ママ友LINEで「子ども同士のトラブル」を相談――「犯人捜しやめなよ」と忠告されてショック

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2020年01月26日 21:32  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

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今や日常生活において、かかせないツールとなっているコミュニケーションアプリ「LINE」。かつては子どもの送迎時に、ママたちが立ち話をしているような光景が見かけられたが、時間に追われ忙しく過ごす共働き世帯が増えた今、ママたちのコミュニケーションの場は、LINEのグループチャットになっているという。そんな、ママたちの「グループチャット」から浮き彫りになった、彼女たちの悩みや、苦悩、気になる話題を覗いてみる。

 子ども同士のトラブルに、保護者はどこまで介入してよいのか。最近は、プライバシーなどの問題から、保育園や幼稚園では、トラブルになった相手の個人名を開示しないことも。こうした状況に頭を悩ませるママが、ママ友同士のグループチャットに助けを求めるケースもあるそうだ。

娘を蹴った子を教えてもらえず、幼稚園に不信感

 友紀さん(仮名)は、2歳になる女児をプレ幼稚園に通わせている。少子化と言われているが、人気幼稚園の場合は入園希望者が定員を上回ることも珍しくない。そのため、年少児の入園が優先される2歳児からのプレ幼稚園に子どもを入れるケースが主流になってきているという。

 プレ幼稚園は、園児数も少なく、母子同室で遊ぶ時間もあるため、必然とママ同士の付き合いが避けられないという。

「これから入園を希望する幼稚園なので、なるべくトラブルは避けたいのですが、母子分離での保育中に、娘が同じクラスの子に耳の上を蹴られてしまったようなのです。よく見ると赤くなっていて、痛がっていました。幼稚園からの説明では、『保育中の園児同士のトラブルは、その場で先生が対応しているので安心してほしい。ケガがあれば、看護師や病院にも連れていく』という説明だけで、誰がやったのか教えてくれないんです……」

 子どもに聞こうにも、2歳児だと、「どういう状況で誰にケガを負わされたのか」を説明するのはまだ難しいという。

「どうやら男の子ではあるようなんですが、特定はできず。誰かわかれば、娘と接触をさせないよう気をつけるのに……と、モヤモヤしていました。そこで、女の子のママさんだけのグループチャットで、娘のケガについて打ち明けたんです。すると、ほかのママさんから、『うちも男の子に噛まれた』といった話を聞くことができました。あるママさんが言うには、『うちの子は、その男の子の名前を言うことはできなかったけど、下駄箱についているその子のマークを指さした』『それで、どの子がやったのかわかった』と。私にも男の子の名前を教えてくれました」

 園で解決してもらえない不満を、ママ同士のグループチャットで解消できたという友紀さん。「ママ友と情報交換ができ、子どもを幼稚園に通わせることへの不安が減りました」と語る。

「私も子どもの頃、幼稚園でケガをしたんですが、それをうまく親に伝えられなかった記憶があります。今は、親同士がグループチャットで、あまり大きな声ではしにくい話も気軽にできるようになりました。子ども同士のトラブルも、ある意味解決策が増えた気がします」

 都下にある小規模保育園に4歳になる娘を通わせている明美さん(仮名)。「娘には、小麦粉などに軽い食物アレルギーがある」という。

「食べ物によっては軽いじんましんが出たり、また咳など循環器に症状が出るんです。そのため、小規模で保育士の目が行き届く園を選びました。でも、この前、ポケットの中にクッキーなどのお菓子を入れて持ってきた5歳児の男の子がいて、合同保育の時に娘が食べてしまったらしいんです」

 幸いにも、ひどいアレルギー症状につながるような症状が出なかったため、難を逃れたという。しかし、その際の園側の対応に不満を感じたようだ。

「『プライバシーの問題で、どの子が持ってきたのか言えない』の一点張りだったんです。おもちゃやお菓子を持ってくるのはルール違反なのに、徹底されていないのは園側の問題。にもかかわらず、そっけない態度で、どうしても納得いかなかったです」

 明美さんは、同じ園に通っているママさんたちのグループチャットで、「持ってきたのは、誰かわかりますか?」と聞いてみたという。

「すると、別のママさんからメッセージが来て『犯人捜しみたいなのはやめなよ』と書いてありました。娘は、アレルギーが入院につながることもあるのに、事の大きさが伝わらずつらかったです……逆に事の大きさがわかっているから、私が暴走しないように咎めたのかもしれませんが」

 モヤモヤを抱える日々を送っていた明美さんだが、後日、迎えの時間に一緒になった男児のママから直接謝罪を受けたという。

「私のメッセージを見たママが、お菓子を持ってきた男の子のママに、内々に伝えてくれたそうです。最初は気まずかったですが、事情を話すと打ち解けました。LINEは、『こういうことがあった』というのを伝えるのには良いですが、単刀直入に『誰か』と聞いたのはよくなかったかもしれません……。直接話す方が、誤解がなくていいと思いましたね」

 関東近県にある保育園に6歳になる娘を通わせている弥生さん(仮名)は、最近、子どもたちが「性差」に気づいてきたという。

「ある時、娘の元気がなかったので、お風呂で二人きりになった時に、理由を聞いてみたのです。すると、トイレの時に局部を見せてきたり、午睡(昼寝)の時に、布団にもぐってきてお尻などを触ってくる男児がいるらしいんです……。保育士さんにもちらっと聞いてみたのですが、『この年頃になると、男の子と女の子が違うというのがわかってきて、ちょっとふざけて着替えの時に裸を見せることはあります』と言われてしまい、娘のことは聞けませんでした」

 神妙そうな面持ちで語る弥生さん。このような性にまつわる話題は、ママ友同士でも、言いづらいという。

「ママ友のグループチャットでも、その話題に少し触れました。でも、話しづらいのか、そのままスルーされてしまい……。でも、小学生のお兄ちゃんがいるママさんが、グループチャットではなく直でメッセージを送ってきました。彼女がグループチャットにいるのは知っていたのですが、ほかのママさんが招待した人だったので、私とは直の友達ではなく、個人的に話すのは今回が初。ママさんいわく、上の子が6歳くらいの頃に、外で性器を触る癖があったので、悩んでいたそうです」

 この出来事で、弥生さんは、思わぬグループチャットの利点に気づいたという。

「グループチャット上で話題を出すと、その場では言いづらくても、個別で連絡してくれる今回のようなケースもあるんだなと思いました。そのママさんは、『たとえ言いづらくても、保育士さんに「ある男の子から、うちの娘が嫌な思いをさせられている」と伝えた方が、向こうのためにもなるよ』とアドバイスをしてくれました。また、伝え方についても『事実だけをシンプルに』と教えてくれたんです」

 このように、ママ友のグループチャットでは、子ども同士のトラブルをなんとか解決しようと奮闘するママたちの姿が見える。ただその場合、感情に任せるのではなく、冷静に「どのように相談するのがベストなのか」を考えることが大事ではないかと思う。

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