元F1王者ロズベルグがシューマッハーとの心理戦を明かす「パニックで予選に大きく影響した」

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2020年01月27日 12:31  AUTOSPORT web

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ニコ・ロズベルグ(手前)とミハエル・シューマッハー(奥)
2016年にF1チャンピオンのタイトルを獲得した元F1ドライバーのニコ・ロズベルグは、メルセデスでミハエル・シューマッハーとチームメイトだった時代に、彼に心理戦を仕掛けられたと主張しているが、メルセデスF1チームの元CEOであるニック・フライはその話を否定した。

 シューマッハーとロズベルグは、2010年から2012年までの3年間をチームメイトとしてともに過ごした。その後7度のF1世界チャンピオンであるシューマッハーはF1を引退し、2013年からはルイス・ハミルトンが加わった。

 当時一流の先輩であるシューマッハーから刺激を受けモチベーションを高めたとロズベルグは主張しているが、その一方でシューマッハーの対抗意識からくる行動と、ライバルの頭の中を探ろうとする習性、自分のことだけを考える性格などはシューマッハーが取り組むべき心理的問題だとも語っている。

 ロズベルグはシューマッハーを“ミスター心理戦”と呼んだが、一度彼がチームのトイレに閉じこもってしまったことを詳しく話した。それはモナコGPの予選が始まる数分前のことで、トイレを使いたくて何度もドアをノックしているロズベルグに対し、シューマッハーは時間稼ぎをしていたのだった。

「なんとか僕は用を済ませることができたが、そのときのパニックは大きく予選に影響した」とロズベルグは振り返った。

「僕がオイルバケツを抱えていた間に、ドアが開いてミハエルが出てきた。彼はその場を離れた途端に早足で歩き始めた。予選が始まるまであと2秒くらいしかないことを知っていたからだ」

■元チームCEOは心理戦に疑問「父親のように接していた」

 だが当時チームを統括していたフライは、ロズベルグがシューマッハーを心理戦の達人だとする主張と内容について、その信ぴょう性に疑問を持っている。

「それが本当のことか、私には分からない。もし本当だとしたら驚きだ」とフライは『Flat Chat』のポッドキャストで語った。

「人々はミハエルを、このようにあらゆる手段を使う卑劣なドイツ人として特徴づけたがる。だが正直に言って、私はそのようなことは見たことがない」

「私が目にしたのは、素晴らしいチームプレイヤーでいるための優れた才能のある人物だ。私はコインの両面を見てきた」

「私がF1で仕事を始めた時に一緒だったのはジャック・ビルヌーブだが、彼は誰とも話さずにすむように、喜んでヘルメットをかぶったままマシンへ歩いて行くような人間だった。」

「彼はメカニックたちとほとんど親交がなかったようだ。彼らが誰なのか知らなかったかもしれないくらいだ。一方で、ミハエルは正反対だった」

 フライは、自分の目標のためにチームを結集させる不思議な能力を持つF1の伝説のドライバーであるシューマッハーに、最大の称賛の気持ちを抱いている。

「彼は、自分が最高レベルでパフォーマンスを発揮するには、他の全員のパフォーマンスを最高レベルで発揮させる必要があることを心から認識していた人物だった。そして、それが彼が一定の期間に計り知れないほどの成功を収めた理由だ」

「ふたりのドライバーの間において、特に心理戦や愚かさなどは目にしていない。実際はまったく逆のことだった。私はミハエルがほとんど父親のように接しているのを見たのだ」

「結局のところミハエル・シューマッハーは、現在人々の心にあるよりもさらに高いところにいることになると思う」

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