てるような政府から。ジェンダーギャップ121位の国から。

 ゴーンと同じ東京地検特捜部に逮捕された佐藤優さんによれば、警察に逮捕された私とは、特捜部組は扱いが違うという。もちろん警察のほうが格下。だから多分ゴーンは時計もない地下牢に丸一日拘束されたり、「1本、2本」と本数で数えられるような経験はしていない(人扱いされないのだ)。それでも100日以上の拘束や、保釈後に妻と会えないような状況は、国際的にみれば異常だ。ゴーンの逃亡は、私に教えてくれた。逃亡を成功させるには、お金と仲間と希望が必要だ。2千万円不足の老後資金のためではなく、いつでも逃げられるように貯金をしようという気持ちにもなった。

 というわけで、今、フィンランドへ小さな逃亡中。34歳の女性首相が登場する国に行きたく、着いてすぐにサンナ・マリン首相の職場、国会議事堂周辺を歩いた。日本の国会前のように警察がうろうろしておらず、なんとなくリラックスしている。

 北欧を旅すると感じることだが、ここは本当にリラックスしている。平日だけれどスーツ姿の男性は少なく(そもそも日本人はスーツを着すぎだ。職業に関係なく男性の制服だと思っている節がある)、ぶつかってきた方がチッと舌打ちするような空気はない。国会議事堂前にある図書館に入ったのだが、広々としたキッズスペースがあった。「うるさい」と怖い顔をするような大人はいなく、誰もが優しい空気の中で息している。

 行きの飛行機でクリント・イーストウッド主演の「運び屋」を見た。麻薬を運ぶ90歳の男の実話を基にした映画。チンピラとイーストウッドの交流が印象的だった。チンピラは四六時中緊張し、すぐに銃を突きつけては「オレを誰だと思ってる!?」と怒鳴る。そいつにイーストウッドが「もっとリラックスして生きろ」と言うシーンがあった。

 そのチンピラが日本と重なったのだった。緊張感のあまり簡単にパニックに陥り、コンプレックスは異様に強いが、「男」としての根拠なき自信で他者を制圧し、筋の通らないことを強引に通す。今の日本が、小物のチンピラとたまらなく重なった。

 私たちに必要なのは、リラックスなのかもしれない。34歳の女性が首相になれる国は、やはり国全体が落ち着いているのだ。平常心で理性的に生きられる空気のもとに、男女平等社会は成熟するのかもしれない。だからまずは一息深呼吸。もうこれ以上、逃げたい気持ちで生きるのは嫌だ。

※週刊朝日  2020年1月31日号

このニュースに関するつぶやき

  • お前がじたばた落ち着きがなく貧乏ゆすりしてるんだろうがwwww
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  • とっとと日本から逃げろよ、ゴミ。
    • イイネ!39
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