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Superfly「心動かす音楽を作りたい」 曲作りのアイデアは「ごちゃ混ぜ料理」から?

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2020年01月27日 11:30  AERA dot.

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写真シンガーソングライター Superfly(撮影/神藤剛)
シンガーソングライター Superfly(撮影/神藤剛)
 4年半ぶりとなるオリジナルアルバム「0(ゼロ)」ではほぼ全曲の作詞作曲を担当した。朝ドラ「スカーレット」でもおなじみの伸びやかな歌声には、どんな思いが込められているのか。

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──今月リリースされたアルバム「0(ゼロ)」には、放送中の朝の連続テレビ小説「スカーレット」の主題歌である「フレア」も収録されています。

 私が思っているよりも幅広い世代の方が習慣的に聴いてくださるんだろうな、ということは意識していました。曲を聴くことで初めてSuperflyという存在を知る、という方もいるかもしれない。

 なので、普段は「パワフル」というイメージを持たれやすいのですが、それよりも自分のなかにある柔らかい部分や優しい部分をうまく表現できればいいな、と。みんなが口ずさめる曲にしたい、とも考えていたので、リズムを強調するというよりは、メロディーに乗せても言葉がきちんと聴こえてくるよう意識しました。物語の邪魔はしない、でもうまくバトンを渡せるような導入になるように。

──アルバムの収録曲を見ると、ドラマやCMのタイアップの依頼も多いことを改めて感じます。

 ドラマの主題歌として曲をつくるのは、苦手だった時期もあるのですが、いまはとても助かっていて。「なんでも好きにつくっていいよ」と言われると、どの引き出しを開けていいのかわからないところもありますが、依頼を受けることで「今回はこの引き出しを開けていいんだ」と思える。“引き出しを開けるきっかけ”をつくってもらえるのでラッキー、と(笑)。

「Gifts」(2018年)は、全国学校音楽コンクールに挑む中学生のためにつくった曲ですが、そもそも自分以外の人が歌うという設定で書いたことはなかったので、普段とは違う脳が刺激され、思いやりを持ってつくることができた気がします。“自分のものではない”という感覚は新鮮でしたし、「誰かと共有するものをつくっているんだ」と思えることも面白かったです。

──近年の曲は、バラード色が強いもの、ジャズのテイストを強く感じるもの、などジャンルを横断していく楽しさがあります。

 もともといろいろなことをごちゃ混ぜにするのが好きで。たとえば料理においても、フレンチとか和食、異なるジャンルのものを混ぜることで新しいものが生まれたりもする。これまでも意識はしていたことですが、今回はより強く表れたのかな、と。「もっと自由でいい」という思いはありました。

 狙っていたわけではないのですが、詞と曲を自分が中心となってつくる機会が訪れたことも、大きかったです。これまでは曲をつくってくださる方がいたこともあり、作曲をしなくてもいい環境だったので、自分の意思を入れる隙があまりなくて。でも、「あれとあれを混ぜてもいいのに」というアイデアは常にありました。

「こうしたものをつくりたい」という0から1の過程で、曲の向かうべきゴールがわかることもある。曲全体が先に見えてくるので、「ジャズはこう」「ロックはこう」という“こうじゃなきゃダメ”という部分がなくなった気はしています。

──例としてすぐに料理の話が挙がりました。日々の生活を大切にされているんですね。

「歌う」という行為自体、身体とダイレクトに結びついていると感じるんです。なにを食べたらこうした声が出て、こういう身体になって、とすべてがつながっていく。なので、食べるもの、身体に入れるものにはどうしても敏感になる。一般的に「健康によい」とされているものがいいというより、「自分にとってよいものは自分にしかわからない」という部分はありますね。

──「Fall」(18年)のMVでは“運命の赤い糸を操る魔女”に扮(ふん)していました。Superflyの新たな一面を見た気がします。

 私自身、とても楽しかったです。もともと日々妄想してしまうところがあって。石が転がっていたら石の気持ちを考え、雪が積もっていたら溶けてどこへ行くのだろう、とその後の物語を考えてしまう。ちょっと生きづらいですけれど(笑)。自分の頭のなかだけで繰り広げていたことが映像となり、目の前で表現される。そんなところにも喜びを感じます。

 私はいつでも「変わりたい」と思っていて。「これでいい」とは思わないようにしています。Superflyとしてはあまり変わったようには見えないかもしれませんが、じつは激変していて。2人組のユニットから1人になって、という状況の変化もそうです。だからこそ、過去に執着していられない。2人でいるときよりも私がしっかりしなければいけないし、フロントマンとしてはどうするべきか。常に「いま」に対してアプローチするようにしています。

──Superflyの世界観はどんどん広がっているように感じますが、キャリアを重ね“届けたい対象”は変わってきましたか。

 デビュー時からずっと口にしていることですが、聴く人に感動してもらいたくて。大きな意味では、それはいまも変わっていないのですが、届けたい“感動”の質は変わった気がしています。

 昔は「人ってこんな声も出る」「こんなにもパワーを出せる」というところを感じてもらいたい、と思っていたけれど、いまは聴いた人が「不覚にも涙を流してしまう」「心から泣ける」ということを大切にしていきたいと思っています。泣けるって、それだけ心がピュアということでしょう。

 笑ったり、涙を流したり。聴く人の心をいろいろな方向に動かすことができたら、Superflyとして活動している意味があるのかな、と思っています。

(ライター・古谷ゆう子)

※AERA 2020年1月27日号

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