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日本にラッコが8頭しかいないってホント?水族館に聞いてみた

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2020年01月28日 16:12  女子SPA!

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女子SPA!

写真(写真提供:鳥羽水族館)
(写真提供:鳥羽水族館)
 つぶらな瞳とユニークな表情で私たちを笑顔にしてくれるラッコは、水族館の人気者というイメージがあります。しかし、実は現在、日本国内でいるのはたったの8頭。ラッコは、意外と会えない希少な動物なのです。

 一体どうしてこんなにも減ってしまったのか。その理由を知るべく、日本のラッコ飼育を統括している鳥羽水族館の石原良浩さんを直撃!ラッコの現状を伺ってきました。

◆日本のラッコが減ったワケは「飼育個体の高齢化」

 今回、取材に応じてくれた石原さんは昨年の夏、Twitter上でラッコとの微笑ましすぎる触れ合いが話題を呼んだ飼育員さん。

 そもそもラッコが日本で初めて一般公開されたのは、1983年のこと。鳥羽水族館(三重県)と伊豆・三津シーパラダイス(静岡県)で公開されると人気に火が付き、1994年のピーク時には122頭ものラッコが国内で飼育されていました。石原さんによれば、国内のラッコが減ってしまった原因は“飼育個体の高齢化”にあるそう。

 実はアメリカでは産まれたばかりのラッコの子どもがはぐれると人工哺育で育て、アメリカやカナダの水族館で飼育されます。そして、保護個体の収容先を確保するため、飼育下での繁殖を禁じ、すぐに去勢を行うようにしているそう。ところが、北米では飽和状態になってきたため、ここ3〜4年ではデンマークやフランス、ポルトガルなどへ輸出もされています。

 対して、日本は保護個体を受け入れて数を増やすのではなく、あくまで飼育個体内で繁殖させてきました。「日本は世界で一番、飼育下で繁殖をしてきましたが、今いるラッコたちは繁殖した個体の孫・ひ孫世代。世代が進むにつれて、だんだん繁殖能力が低下していて、生まれたとしてもミルクが出なかったりして育たないのです。日本では去勢されたラッコは受け入れてきませんでしたが、そうは言ってはいられなくなってきています。」

◆日本のラッコはこれからどうなるのか

 日本のラッコは今後、どうなっていくのか。そんな率直な疑問を石原さんにぶつけてみると、厳しい現実を痛感させられました。「今後、海外から日本に新しい個体が入ってくる可能性はないとは言い切れません。しかし、問題があります。」

 現在、日本のラッコ飼育スペースは老朽化が進んでおり、施設の新設やリニューアルは高額な費用がかかってしまうため、石原さんは現在の飼育園館数と個体数を維持し続けていくのが現実的なのでは……と考えているよう。

 水族館の人気者として一世を風靡したラッコは、いつしか「種を守る」という飼育員さんたちの信念があってこそ出会える動物になっていました。

◆ちょっとした行動が「ラッコ助け」になる

 ラッコは現在、絶滅危惧種*に指定されている動物。世界的に見ても、ラッコが置かれている状況は厳しいものだと言えます。

 そもそもラッコはアメリカ西海岸に生息する「カリフォルニアラッコ」、ロシアから北海道に生息する「チシマラッコ」、アラスカに生息し、日本でも飼育されている「アラスカラッコ」の3種類に分けられます。

 石原さんいわく、カリフォルニアラッコとチシマラッコは増加傾向にあるものの頭打ち感があり、アラスカラッコに関しては増加している地域と減少している地域の両方があるのだとか。漁業に深刻な影響を与えることもあるため、害獣とみなしている地域もあるそうです。

「絶滅危惧種」という言葉はどこか遠く感じてしまうものですが、プラスチックごみを極力出さないようにするなど、私たちのちょっとした行動が希少動物の命を救うことに繋がることもあります。

「そのためにはまず、動物に興味を持ってほしいです。少しでも気になったら気軽に遊びに来てください。」そう語る石原さんは昨年、ラッコとの触れ合い動画がTwitterでバズったことも嬉しく感じておられるよう。「水族館や動物園では動物たちに色んな動きをさせていますが、あれは健康状態をチェックしているんです。それでお客様が喜んでくれたら一石二鳥ですし、その様子をSNSで見て興味を持ってもらえるなら、三鳥にも四鳥にも五鳥にもなると思っています。」

◆レア動物はパンダだけじゃない……

「かわいいから見てみたい」「この動物のことをもっと知りたい」という純粋なワクワクを大切にすることは希少動物を救う第一歩に。「上野動物園の動物は8割が絶滅危惧種だった〜この地図で「一目瞭然」」(2018年4月29日「現代ビジネス」)という記事が出てしまうくらい、今や希少なのはパンダだけではないのです。

 ちなみに、現在、日本国内でラッコに会えるのは鳥羽水族館(三重県)、アドベンチャーワールド(和歌山県)、神戸市立須磨海浜水族園(兵庫県)、マリンワールド海の中道(福岡県)、新潟市水族館マリンピア日本海(新潟県)、のとじま臨海公園水族館(石川県)の6施設です。近くに住んでいる人は、ぜひ会いに行ってみてください。

 そうでなくても、この週末はお近くの水族館や動物園に出かけつつ、自分にもできる「動物助け」を考えてみてはいかがでしょうか。

*IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで、絶滅危惧IB類 (Endangered、EN:近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの)に指定されている。

<文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香、取材協力/鳥羽水族館>

【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291

このニュースに関するつぶやき

  • (*´∀`)お気に入りの石を持ってるってほんと?
    • イイネ!1
    • コメント 3件
  • お袋が突如「ラッコが見たいのよ����Ĺ�����棱��exclamation」と叫んで、池袋まで連れていったな、あの頃は休み休みでも歩けた。また叫べ、車椅子でも連れていくから��
    • イイネ!73
    • コメント 0件

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